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フード  |    2024.09.05

優しさと地元食材のお惣菜を運ぶキッチンカー「ネリマデリ」の魅力|東京・練馬区石神井公園

「ネリマ」の良さと優しさを詰めて、ちょっと工夫した「デリ」を運ぶキッチンカー。

東京都練馬区石神井公園で、地元食材を使ったお惣菜やお弁当を販売する「ネリマデリ」。
2024年2月に開始し、今では販売すると早々に売り切れてしまう地元でちょっとした話題のお店。

店主は練馬区生まれ練馬区育ちの後藤さん。
後藤さんは飲食業界は未経験。後藤さんはなんと現役の保育士で、保育園運営会社の代表取締役という立場。

保育園運営とキッチンカー販売という2つの肩書を持つ後藤さんに、ネリマデリを始めたきっかけや想いについて伺いました。

きっかかけは「地域の子育てを支えたい」「地元へ貢献したい」

―ネリマデリをはじめたきっかけについて教えてください。

後藤:保育士をしていると、お母さん方から「毎日の食事を用意するのが大変」という声をよく聞きます。子どもたちの食事の足しになるように、食の面でもサポートしたいと思ったのがきっかけです。

あとは、私が生まれも育ちも石神井公園なんです。今、駅前が再開発のための区画整理で色んなお店がなくなってしまいました。それで地元に貢献したいという気持ちもありました。

キッチンカーにしたのは、駅周辺に店舗ができる土地が少ないのと、石神井公園がおじいちゃんおばあちゃんが多いので、お店まで来てもらうのが大変だろうなと思って。こちらから届けに行けるキッチンカーにしました。

―食材はどのように仕入れているんですか?

後藤:練馬区の農家さんをまわったり、インスタで地元の野菜や食材を取り扱うお店を探しました。あとは、練馬区の「とれたてねりま」というアプリを使って、直売所やお店の情報を調べています。

お米は色んな農家さんから取り寄せて試食しました。保育園の先生にも試食してもらって決めたのが、滋賀県のココカラファームさんのお米です。保育園でも直接契約させてもらって、園児たちの給食も同じお米を使っているんですよ。お米ができる過程を写真で送ってくださるので、子どもたちの食育に使わせてもらっています。

ネリマデリでは食材の仕入れ・販売を後藤さんが担当し、調理は神南さんが1人で行っています。

実は調理担当の神南さん、今は閉店してしまった石神井公園の「和風スナックとき」の看板ママ。

「和風スナックとき」は、酒場放浪記でも紹介されたこともある、地元の酒飲み界隈で有名なお店。昭和44年、米軍関係の施設でコックをつとめた、神南さんの父である先代マスターが始めました。
マスターが亡くなり、神南さんと従業員でお店を切り盛りしていましたが、2023年5月に惜しまれながら閉店しています。

お店を閉店した神南さんを後藤さんが誘う形で、ネリマデリがスタートしました。
ですが、神南さんがスカウトされたのはネリマデリだけではないらしく…。

神南:実はもともと保育士の免許も持っているので、なおちゃん(後藤さん)の保育園で保育士としてアルバイトもしています。園児たちからは「まーちゃん」と呼ばれています(笑)

そんな神南さんが作るネリマデリの人気メニューはハンバーグとグラタン。


ハンバーグは朝8時から神南さんが1人で手ごねしています。神南さんは作り置きはしない主義。毎朝その日の分を作っているので、数に限りがあるんだとか。できたてのハンバーグはジューシーで柔らかく、子どもたちに大人気。

グラタンは、「和風スナックとき」からの人気メニュー。チーズたっぷりでホワイトソースが濃厚、洋食屋顔負けの名物グラタンです。
このグラタンを食べるために、昔の常連さんたちもネリマデリにわざわざ足を運びます。

朝から仕込みをする神南さん

これからも「食」「地域」「子どもたち」と関わってきたい

ネリマデリでは、保育園を運営する後藤さんだからこそできるサービスがあります。
後藤さんが運営する保育園の保護者を対象に、ネリマデリのお惣菜が保育園で受け取れるサービスです。

後藤:これがネリマデリをやる目的の1つでもありました。保護者の方に利用していただいて、それが凄く嬉しいですね。

神南:子どもたちが直接「おいしかったよ!」と言ってくれるのが嬉しいです。こっちも元気になっちゃいますね。

後藤さん:子どもたちもそうですし、地域の人と関われる機会があるのが嬉しいです。昼間はおじいちゃんおばあちゃんがキッチンカーに足を運んでくれて、色んな話をしてくれます。昔あった話とか、「腰が痛くて~」とか(笑)。たまに差し入れをいただいたり、商店街の人もよく来てくれますね。

夕方になると働いているママたちが利用してくれます。お客さんと話すことで私自身、石神井公園の知らなかったことが新たに知れるので、すごく楽しいんですよ。

うちの運営している保育園が商店街の中にあるんです。いつも商店街の人たちが保育園を温かく見守ってくれているので、キッチンカーを通して少しでも恩返しができたらいいなと思っています。
保育園をやっているからこそ、食と地域と子どもたちとうまく関わっていきたいですね。

後藤さんの地元を想う優しさが詰まったネリマデリ

石神井公園 ネリマデリ

夕方、石神井公園駅前で販売しているネリマデリに向かって「なおちゃーん!」と元気な声が聞こえます。後藤さんの運営している保育園の園児たちです。

子どもは購入特典でカプセルトイが回せます。自分の欲しいおもちゃが出なくて泣いてしまった子に「本当はダメなんだけどね」と言いつつ、そっとおもちゃを交換してくれる優しい後藤さん。
お弁当を販売しながら子どもたちが今日あった事を楽しそうに話したり、保護者の方と話したり。人との繋がりが感じられる温かい時間がネリマデリにはあります。

ネリマデリに立ち寄ると元気をもらえるのは、きっと後藤さんの地元を想う優しい気持ちに触れることができるからでしょう。

昼はおじいちゃんやおばあちゃん、夕方は働くママたちまで。これからも地域の人とのコミュニケーションを大切にしながら、キッチンカーを続けていきたいと語る後藤さん。今後の目標は、保育園と同様に石神井公園に根差し、地域の方から長く愛されるお店にしていきたいそう。
地元愛と優しさが詰まったキッチンカーに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

ネリマデリの営業日は、公式LINEやインスタグラムで確認できます。
公式LINEから予約もできるので、人気のお弁当は予約しておくのがおすすめです。

ネリマデリ

営業日:不定期
販売場所:①練馬区立石神井町八丁目児童遊園
      東京都練馬区石神井町8丁目1‐11
     ②おぼんdeごはんエミオ石神井公園店前
      東京都練馬区石神井町3丁目23‐9
営業時間:昼営業11:00~13:00、夕営業17:00~19:00 なくなり次第終了 
営業日・販売場所はネリマデリInstagramでチェック こちら
公式LINEは こちら

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この記事を書いた人

めぐみちゃん

東京都在住、アラフォー駆け出しママライターです。取材エリアは西武池袋線沿線。物・人・子育てイベントなど、住んでいるからこそわかる「地元のちょっといいところ」を発信します。

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