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フード  |    2026.09.17

「かめそば じゅん」幻の味を守り続ける!実食レポ【愛媛県松山市】

松山市を代表するご当地グルメのひとつとして、長く親しまれている「かめそば」。

見た目は焼きそばに似ていますが、一般的なソース焼きそばとはまったく異なる味わいが特徴です。醤油をベースに出汁を合わせ、瀬戸内海産のちりめんじゃこや鯵節をのせています。

独特の麺とともに味わう一品は、「食べてみないと説明しにくい」と店主が話すほど、ひと言では表現できない魅力があります。

そんな「かめそば」を松山で提供しているのが、「かめそば じゅん」です。

実は店主がこの店を始めたきっかけは、商売を始めたかったからではありませんでした。

「もう一度、あの味を食べたい」その思いから始まった、かめそばとの長い物語を伺いました。

「かめ」の味を、もう一度食べたかった

かめそば じゅんの店主は、もともと「かめ」の常連客でした。

「かめ」とは、昭和の時代から松山で親しまれていた店で、店主にとっても何十年と通うほど身近な存在だったそうです。

ところが、ある日その店が閉店することに。そこで考えたのが、「自分で作ってみよう」ということでした。

当時はまだ公務員として働いていたため、休みの日などを利用して試作を繰り返したそうです。

自分で作ったかめそばを、元祖「かめ」のオーナーのもとへ持っていき、「これ、食べてみてください」と何度もお願いしました。

「教えてないんだから、できるわけない」そう言われても、店主は諦めませんでした。何度も持っていくうち、ある日オーナーから初めて、作り方を教えてもらうことになります。

そこからも試作を重ね、ようやく「よかろう」と認められ、認定証のようなものを受け取ったといいます。

定年後に始めた「かめそば じゅん」

実は、かめそばの作り方を教えてもらってからも、すぐに店を開いたわけではありません。

教わった味は、長い間、家族と楽しむために作っていました。そして60歳で定年を迎えます。

しばらくは旅行などをしながら過ごしていたものの、何もせずに過ごしていると、次第に「人間、何もせずにいるのはいかん」と感じるようになったそうです。

そこで思い出したのが、長年かけて身につけたかめそばの味。こうして、かめそば じゅんが始まりました。

現在の店舗にも、不思議な縁があります。

もともとこの場所は寿司店でした。そして店主自身、その寿司店の常連客だったのです。

店を始めようと考えていた頃、寿司を食べながら大将にその話をすると、「本当にやる気があるんだったら、店を貸してやる」と言われたそう。

その後、寿司店が閉店し、実際に現在の店舗を借りることになりました。「人との縁」が、今の店の場所までつないでくれたのです。

「かめそば」を実食!

「かめそば」とはいったいどんな味なのでしょうか。

まず目を引くのが、一般的な焼きそばとは異なる麺です。

店主によると、麺そのものは一般的な焼きそば麺を使っていますが、長さなどを調整してもらっているそうです。調理の過程で麺が切れるため、長いものや短いもの、黒っぽい部分や白っぽい部分が混ざり合っています。

その独特の麺に、醤油をベースとした味付けを絡めます。出汁を使っているため、醤油の風味はありながら、醤油そのものが前面に出ているわけではありません。

さらに上には、瀬戸内海産のちりめんじゃこと鯵節。

鯵節の香ばしい風味と、ちりめんじゃこの旨味が加わることで、独特の味わいが生まれています。

実際に食べてみると、醤油と出汁の旨味が口の中に広がります。そして鯵節の香りがふわっと追いかけてきます。

麺はもちもちとした食感がありながら、しっかり噛み応えもあるのが特徴です。

「どんな味ですか?」と聞かれても、確かにひと言では説明しにくい味。だからこそ、店主が「食べてみないと分からない」と話すのも納得です。

最大の苦境はコロナ禍、それでも閉店は考えなかった

最も苦しかった時期について尋ねると、店主が挙げたのはコロナ禍でした。

周辺の飲食店が次々と閉店していく中、決して楽な状況ではありませんでした。

それでも、閉店することは考えなかったそうです。

多くのお客さんに支えられながら、厳しい時期を乗り越えました。

かめそばは自分の好きな食べ物

店主にとって、かめそばはどんな存在なのでしょうか。返ってきた答えは、とてもシンプルでした。

「自分の好きな食べ物です」

自分が好きだから作る。そして、その料理を食べたお客さんが喜んでくれる。それが何よりうれしいのだといいます。

「おいしい」と言ってもらえることは、飲食店を営む人にとって当たり前のようでいて、決して当たり前ではありません。

自分が好きなものを、自分の手で作り、誰かが喜んでくれることが、店を続けてきた原動力なのかもしれません。

松山で受け継がれてきた味を、これからも

松山で長く愛されてきたかめそば。

立ち仕事だからこそ、足への負担もありますが、「元気であれば、いつまでもやってもいい」と店主は話します。

気になる方は一度、自分の舌で確かめてみてはいかがでしょうか。

松山で受け継がれてきた、ちょっと不思議で、どこか懐かしいかめそば。

その一皿には、店主が長い年月をかけて守ってきた「好き」という気持ちが詰まっています。

基本情報

かめそば じゅん

住所:松山市二番町一丁目4-11

営業時間:17:00〜22:00

【オーダーストップ】21:00

定休日:日曜・祝日・毎週月曜日

公式サイト:松山伝統の味 幻のかめそば じゅん

SNS:Instagram

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この記事を書いた人

世界のわたなべけん

地域に眠る人・場所・会社を取材し、 世界に向けて発信しています。 現場に足を運び、丁寧に伝えることを大切にしています。 地域の価値を最大化し、世界に届けるのがテーマです。

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