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聖地  |    2026.07.22

【三重県いなべ市】花手水の次は風車と御朱印|いなべ市・金井神社にまた行きたくなる魅力とは〈後編〉

三重県いなべ市の金井神社では、300本以上の風車・800個の風鈴・手書きの月替わり御朱印が参拝者を迎えます。
神社の伝統を守りつつ、吹き込む新しい風がいなべ市を訪れたい気持ちにさせてくれます。

境内に入ると、どこからともなく風が吹いてきます。すると、色とりどりの風車がいっせいにくるくると回り始めます。

300本以上。

前編では、コロナ禍に生まれた「花手水」の誕生秘話をお伝えしました。

前編はこちら

【三重県いなべ市】花手水に込めた想いとは|叶の宮・金井神社が全国から愛される理由〈前編〉


後編では、境内を彩る「かない風車」「かない風鈴800個」、そして2時間待ちでも並ぶ人が絶えない手書き御朱印の魅力をひも解いていきます。

いなべ市観光で、金井神社がまた行きたくなる場所になる理由が、ここにあります。

風が強い土地で生まれた「かない風車」

〈筆者撮影〉

① 風車の誕生

風車が誕生したのは、実はシンプルな気づきからでした。
金井神社がある北金井は、高低差のある地形のため風が強い土地です。
そこで、風が吹き抜ける地形を活かすことにしました。
絵馬の代わりに、願いを風車に託す。

「悪いものを吹き流し、また、風に乗って願いが届くように」

明るく華やかな風車を見ることで気持ちが上向く、そんな参拝体験をつくりたいという思いから生まれました。

風車は組み立て式で、「見える面」にイラストを描いたり、見えにくい面に秘め事のような願いを書いたり、参拝者ひとりひとりの個性が表れるようになりました。

② 取材時の2026年5月時点で300〜400本、夏に向けてさらに増設予定

〈筆者撮影〉

今(2026年5月時点)では境内に300〜400本の風車が立ち並んでいます。
夏に向けては奉納台をさらに増設する計画があり、境内には「願いが回る」風景が広がる予定です。

訪れるたびに、少しずつ景色が変わっている。

それも金井神社の魅力のひとつです。

季節で変わる境内の顔

① 春:鯉のぼりが泳ぐ境内

〈筆者撮影〉

4月から5月末にかけては、鯉のぼりの季節です。
色とりどりの鯉のぼりとかない風車が組み合わさり、境内全体が春の色に染まります。

子どもの成長を願う祈りが、空へと向かっていく光景です。

② 夏:800個の風鈴トンネル

〈写真提供:金井神社〉

6月以降は、いよいよ風鈴の季節。
約800個の風鈴が境内に飾られ、風が吹くたびに涼やかな音色が広がります。

短冊奉納(初穂料500円)で自分の願いを風鈴に結ぶこともできます。
音・色・風が一体になった、夏の金井神社ならではの体験です。

夏の金井神社には、いなべ市内外から多くの参拝者が訪れます。

③ 正月:幻想的な行燈

〈写真提供:金井神社〉

大晦日から1月3日にかけては、境内に行燈(あんどん)が灯ります。

過去の御朱印柄をあしらった行燈が夜間に点灯される光景は、昼間とはまったく異なる表情です。静寂の中に浮かび上がる光は、参拝者を非日常の世界へと誘います。

2時間待ちでも欲しい。手書き御朱印と授与品

〈筆者撮影〉

① 1枚ずつ手押しへのこだわり

〈筆者撮影〉

三重県の御朱印スポットとして全国から注目される金井神社には、大切にしていることがあります。

「手で作ること」です。

神職が、1枚ずつ手押しで仕上げます。
印刷物が増える時代に、あえて手作業にこだわり続ける理由はシンプルです。

参拝者ひとりひとりのために、心を込めて作りたいから。

混雑時は2時間ほどお待ちいただく場合もあるそうです。

「お待たせしてしまうことも・・・」大変心苦しく思われる様子。
それでも、並ぶ人が絶えないのはなぜでしょうか。

手押しのはんこには、わずかなズレや色の濃淡があります。
同じものは、二度と作れません。
その「一期一会」の温かさが、人の心に深く刻まれるのだと思います。

私も順番に並び、御朱印をいただいた一人です。
大切に作っていただいた華やかな御朱印は、特別なものに感じました。

② 毎月変わるデザインと、その年だけの御朱印

〈筆者撮影〉

御朱印のデザインは毎月変わります。
5月は藤や端午の節句、夏はひまわりやかき氷、正月には限定デザインが登場。
とくに夏と正月の御朱印は人気が高く、遠方から訪れる参拝者もいるそうです。

さらに金井神社の御朱印は、毎年同じ月でもデザインが異なるのが特徴です。
たとえば同じ「5月」でも、「去年と同じもの」ではありません。

その年、その時期にしか出会えない特別感があり、毎月だけでなく、毎年楽しみに訪れる人が多い理由のひとつになっています。

御朱印直書き受付は9:00〜15:00.
書置き・授与品の受付は9:00〜16:00。※毎週火・水曜日は、書置きのみの対応です。
ただし、火・水曜日が1日または祝日の場合は、直書きで対応します。

③ カバンに忍ばせたい「叶守」と、集めたくなるオリジナル御朱印帳

〈写真提供:金井神社〉

せっかく訪れたなら、参拝の記念に持ち帰りたいものがあります。
金井神社で人気のお守りは、ハート形の「叶守(かないまもり)」です。

全8色で、カバンや鍵につけやすいサイズ感が魅力。
ハートの形は「猪目(いのめ)」と呼ばれる日本古来の文様で、魔除けや縁起のよさを持つ伝統的なかたちです。

「叶の宮」らしく、願いを手元に持ち歩けるお守りとして、話題になっています。
六角形や20cmを超える大型のお守りなど、形のバリエーションも豊富です。

〈写真提供:金井神社〉

また、御朱印帳もオリジナルデザインが9種類(初穂料各2,000円)揃っています。
パステルカラーが基調の可愛らしいデザインで、「この御朱印帳が欲しくて金井神社に来た」という参拝者も少なくありません。

御朱印と御朱印帳をセットで揃えるのが、金井神社を訪れた人のお決まりになりつつあります。

人が集い、笑顔があふれる場所へ

〈筆者撮影〉

① 向かいの公民館に子どもが遊ぶ姿

金井神社の変化は、境内の中だけに留まりませんでした。
花手水や風車が話題になり、参拝者が増えるにつれて、神社向かいの公民館やバスケットゴール周辺で遊ぶ子どもの姿が増えてきたそうです。
以前は「暗い印象もあった」という境内が、今では人が集まる明るい場所になりました。

外出先で「金井神社のある地域の方ですか?」と声をかけられるようになった、という方もいるそうです。
神社が、地域の親しみや愛着につながっているようです。

反対意見があったあの頃から、確かに何かが変わりました。

② いなべ市の「もうひとつの目的地」へ

〈筆者撮影〉

いなべ市といえば、梅林公園が有名です。
金井神社は今、その梅林公園と並ぶいなべ市観光の目的地を目指しています。
北陸・関西・関東からの来訪者は着実に増え、毎月欠かさず訪れる参拝者も生まれています。
取材時点ではテレビ取材も予定されているとのことで、これからさらに多くの人に知られていくことでしょう。

神社があることで、人が来る。
人が来ることで、地域が動く。

その小さな循環が、いなべ市をじわじわと変えていこうとしています。

一度の参拝が、一生のご縁になる|神職が大切にする思い

〈筆者撮影〉

① 参拝から始まる、人と神社のつながり

取材の中で、神職の方がこんな話をしてくださいました。

「花手水や御朱印を楽しみに参拝に来てくださった方が、後日またお宮参りで来てくださることがあるんです」

最初は観光気分でふらりと立ち寄った方が、金井神社で何かを感じ、また節目の日に参拝にくる。
赤ちゃんの誕生を報告しに。
子どもの成長を祝いに。
家族の健康を祈りに。

一度の参拝が、生涯にわたるご縁の入り口になっていく。

結婚式の出張奉仕をきっかけに地鎮祭へとご縁がつながり、お礼参りからまた新たなつながりも生まれているそうです。

「ご縁をいただいた方が、また新たなご縁をつないでくれる」

そんなつながりの積み重ねが、神社と地域との結びつきを少しずつ広げています。

② 「いつでも来ていい場所」でありたい

少子高齢化が進む中、常駐の神職がいない神社も増えています。
そのような中、金井神社では神職が常駐し、いつでも相談や参拝ができる体制を守り続けています。

神職の方が「私たちはいつでもおりますので、気軽に来てくださいね」と、やさしく声をかけてくださいました。

参拝に訪れる人の中には、楽しい気持ちの日だけでなく、悩みや不安を抱えて足を運ぶ人もいます。
そんな時でも、「ここに来れば誰かがいる」と感じてもらえる場所でありたい。

その思いが、日々の神社の維持につながっているそうです。

特別な用事がなくても、ふらりと立ち寄れる神社。
季節の飾りを楽しみ、手を合わせる。
また訪れたくなる、そんな場所でありたいという思いが、花手水にも、風車にも、御朱印にも込められています。

子どもの頃に境内で遊んでいた人が、大人になってお宮参りに訪れ、今度は自分の子どもを連れてやって来る。

金井神社は、そんな地域の人たちの人生に、長く寄り添い続けています。

まとめ

〈筆者撮影〉

「金井さん」と呼ばれていた小さな神社が、「叶の宮」として全国に知られるようになったのは、地域の人と、神職の方と、訪れた参拝者が一緒につくってきたからです。
花手水も、風車も、御朱印も、「来てくれた人に喜んでほしい」という思いを重ねながら生まれました。

いなべ市に来る理由が、また一つ増えたのではないでしょうか。
ぜひ一度、叶の宮・金井神社へ足を運んでみてください。

あなたの願いも、風に乗って届くかもしれません。

叶の宮 金井神社:基本情報

住所:三重県いなべ市員弁町北金井911
御朱印(直書き)受付:9:00〜15:00 ※毎週火・水曜日は書き置きのみ(1日・祝日を除く)
御朱印(書き置き):9:00〜16:00 ※祭礼日は、直書対応日でも書き置きのみとなる場合があります。
授与品受付:9:00〜16:00
アクセス:東海環状自動車道「大安IC」より約5分三岐鉄道北勢線「楚原駅」より徒歩約20分(1.4km)
駐車場:境内約10台・向かいの公民館約30台(計40台)
公式Instagram:https://www.instagram.com/kanaijinjya/
金井神社 公式ホームページ:https://www.kanaijinjya.com



参考文献・引用元
金井神社 公式ホームページ:https://www.kanaijinjya.com
観光三重(かんこうみえ)|金井神社スポット紹介:https://www.kankomie.or.jp/spot/23661
観光三重 取材レポート|金井神社のキュンとくるデザインの御朱印や季節の花の花手水が魅力!:https://www.kankomie.or.jp/report/1488
いなべ、暮らしを旅する|季節を彩る境内で、風車に吹かれて叶いの神社「金井神社」:

Omairi(おまいり)|金井神社 御朱印:https://omairi.club/spots/99612/goshuin
Trip.com|願いが叶う?!叶の宮 金井神社 毎月変わる御朱印と花いっぱいの花手水:https://jp.trip.com/moments/detail/inabe-57136-120753494

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この記事を書いた人

伊藤みいり

40代管理栄養士ママライター。三重県在住、男の子3人を育てています。日々の家事や育児に奮闘しながら、無理のないシンプルな暮らしを実践中。地元・三重を中心に、子連れでも楽しめるお出かけスポットや、気軽に行ける穴場、地方ならではの魅力も積極的に発信していきます。家族で楽しい時間を過ごす工夫や、「笑顔の時間」を増やすアイディアをお届けします。

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