テレビや雑誌、グルメサイトにも引っ張りだこな立ち食いそば『麺処盛盛』。実は、筆者のわたしも西武池袋線沿線に住んでいて、前から気になっていたんですよ。
今回はお昼時の13時に伺ってきました。
富士見台駅の高架下を歩いていくと、バーーーンと現れる「肉」の文字。いいですねぇ。

一般的なお店とは違い、外壁がなく、中の様子が丸見えです。あえてオープンな作りにしているのだそう。
外からでも混み具合がわかるから、恐る恐るドアを開けて「一人なんですけど…」と声をかける必要がありません。小心者のわたしにとっては、この上なくありがたい…!!
券売機の前まで立ったところで、お客さんと楽しそうに会話しているスタッフの羅王さん(店主・島田聡さんの息子さん)の姿が見えました。初めてのお店はどうしても緊張するものですが、この明るい雰囲気なら大丈夫そう。さっそく食券を買って、カウンターへ。
看板メニューの肉そば、数分たらずで着丼

今回は、肉そば(並)の蕎麦・太麺をオーダー。
並盛でも、かなり食べ応えがありますよ。ダシ汁で煮た豚肩ロース肉がドンと乗り、その上に山盛りの白髪ねぎ。ビジュアルからして、一般的に想像されるような「立ち食いそば」の枠に収まっていません。
麺は「むらめん」製の特注太麺だそうで。固すぎず、「生返し」のつゆをしっかり吸い込むような懐の深い麺です。箸でガッとつかんで、ワシワシと食べ続ければ、じわ〜〜っととてつもない多幸感が押し寄せてきます。

ちなみに、麺は「蕎麦(細)」「蕎麦(太)」「うどん」「きしめん」「中華麺」の5種類から選べます。メニューの数も豊富なのに、麺まで選べるのだから、毎日通っても飽きないでしょう。
ドランクドラゴン塚地さんの『ふらっと立ち食いそば』でも取り上げられており、下記のYouTube動画では肉そばが出来上がる過程を見ることができます。
肉そばで飲むビールが、これまた美味いんですよね
瓶ビールもいただきました。ビール、ハイボール、ワンカップと、お酒もしっかり置いているところが酒飲みライターのわたしからすると嬉しいですね。
肉そばに乗っかっている肉とねぎをあてに飲む。間違いない。美味い、染みる〜〜〜。

食べ飲み進めるうちに、飲むなら「肉そば(あたまの大盛)」にしても良かったかも、と思いました。
お店のもうひとつの看板メニュー「モツ煮込み」も気になります。味がしっかり染み込んだモツや大根、こんにゃくがお酒にぴったりとのことで、これは次回の楽しみにとっておきます。
19歳で父の店に飛び込んだ、息子・羅王さんの話
この日、カウンターの向こうでテキパキと調理していたのは、店主・島田聡さんの息子である羅王さん。
19歳のとき、以前の仕事を辞めたタイミングでお父さんから「忙しいから手伝ってくれ」と頼まれ、気づけばそのまま、この世界にどっぷり浸かっていたそうです。
大変だったことありますか?
「これまでも飲食店で働いていて、バイトリーダーの経験もあったので、接客自体は慣れていたんですよ。でも、父と二人でやっていたことを、一人でやらなきゃいけなくなった時は結構苦戦しちゃって。常に『次の次』を考えながら動かないといけない。それは結構大変でしたね」
接客には自信があったものの、父・聡さんと同じ振る舞いができるわけではありません。オープン当初は「店員が若すぎる」とネットに書かれたこともありました。年齢的に仕方のない部分もありますが、どこかで父と自分を比べてしまうこともあったそうです。
しかし、1年以上かけて、常連さんとの関係を丁寧に積み上げてきたとのこと。
取材中のカウンター越しのやりとりを見ていても、それは明らかでした。どんなお客さんにも笑顔で元気に声をかけ、店の顔として自信のある振る舞い。その距離感の取り方に、確かなプロ意識を感じました。
お父さんとはどんな関係ですか?
「朝6時には、ひばりヶ丘店とビデオカメラを繋いで、お互いの状況を確認し合っています。仕事のやり方でぶつかることもあって、正直、激しいケンカになったこともあります(笑)。でも仕事が終われば、よく一緒にお酒も飲むし、基本的にはお互い信頼して任せ合っている感じはあります」

個人的に一番好きなメニューは?
「最初に感動したのは、やっぱり肉そば…というわけではなく、実はカレーそばなんです。うちの出汁はカレーと完璧にマッチする。それで、父の味は本物だ!!!と思いました」
隣に座っていた人がカレーそばを食べていたのを思い出し、わたしもカレーが気になってしまいました。とはいえ、すでに肉そばを平らげた後の胃袋。せめてミニカレーライスだけでも…とつい追加注文してしまいました。…お、美味しい…!!!

期間限定メニューも年に3〜4回出しているそうですが、企画した父・聡さんや羅王さんだけではなく、スタッフ全員が食べて「美味しい!」と思えるかどうか、メニュー化の前にはしっかり確かめ合っているみたいです。
「自分たちが美味いと思わないものは絶対に出さない。スタッフ全員が納得できたものだけを出す」
この言葉は、父・聡さんから受け継いだ信念であり、羅王さん自身のポリシーでもあります。


商品情報は、Instagramでも発信しています! ≫ @tachigui_morimori
常連さんが戻ってくる店を、この先もずっと

取材中、ふと自転車でやってきたお客さんが「生蕎麦、まだ残ってる?」と声をかけました。
「今日はもう完売しちゃいましたよ~~」
「何時くらいに来たら食べられるんだ?」
「じゃあまたその時間に来るよ」
こんなやりとりが自然に生まれるお店は、なかなかありません。
大阪に引っ越した元常連が旅行のたびに寄ってくれたり、就職で名古屋へ行く常連との別れがあったり。ちょうど取材に訪れた3月中旬は、出会いと別れのシーズン。離れても、またここに来る。そばを食べたいだけじゃない。この店にまた戻ってきたい、その気持ちがとても嬉しい、と語っていました。
今後の夢はありますか?
「盛盛の味のベースには、老舗のお蕎麦屋さんから受け継いだ出汁があるんです。この味をもっと広めたい。今は2店舗ですけど、いずれは10店舗とか、多店舗展開に挑戦したいですね。西武線沿線を制覇するとか!新宿など都心だったり、いろんなエリアにも出していきたいです」
一方で、こうも語ってくれました。
「飲食店は10年続けるのも難しいと言われている中で、それでも10年後、もしその時に自分が現場を離れていたとしても、富士見台の駅前にこの店が当たり前のようにずっと残っていてほしい。自分が客として食べに来られるような、そんな店にしたいんです」
拡大への野心と、地元に根を張り続けたいという想い。その両方を、羅王さんはまっすぐに語ってくれました。

さいごに一言、お願いします。
「立ち食いそばって、味だけじゃないんですよ。立ちながら食べる、この雰囲気ごと美味しいんです。まだ経験したことがない人にこそ、一度『盛盛』へ来てみてほしい。味と一緒に、この空気を味わってほしいですね」
取材を終えて、この店の未来が楽しみになりました。
そして帰り道、もう次は何を食べようか考えている自分がいます。カレーそば、モツ煮込み、次は頑張って早起きして朝定食もいいな……!これは完全に、常連への第一歩を踏み出してしまいました。
西武線沿線や練馬区にお住まいの方、ぜひ一度足を運んでみてください。この店のこれからを、わたしも一人の客として応援し続けたいと思います!
麺処盛盛 富士見台駅店
営業時間:月・木・金
6:00~20:00
火・水・土
6:00~15:00
定休日:日曜日
アクセス:西武池袋線「富士見台駅」徒歩1分
麺処盛盛 ひばりヶ丘店
営業時間:月・木・金
6:00~14:00
火・水・土
6:00~14:00/17:00~21:00
日
11:00~17:00
アクセス:西武池袋線「ひばりヶ丘駅」徒歩12分
Instagram:@tachigui_morimori




