JRの高輪ゲートウェイ駅がオープンし、再開発が進むエリア、港区・高輪。駅からほど近くに、本物のネパールを感じられるレストラン「レッサム フィリリ」があります。

2001年5月にオープンしてから25年間、この地で愛され続けている理由を探ると、そこにはオーナーの熱い想いがありました。
扉を開けた瞬間、ネパールにトリップ
扉を開けて店内に入ると、まずは煌びやかな内装に驚かされます。こちらの木彫り細工の飾り窓は、ネパールで116人の職人が、5ヶ月もの時間をかけて一本の木から制作したものです。細部まで美しく、模様をじっくり眺めたくなります。


奥の壁には、大きなチベット・ネパール仏教絵巻が飾られています。一枚の布に釈迦の一生が描かれているそう。鮮やかな色味がひときわ目を引きます。


調度品もすべて現地から運び込まれたもの。お店全体が、本物が持つパワーで満ちあふれています。
「このお店に入ると、疲れが取れた、エネルギーをもらった、という人が多いんですよ」と話すのは、「レッサム フィリリ」オーナーのパサン・ビスワカルマさん。
パサンさんはネパールのエベレストの麓、ナムチェバザールの出身。実姉の結婚を機に、1975年に来日してから、日本とネパールを行き来するようになりました。
二つの国に関わる中で「日本とネパールのために何かをしたい」と思うようになり、レストランを始めたといいます。

これまで長野県上田市、千葉県幕張市でレストランを経営していたパサンさんは、品川エリアに新店舗を作りたいと考え、不動産屋に相談。現在の物件を案内されたところ一目で気に入り、トントン拍子に決まったそう。
「1階にあり、レンガの外観に惹かれました。ネパールもレンガの建物が多いので。短い時間で決まったので、高輪がどういう場所なのかは後から知ったんです」
土地柄、平日のランチタイムはビジネスパーソンで賑わい、中には毎日同じメニューを食べに来るという熱心なファンも。高輪ゲートウェイ駅の開業後は土日にファミリー客が増えているそう。近くにはホテルや大使館も多いことから、外国人の旅行客や大使館職員も訪れます。
名物料理「ギャコック鍋」
レッサム フィリリで提供しているのは、ネパールの宮廷料理。現地のスパイスやハーブを組み合わせ、時間をかけて丁寧に手作りされた、オリジナルのメニューを楽しむことができます。
名物料理の一つが「ギャコック鍋」(要予約、2〜4人前)。
スープは鶏ガラと豚骨、ヒマラヤのスパイスとハーブ、岩塩を使い、一日かけて仕込みます。具材として羊肉、骨付きチキン、スペアリブといった3種類のお肉と、春雨や野菜が入ります。辛くはなく、コクのある優しい味わいです。

鍋の仕組みが特徴的で、鍋下部の穴から熱するのかと思いきや、ここは空気の通り道。中央の煙突のような部分に上から炭を入れ、周りの隙間にスープと具材を入れて温めます。

人気メニューはスパイスの効いた深い味わい
今回は人気メニューの「モモ」と「シンケ ククラ」をいただきました。

モモはチベットの蒸し餃子で、小籠包のような見た目ですが、しっかりとスパイスの風味が効いていて、中のお肉もジューシーで噛みごたえがあります。ニンニクや生姜、山椒の葉のほか、企業秘密のスパイスで味付けされています。
ヨーグルトとスパイスが混ざった中央のソースをかけると、より味わいの深みが増し、手が進みます。

シンケ ククラはネパールの焼き鳥のこと。ガラムマサラをはじめとするネパールのスパイスが、鶏肉の旨みを引き立てます。間に挟まっているパプリカ、玉ねぎがとても甘く、スパイシーな鶏肉とのバランスが良いです。
中央に盛られているのは、付け合わせの「アチャール」。日本の漬物のような存在です。爽やかな酸味が感じられ、パリパリした歯応えが心地良く、箸休めとして日本人からも特に人気なのだとか。

メニューには他にも、カレーや野菜料理、ラム&ポーク料理、チベット料理など、豊富な種類が揃っています。何を頼むか迷ったら、まずはこの2つを選べば間違いないはずです。
おすすめのドリンクは、まだ日本では珍しいネパール産コーヒー。岩塩や紅茶と共に、販売もされています。
日本とネパールの架け橋になりたい
パサンさんは初めて日本に訪れた時、大きなビルや機械の数々に衝撃を受けたといいます。
勉強し仕事を作れば、ネパールも日本のように発展できるのではと考えたパサンさん。地元のナムチェバザールにホテルを作ったのは17歳の頃でした。道路も整備されていなかった地に電気や水道を通し、教育を支援するなど、現在もネパールのために奔走しています。
ネパールと日本の架け橋になりたいという思いも強く、日本の国技である剣道と柔道をネパールで普及させる活動もしています。長野県松本市との姉妹都市提携十周年を記念して、ネパール・カトマンズに武道館を建てる際にも尽力しました。
「私はやっぱり人間が大好き。ホテルやレストランの仕事は人が集まる。色々な人と話をすることが、私の夢だった」
レッサム フィリリには、人との交流が大好きで、人のために、国のために何ができるかを第一に考えて動いているパサンさんの想いが詰まっています。
そんなパサンさんのパワーがもらえる温かい空間だからこそ、25年間も愛されているのだと実感しました。
レッサム フィリリ
住所/〒108-0074 東京都港区高輪2-14-9-101
営業時間/11:00〜23:00(ラストオーダー22:30)、ランチタイムは11:00〜15:00
公式サイト/http://reshamfiriri.jp/




