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フード  |    2026.07.21

【大阪府大阪市】人とお酒がつながる街・天満|【前編】老舗酒屋「酒のながた」と立ち飲みナガタに流れる人情

大阪天満宮の門前町として発展してきた天満エリア。古くから商いと人の往来が続くこの街には、今も酒文化が色濃く残っています。そんな天満の一角にあるのが、明治初年創業の老舗酒屋「酒のながた」、そして横にある「立ち飲みナガタ」です。角打ち文化を今に伝えながら、長年この街の日常に寄り添ってきました。
今回は、「酒のながた」「立ち飲みナガタ」を起点に、天満に根付く立ち飲み文化と人のつながりをたどります。

“選ぶ時間”も楽しい酒屋

駅から少し歩くと、ふっと視界に入る「酒のながた」。
店先には、大きく「ながた」の文字が掲げられています。 店先にはケースに積まれた酒瓶やビール箱が並び、どこか懐かしい空気が流れています。
店内へ入ると、日本酒や焼酎がずらりと並び、賑やかすぎない静かな活気に包まれています。並ぶお酒からは老舗ならではのこだわりも感じられ、長年この場所で商いを続けてきたからこその安心感がありました。

店内には、日本酒を中心にさまざまなお酒が並びます。中には、品質管理を徹底できる酒販店にしか卸されない銘柄や、普段あまり見かけない銘柄も多く、棚を眺めているだけでも思わず時間を忘れてしまいます。
どれを選べばいいか迷っていると、スタッフの方が丁寧に声をかけてくれました。好みや飲み方を伝えると、それに合わせて提案してくれる距離感も心地よく、お酒初心者でも気軽に相談できる雰囲気があります。店内には唎酒師(ききさけし)の認定証も飾られており、お酒への深い知識やこだわりも感じられました。

※写真左の7代目・永田博之さん。写真右は、長年店に通う常連・木村剛史さんです。

現在、店を支えているのは仲の良い三兄弟と、その母・武子さん。長男の博之さんが7代目として店全体を担い、次男の達也さんが酒販部門を担当。そして三男の貴寛さんは配達や立ち飲みを支え、母・武子さんも経理や店に立ちながら家族で店を守り続けています。
役割は違っても、根底にあるのは同じ「店を守る」という想い。長い歴史の中で積み重ねてきた信頼と実績があるからこそ、扱えるお酒があり、守られている品質があります。
仕入れに当たっては品質確認も兼ね、蔵元まで直接足を運ぶこともあるそう。希少価値のあるお酒を、できる限り良い状態で届けるための努力を惜しまない。そうした積み重ねが、長年愛され続ける理由のひとつなのかもしれません。単にお酒を販売する場所ではなく、「人・お酒・文化」をつなぐ役割を担っている。そんな誇りのようなものが、店全体から伝わってきました。

暖簾の横に広がる“人の集まる場所”

そして、「酒のながた」のすぐ隣にあるのが、系列の立ち飲み店「ナガタ」。
暖簾の向こうからは笑い声や会話が聞こえ、店内には自然と人が集まっていました。
「いらっしゃい!」そう声をかけてくれたのは、店員さんだけではなく常連さんたち。初めて訪れたはずなのに、不思議と居心地の悪さを感じません。
隣に立った人とのちょっとした一言。店員さんとの軽いやりとり。それがきっかけで、気づけば会話が広がっていく。無理に話そうとしなくても、その場にいるだけで空気に溶け込める感覚がありました。
写真を撮らせてもらっていると、常連さんたちも「こっちも撮ってええよ」と笑顔で声をかけてくれました。どこか自然と輪の中に入れてもらえる。そんな距離感も、この店の居心地の良さにつながっているのかもしれません。
立ち飲みという距離感だからこそ、隣に立った人との会話が生まれ、人と人とのつながりが広がっていく。そんな“天満らしい空気”が、この場所には流れていました。


“また来たくなる理由”は味と人

立ち飲みナガタで印象に残ったのは、お酒だけではありません。
今回いただいたのは、おまかせコース。料理に合わせて日本酒を楽しめるスタイルで、4種類の日本酒を少しずつ自由に飲み比べできるのも魅力です。
中でも印象に残ったのが「Premium 開華(かいか)」。やわらかな飲み口で料理との相性もよく、ついもう一杯飲みたくなる味でした。
料理はどれもお酒によく合い、特に印象的だったのが鰹のタタキ。信頼している高知の卸業者から仕入れているそうで、臭みがなく驚くほど食べやすい。「鰹のタタキが苦手でも食べられた」という声があるのも納得のおいしさでした。

さらに、からしを添えていただく肉料理や、やさしい味付けの煮魚など、どこか家庭的でほっとする料理が並びます。
武子さんが作る料理は、“天満のお袋の味”と呼ばれているそうです。
お酒と料理、そして人。そのどれかひとつではなく、すべてがそろっているからこそ、この場所には自然と人が集まるのだと思います。気づけば、また来たいと思っている自分がいました。


受け継がれてきた店

明治初年創業の「酒のながた」。
 長い歴史を持ちながらも、店内にはどこか肩肘張らない温かな空気が流れていました。
酒販部門、立ち飲み、それぞれの場所を家族で支えながら、今も天満の日常に寄り添い続けています。
次回は、そんな「酒のながた」が歩んできた歴史や、天満に根付く角打ち文化についてさらに深く伺います。

後編はこちら

【大阪府大阪市】人とお酒がつながる街・天満|【後編】7代続く「酒のながた」 人と地域がつないだ暖簾の歴史

酒のながた・立ち飲みナガタ

住所:大阪府大阪市北区天満4丁目5-15

営業時間:
酒のながた:9:00~18:00
立ち飲みナガタ:17:00~20:00

定休日:
酒のながた:日曜日・祝日
立ち飲みナガタ:水曜日・土曜日・日曜日・祝日

※営業時間・定休日は変更となる場合があります。ご来店前に店舗へご確認ください。

電話番号:06-6351-1971

最新の入荷情報やお店の詳細は、公式ホームページInstagramで発信されています。
気になる方はぜひチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

あん

神戸生まれ神戸育ちのこうべっこ!看護師兼Webライターとして活動しています。 地域取材グルメやイベント、神社仏閣、博物館などを中心に執筆。 阪神・淡路大震災を経験した世代として、観光情報だけでは伝わらない“その土地の空気”を丁寧に言葉にすることを大切にしています。 子どもと一緒に各地へ出かける中で見つけた日常の気づきも、記事として発信しています。

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