こんなところにペルー料理店
周りは田んぼだらけ、夏になるとカエルが大合唱する。こんなところにペルー料理店があるとは夢にも思わないだろう。愛知県内には現在7000名以上のペルー人が住んでいる。歩いていると日本風の建物が見えてきた。西尾市上矢田町にあるペルー料理屋さんだ。日本風の建物にペルー料理の看板があるが、きっと日本人は入りづらいだろう。しかし意を決して中に入ってみる。私のお節介はここから始まった。
店内に入ると異国の地。日本とは思えないような空間が広がっている。外から見ているだけでは想像ができなかった世界である。オーナーシェフのマリステラさんと旦那さん、そしてペルー人の従業員が数名働いている。日本語はあまりうまく話せない。ペルーから日本にやってきた人が、ほっとできるような故郷の味を提供したいと約20年前に料理店をオープンした。
メニューは日本人にもわかりやすいように工夫がされている。日本人に知ってほしいという想いがあるからだ。ペルーが大好きだといい、たまにお手伝いに来ていた原田さんという女性と一緒に、メニュー作りから日本人も来やすいように工夫を重ねる。その成果もあって、今では日本人も多く訪れるようになっている。雑誌で取り上げられることもあった。お互いに歩み寄るためには、日本人による手助けも必要なのだということに気づく。
セビーチェ(白身魚のカルパッチョ)やカウサレジェーナ(ペルー風ポテサラ)、チキンの丸焼きにチチャモラーダ(紫トウモロコシのジュース)、ピカンテ デ マリスコス (魚介のピリ辛煮込み)など本格的なペルー料理が食べられる。チキンの丸焼きは事前に予約が必要だ。どの料理もペルーサイズ。日本人はお腹がパンパンになるだろう。しかし、どの料理も絶品である。もっと沢山の人に知ってほしいと私は思った。
お店の情報
店名:Dunas Restaurant(デュナス レストラン)
住所:〒444-0313 愛知県西尾市上矢田町北野47−6
電話:0563596640
GM:https://goo.gl/maps/o7vw7k7LYJiBUU6M8
外国の方と日本人のコミュニケーション不足
お店の中を見ていると、圧倒的にペルー人が多い。そして日本人はなかなか入りづらい。でも、話しかけてみると、気さくに話しかけて来てくれるようになる。帰り道、街行く外国の方々の行動を見ていると、同じ国の人達が集まり母国語を話していることが多いと気づく。日本に住んでいるにも関わらず、日本人とはあまり交流を深めようとしない人が多い。孤立してしまっている外国の方も少なくない。これは双方のコミュニケーション不足が問題である。これらを踏まえて愛知県では多文化共生推進プランというものがある。ここではコミュニケーション支援や生活支援などさまざまな国に住む方の困りごとに向き合っている。歩み寄る機会を地域住民と外国人に設けたり、同じ職場で働く人が優しい気持ちで歩み寄ったりするなどの取り組みだ。
身近なことから始めてみよう
日本人の友人や周りの人と話していて、外国の方と仲良くなりたいと思っている人は少なくないことがわかった。「きっかけがあれば仲良くなれるかもしれない」と思って行動できていないのだ。ここで引っ掛かるのは言葉の壁である。身振り手振りで伝えても伝わらないこともある。しかし、食に関してはどうだろう。食はその国の文化やルールを知る宝庫だ。
食コミュニケーションから始めてみよう!
愛知県の西三河地域には特に工場が多く外国の方もたくさん働いている。その方たちが集まる飲食店も多く存在する。これは他の国を知る事ができるチャンスなのではないだろうか。その国のことを知れば、その国の人が近所に住んでいる時に声をかけやすくなるかもしれない。「考えるな!感じろ」と私の中のブルースリーが叫ぶ。
食コミュニケーションを始める極意
まずはその国を知ること、実際に食べに行ってみることが重要だと思う。そしてお店の人に話しかけてみることだ。これぞ食コミュニケーション。通っているうちに、困りごとが見えてくることがある。ここでお節介さんな私は「たくさんお客さんを呼んで、まず知ってもらうことから始めよう!」と決意した。行ってみないと分からないことがたくさんある。日本に来て困っている事がたくさんあることを知ると、「できることはないだろうか?」と考えるようになる。そんな優しさから一歩が始まるのではないだろうか?