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聖地  |    2026.09.08

神玉巡拝で山の奥へ|冨士山小御嶽神社と新屋山神社

富士山麓の7社を巡り、参拝の証となる「神玉」を集める神玉巡拝。

神玉には神社ごとに異なる絵柄が描かれ、専用の神紐に通すと、一つのお守りになります。もともと茨城県の神社で始まった取り組みを、富士北麓の若手神職の皆さんが7社の巡拝として実現しました。知らなかった神社や、地域に受け継がれる歴史にふれられるのも魅力です。

今回は、富士山五合目に鎮座する冨士山小御嶽神社(ふじさんこみたけじんじゃ)と、森に包まれた本宮(もとみや)、さらに富士山二合目の山深い場所に奥宮(おくみや)を構える新屋山神社(あらややまじんじゃ)を訪ねます。どちらも、富士山の高みや山の奥まで足を運ぶことで、人々が守り継いできた信仰の深さにふれられる神社でした。

標高2,305m、富士山五合目の冨士山小御嶽神社へ

富士スバルラインを上っていくと、次第に樹木の背丈が低くなっていきます。標高とともに変わる景色を眺めながら、富士の高みを目指しました。

駐車場に降り立つと、麓から眺めるのとは違う荒々しい富士山が迫ります。

土産店や飲食店が並ぶ一角に立つ赤い鳥居が、冨士山小御嶽神社の参道入口です。店と店の間を抜けていくと、木々に囲まれた本殿が現れました。

冨士山小御嶽神社は、承平7年(937年)の創建と伝えられる山岳信仰の霊地です。

現在の富士山の土台となった古い火山「小御岳」の山頂に鎮座すると知り、富士山が重ねてきた時間の長さに驚きました。

標高2,305mの富士山五合目。現在の富士山の土台となった小御岳の山頂に、冨士山小御嶽神社が鎮座する(図解は筆者作成)

天狗が守る神社と、重さ375kgの百貫斧

境内周辺は「天狗の庭」と呼ばれ、本殿には、長い鼻の天狗や、鋭いくちばしを持つカラス天狗の面が並びます。奉納額や講社札が隙間なく掲げられた本殿内からは、全国各地の人々が富士山を目指してきた信仰の厚みが伝わってきました。

天狗の力を象徴する百貫斧。現在も持ち上げようと挑戦する参拝者がいる

境内でひときわ目を引くのが、地面に置かれた巨大な鉄製の斧の刃です。重さは百貫、約375kg。柄のない刃だけでも、その大きさに圧倒されます。

授与所にいた方に伺うと、かつて月遅れの端午の節句を迎える6月になると、富士北麓の子どもたちが力試しに訪れたそうです。斧を持ち上げられれば一人前の男と認められ、大きなご利益にもあずかれると考えられていたのだとか。

この日も、体格のよい海外からの参拝者が大斧に挑んでいました。全身に力を込めると、鉄の塊がわずかに動いたように見え、周囲から歓声が上がります。

「昔の人は、どれほど力持ちだったのだろう」

大斧を見ながら、そんなことを考えました。

戦後によみがえった大斧と、五合目の小さな驚き

現在の大斧は二代目です。

初代は第二次世界大戦中に供出され、今あるものは戦後に再び作られたと伺いました。これほど大きな斧が作り直されたことからも、地域にとって大切な信仰の象徴だったことが伝わります。

境内を歩いたあと、土産店で買ったポテトチップスの袋は、気圧の低さで風船のようにパンパン。まさかポテトチップスから富士山の高さを実感するとは思いませんでした。

標高2,305mでパンパンに膨らんだポテトチップス。天狗の面を背景に記念撮影

参拝後には、冨士山小御嶽神社の神玉と神紐、御朱印を授かりました。ここまで上って手にした神玉は、道のりまで思い出させる参拝の証です。

冨士山小御嶽神社の神玉・神紐・御朱印

富士の森に鎮座する新屋山神社

続いて、新屋山神社です。

参道には、朱塗りの鳥居や木肌を残した鳥居が幾重にも並んでいました。鳥居をくぐって進むと、鮮やかな彫刻を施した本殿が現れました。

新屋山神社は、日本三大金運神社の一つとして紹介されることも多い神社です。「これは、来てよかった!」と期待が高まりました。

本宮を参拝したあとは、富士山二合目の山中に鎮座する奥宮へ向かいました。

「本当にこの先?」富士山二合目の奥宮へ

奥宮へ向かう途中には、古くから富士山を目指す人々が立ち寄ってきた「中ノ茶屋」があります。

そこを曲がり、舗装された細い山道を延々と上りました。建物のない道を進むうち、「この道で本当に合っているのかな」と不安になりました。熊でも出てきそうな山深さです。

やがて、路肩に停められた車が急に増え始めました。しかも、高級外車や大型SUV、オープンカーなど、立派な車ばかりです。

「いったい、ここに何があるのだろう」

車を降りて周囲を見ると、草むらに一歩入った低い位置に「新屋山神社 奥宮」と書かれた案内板がありました。車の中からは見えにくく、停まっている車がなければ、そのまま通り過ぎてしまいそうです。

「ああ、ここだったのか」

草むらの中に立つ奥宮の案内板。案内板の先には、木々に囲まれた参道が続く

案内板の先には、奥宮へ続く道が延びていました。先ほど路肩に並んでいた立派な車を思い出し、

「ここで金運のご利益を授かった人たちが、お礼参りに来ているのだろうか」

そんな想像をしながら、富士山二合目の森に鎮座する奥宮へ向かいました。

山道の奥に現れる新屋山神社奥宮。案内板を見つけるまで、本当に道が合っているのか不安になるほど山深い

木々に囲まれた奥宮は、人の暮らしから遠く離れた大自然の中に鎮座していました。

「山の神様は、ここにいらっしゃったのか」

静かな気持ちになり、手を合わせました。

参拝後には、神玉と金運を思わせる黄色の神紐、御朱印を授かりました。財布などに入れて持ち歩ける金運カード御守も、大切に持ち帰ります。

新屋山神社の神玉・黄色の神紐・本宮の御朱印
金運カード御守と奥宮の御朱印

神玉を追いかけた先に、山で受け継がれる信仰があった

五合目では、天狗の伝説と百貫斧に残る地域の記憶にふれました。新屋山神社では、鳥居の連なる本宮から富士山二合目の奥宮へ向かい、山の中で受け継がれてきた信仰に出会いました。神玉を集める旅は、今回も知らなかった富士山の物語へ導いてくれました。

次に新屋山神社奥宮を訪れるときは、大富豪になってお礼参りができますように。

冨士山小御嶽神社の基本情報

所在地
〒403-0005
山梨県富士吉田市上吉田小御岳下5617
富士スバルライン五合目

電話番号
0555-72-1475

参拝時間
8:30~16:30
※冬季は道路状況により参拝できない場合があります。

駐車場
富士山五合目の無料駐車場を利用できます。
※マイカー規制期間中は、自家用車で五合目まで通行できません。自家用車を富士山パーキングに停め、シャトルバスなどに乗り換えて五合目へ向かいます。

車でのアクセス
中央自動車道・河口湖ICから富士スバルライン経由で約50分。
富士スバルラインは有料道路です。普通車の往復料金は2,800円、軽自動車は2,300円、現金のみ。
2026年のマイカー規制期間は、7月3日18時~9月10日18時です。道路状況や規制の最新情報をご確認ください。

公共交通機関でのアクセス
富士山駅または河口湖駅から、富士山五合目行きのバスを利用。運行時期や時刻表を事前にご確認ください。


新屋山神社の基本情報

本宮

所在地
〒403-0006
山梨県富士吉田市新屋4-2-2

電話番号
0555-24-0932

参拝時間
9:00~16:00

駐車場
あり

車でのアクセス
中央自動車道・河口湖ICから約10分
東富士五湖道路・富士吉田ICから約7分

公共交通機関でのアクセス
富士山駅からバスで「新屋公民館入口」下車、徒歩約7分

奥宮

所在地
富士山二合目(本宮より車で約40分)

参拝時間
10:00~15:00
※11月~4月閉鎖

駐車場
奥宮周辺の駐車環境は限られています。通行の妨げにならないようご注意ください。

車でのアクセス
本宮から滝沢林道方面へ向かいます。道幅が狭く見通しも悪いため、速度を落として十分にご注意ください。また、林道が閉鎖されることもございますので、事前にホームページ等でご確認ください。

公式サイト
http://www.yamajinja.jp/index.html


神玉巡拝の基本情報
  • 神玉初穂料:1社につき500円
  • 神紐初穂料:1社につき300円
  • 対象:富士山麓の7社
  • 7社をすべて巡ると、最後に参拝した神社で巡拝達成証明書を受け取れます
    ※頒布時間等詳細は、各神社へお問い合わせください
  • 神玉の絵柄と神紐の色は、神社ごとに異なります

各神社の神玉授与時間やモデルコースなど、神玉巡拝の最新情報は以下をご確認ください。

富士山麓神玉巡拝ガイド(富士吉田市観光ガイド)
https://fujiyoshida.net/course/index.php?p=course-530

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この記事を書いた人

金子 よし子

山梨県出身、山梨県在住のwebライター。 山梨県の魅力をたくさん発信していきたいと思います!

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