地域創生メディア  Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地域創生メディア

フード  |    2026.07.19

【足利】ちょっとしたご褒美が、ちゃんとそこにある幸せ。足利のクレープ店「BRISE」の歩み。

仕事帰りや、子どもとのおでかけのあと。 ちょっとひと息つきたい瞬間に、 「今日のご褒美に、あれを買って帰ろう」 そんなふうに思える場所が、足利・葉鹿(はじか)町にあります。

キッチンカーで3年半、足利の街を巡ってきたクレープ店「BRISE(ブリズ)」が、2025年4月、念願の実店舗をオープンしました。店主・片山由貴さんが大切に守ってきた、自分のペースで紡ぐ歩み方を訪ねました。

そよ風みたいに、ふらっと立ち寄れる場所

「BRISE」は、フランス語で「そよ風」を意味します。

「キッチンカーも青色にしていて、本当にイメージはそよ風なんです」と片山さん。日々の暮らしの中にある、ちょっとしたご褒美。手軽に買えて、なんだか心がふっと軽くなるような。そんなクレープを目指してきたといいます。

葉鹿町の小さな店舗には、片山さんが一枚一枚、丁寧に焼き上げるクレープが並びます。定番のチョコバナナから、季節のフルーツを使ったパフェまで全18種類。お店の前を通りかかったら、つい立ち止まってしまう。そんな、まさに「そよ風」のような存在です。

「自分でやりたい」気持ちが芽生えるまで

足利 クレープ BRISE

片山さんは足利市出身。クレープ店やパンケーキ店で長く働いてきた職人さんです。

「これまで勤めてきたところも、お店の立ち上げから手伝うことが多かったんです。だんだん『あ、これだったら自分でやりたいな』っていう気持ちが出てきていて」

そう振り返る片山さん。きっかけがなかなかつかめずにいたとき、知人から「キッチンカーやってみない?」と声をかけられたのが、ブリズの始まりでした。

クレープ店で経験を積み、パンケーキ店で5年、そしてまたクレープへ。これまでの経験すべてが、ブリズの一枚一枚に込められています。

パリパリ生地へのこだわり

ブリズのクレープは、生地の「パリパリ感」が自慢です。何度も改良を重ねてたどり着いたこの食感を、片山さんはいつも気にかけています。

「うちはパリパリ感を出しているのですが、お持ち帰りにする方がすごく多いんです。持ち帰ったあとも、どうしたらパリパリ感を保てるかって、日々考えながら作ってます」

雨の日や季節によって、生地のパリパリ感は変わってしまうもの。「水分量を少しずつ変えるとか、その辺は日々調節してこだわってますね」と話す片山さんの言葉には、職人としての誠実さがにじみます。

口に入れた瞬間の、軽やかな「パリッ」という音。あの食感の裏には、毎日のささやかな調整が積み重ねられているのです。

子育てを優先するという、選択

ブリズの営業日は、週末がお休みのことも、急にお休みになる日もあります。その理由を、片山さんは穏やかに語ってくれました。

「今はもう子どもたちも大きくなって手は離れてきたんですけど、始めた頃は両立をどうしようっていうのが、すごく悩みで。でも、やっぱり子育ては優先したかったんですよ」

行事のこと、お子さんの応援に行きたい気持ち。「今しかできない、今しか見てあげられない子どもたちを、なるべく見てあげたい」という想いが、片山さんの中にはずっとあります。

「『土曜日やってない』とか『お休み多い』って思われちゃうこともあるんですけど、自分のペースでやれたらいいかなって」

そう話す片山さんの表情は、迷いがなくて、あたたかい。一人でお店を営むことは、強さでもあり、難しさでもある。でも、自分らしいリズムを大切にできるのは、ブリズだからこそ。その姿勢が、長くファンに愛され続ける理由なのだと思います。

キッチンカーから実店舗へ、これから

2021年9月にスタートしたキッチンカーは、足利市内3カ所を巡回しながら、街の人々に愛されてきました。そして2025年4月、片山さんは葉鹿町の実店舗という新しい一歩を踏み出します。

「いずれは営業日数も増やしていきたいなって。でも、仕入れから事務作業まで全部一人でやっているので、なかなか難しくて。いつか人を増やせたら、イベントにももう少し参加できるかな」

人気の高さは、Instagramの「本日完売しました」のお知らせを見れば一目瞭然。お客さんが「あと何枚残ってますか?」と気にしてくれるほど、ブリズは足利の日常に根づいています。

夏のおすすめは、「アイストッピング」。パリパリの生地に、冷たいアイス。これからの暑い季節、ブリズに新しい楽しみが加わります。

日々の暮らしに、ふっと吹く風のように

ちょっとしたご褒美が、ちゃんとそこにある。 ふらっと立ち寄れる場所がある。

片山さんが「自分のペース」で紡いできた4年半は、足利の街にとって、たしかなあたたかさになっています。今日も、葉鹿町のお店からは、生地の焼ける香ばしい香りが漂ってきます。

BRISE(ブリズ)

住所:栃木県足利市葉鹿町1299−1(野沢商店前)

TEL:070-1217-3210

Instagram:@brise_kitchen.crepe

※ 営業日・営業時間はInstagramでご確認ください

記事をシェアする

この記事を書いた人

林 彩芽

足利を中心に、栃木や近隣エリアの魅力を発信しているママライターです。地元のお店やスポット、そこで暮らす人たちの想いにふれながら、地域の良さをやさしく丁寧に伝えることを心がけています。暮らしに寄り添う目線を大切に、身近だからこそ気づけるローカルの魅力を言葉にしていきます。

関連記事