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フード  |    2024.02.11

これぞシンプルの極み。地産地消で「食」を伝える『出張うどん職人 なかむらたける』さん

ツルツルとした喉ごし、もちっとした弾力。

口に広がる小麦の旨味と程よい塩加減。

味付けしなくても美味しい打ちたてのうどん。

今回ご紹介するのは、千葉県を中心に『出張うどん職人』として活躍するなかむらたけるさん。

讃岐うどんと千葉県の食材をかけあわせたオンリーワンのうどんは、一度食べたら忘れられず何度も食べたくなる魅力が詰まっています。

先日君津市で行われた【うどん職人×パティシエール in蓮久寺】というイベントで、打ちたてのうどんを食べながらお話を伺いました。

六本木から讃岐へ|きっかけは東日本大震災

うどん打ち見学
なかむらさんのうどん打ち見学

なかむらさんがうどんの道に入ったきっかけは2011年の東日本大震災でした。

当時、雑貨販売に携わっていたなかむらさん。

東京、銀座、六本木、品川、吉祥寺など都内各所で催事出店をされていました。

華やかな都会の真ん中で震災を経験したなかむらさんは、雑貨の仕事に疑問を抱くようになります。

実は東京に転職する前に全国出張のあるお仕事をされており、出張先でご当地グルメを食べることが楽しみだったとのこと。

震災によって「衣食住」の大切さを改めて実感したことで、好きだった「食」で何かできないかと考えるようになったそうです。

その時に思い出したのが、埼玉で食べた武蔵野うどんでした。

うどんにインスピレーションを感じたなかむらさんは、本場の讃岐うどんを味わうために四国へ向かったそうです。

手際よく生地を伸ばしていく様子に釘付け

現地で本場のうどんを味わいながら粉屋や煮干し屋を巡る中、たまたまご縁が繋がり老舗のうどん屋さんで修行させてもらえることになりました。

そして、2012年に新しく都内にオープンした支店に配属となり東京に戻って来たなかむらさんですが、2017年に身体を壊し地元である茂原へ帰郷。

生まれ育った房総でしばらく療養に努めていたそうですが、さまざまな出会いを重ねた中、ふとしたきっかけで「うどん会」を開催する運びとなりました。

もともとご当地グルメが好きだったなかむらさんは、全国を見て回った目で改めて見つめ直した地元「千葉県」で「讃岐うどん」を提供する意味を考え始めます。

地産地消のうどん

全粒粉のつぶつぶが入ったうどん生地

食材をすべて千葉県産にすることも考えたそうですが、美味しさは捨てられない。

そこで小麦は九州の久留米産昆布てんさい糖は北海道産を使いながら、できるかぎり地産地消に取り組んでいます。

特徴的なのが、うどん生地に千葉県睦沢町(むつざわまち)産の小麦を全粒粉にして混ぜ込んでいるところ。これによって小麦本来の風味がより深く感じられます。

うどん生地をよく見ると、茶色のつぶつぶが混ざっていますね。

うどんのお話を聞いているうちにみるみると生地が伸びていきます
本場でも使われている麺切台でカット
トントントンと一定のリズムが心地良い
うどんを茹でているところ
たっぷりのお湯でじっくり茹でます
うどんの調味料
この日はうどん5種を食べ比べで味わえました

なかむらさんはうどん生地だけでなく、出汁の素材にもこだわっています。

  • 九十九里のいりこ・うるめ煮干し
  • 南房総のさば節・宗田節・かつお節
  • 山武市の醤油蔵が作る醤油
  • 佐原の酒蔵が作る最上白みりん

これらを使用して、かつお節の出汁を取るところから丁寧に仕込んでいらっしゃいます。

そのままでも十分おいしい打ちたてうどん

打ちたてのうどんはツヤツヤ

お話を聞きながらうどん打ちを見学していると、あっという間に時が流れます。うどんが茹で上がった頃にはちょうどお腹が空いてきました。

今回は5種類のうどんを味比べしながら食べていくイベント。

まずは、打ちたてのうどんをそのまま…。

口に入れるとツルツルとした食感と小麦の香りが広がります。もちもちとした噛みごたえとほどよい塩味があるので、これだけでも感動的な美味しさです!

シンプルだからこそ伝わってくる素材の味。

このまま完食できるほど美味しいのですが、せっかくなので味変を楽しんでいきます。

ぶっかけうどん
生醤油に薬味をプラス

まずは、なかむらさんがご自身で仕込んだという醤油をかけて。

ほんの少し醤油を加えただけで、驚くほど味が変わります。

釜玉うどん
卵たっぷりの釜玉うどん

続いて、こだわりの出汁をかけたぶっかけ、熱々の釜揚げうどんに卵を絡めた釜玉、心と身体が温まるかけうどん…。

全国各地を巡って厳選した七味やもろみオイルなど、味変を楽しめる調味料もたくさん用意してくれているので、自分なりの楽しみ方ができるのも嬉しいところ。

パティシエが炊いたお汁粉をかけて

最後に「百華蜜〜ひゃっかみつ〜」さん特製のお汁粉をかけた、スイーツのようなうどんを食べたころにはかなり満腹になっていました。

店舗を持たないからこその強み

コラボイベントの様子
出会ったお客様との会話を楽しむお二人

今回のイベントは君津市三直(みのう)にある蓮久寺(れんきゅうじ)で行われました。

店舗を持たない出張うどん職人の「なかむらたける」さんと、店舗を持たないパティシエール「百華蜜〜ひゃっかみつ〜」さんのコラボイベント。

「素材の味を大切したい」「人と人とのつながりを大切にしたい」という共通の想いを持ったお二人は、千葉県を中心にさまざまな場所でコラボイベントを実施されています。

店舗を持たずにさまざまな場所でうどんを提供することで、うどんの美味しさや素材の持つ魅力を出会った人たちに伝えていく。

そんな思いの詰まった地産地消うどんは、一度食べたら忘れられない味わいです。

初めて打ちたてのうどんを食べた私も「毎食このうどんが食べたい」と思ってしまうほどの感動がありました。

なかむらさんはイベントでさまざまな地に足を運ぶほか、月2回ほどのペースでいすみ市の「おにぎり工房かっつぁん」で「たける製麺所」を定期開催されています。また、ある程度の人数が集まれば出張依頼も可能。

「たける製麺所」の開催日やイベント情報は、なかむらさんのFacebookInstagramで確認できます。

「讃岐の製麺所で食べたシンプルなうどんを打ちたて&茹でたてで提供したい」という想いがこもったなかむらさんのうどんを、ぜひ一度体感してみてください。

出張うどん職人 なかむらたける

公式Facebook
公式instagram

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この記事を書いた人

endang

房総生まれ房総育ちのWEBライター。 ライター名の「endang(えんだん)」とは、大学で専攻していたインドネシア語クラスで名付けられたニックネーム。 国内外問わず旅行やお出かけするのが好きだったおかげで、地元の良さを再発見できました。 生まれ育った場所だからこそわかる、木更津市・君津市エリアの魅力や想いをお届けします!

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