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フード  |    2024.09.15

タクシー会社が経営するカフェ!その名もタクカフェはポテンシャル大!|東京都葛飾区

交通網が非常に発達している東京都ですが、陸の孤島とも呼べそうな地域も存在します。その1つが葛飾区西水本で、全域が最寄駅から2km以上離れている地域です。そんな西水元で、気になるカフェを発見しました。その名も「タクカフェ」で、アクセスの悪さをカバーする要素があることもわかりました。

地域の人々の憩いの場にぴったり!

JR金町駅からバスに乗って揺られること約10分の場所に「タクカフェ」はあります。お世辞にもアクセスがいいとは言えませんが、なんと50台も置ける無料駐車場があるので、車で行くのもOK。

お店の外には10人ほど座れるテラスがあります。犬のリードフックもあるので、散歩帰りに立ち寄ることもできますね。

建物の壁にも同じロゴが描かれています

お店に一歩入ると、かわいいロゴの入った玄関マットが。実はここ、1960年創業のタクシー会社・鳳自動車が運営するお店で、社屋の半分をカフェとして活用しています。

ゆとりある店内なので、気にせずにベビーカーを置くことができます

店内はというと、外から見るよりも広々としていて、ファミリーでの利用も良さそうです。

ランチメニューのタコライス。適度な辛さがうれしいタコミートはもちろん手作りです

食事はカフェメニューが中心。食事はもちろん、スイーツやお酒も楽しめます。 

ケーキは他にバスク風チーズケーキとシフォンケーキもあります。全てお持ち帰り可

筆者のおすすめは、手作りのガトーショコラ。しっとり濃厚だけど、後味がしつこくないのが特徴。誠実に作られたのが伝わるおいしさです。

クレープの注文はテイクアウト専用窓口と店内で受け付けています

今回は食べられませんでしたが、実はクレープも販売しています。もちろん、持ち帰って食べることも可能です。

そもそもなぜカフェを始めたの?

なかなか使い勝手が良さそうなお店ですが、そもそもなぜ、タクシー会社が飲食事業を始めたのでしょうか?

「コロナ禍でタクシーを利用する人が激減し、経営が厳しくなったことがきっかけです。今ある資源を活用してできることを考えた結果、始めたのが飲食事業でした。

この辺りはファミリーで気軽に入れるお店が多くありません。なので、ちょっとした食事ができて、テイクアウトのメニューも提供できれば、事業として継続できる算段がありました」(加藤さん、以下同)

駐車場に小さな小屋を建て、クレープの販売を開始したところ、好調だったことから、カフェ事業にも着手し、2022年にオープンしました。

今は専任のスタッフがカフェで働いていますが、当時はタクシー事業の事務員が兼任していたといいます。会社としての収益だけでなく、雇用の維持にもつながっていたんですね!

カフェ事業には課題もあり

地域に密着した企業が運営しているカフェなので、さぞ賑わっているだろうと思いきや、いつ訪れてもそれほど混雑している様子はありません。

「リニューアルをしたり、人手が足りなくなって営業時間を短縮したりしていたので、営業していることを地域の皆さんにあまり認識してもらえていないんだと思います」

と、まさかの答えが。タクシー事業に関しては歴史がありますが、カフェの運営には不慣れなようで……。

ただ、お店をより良くするためにやってきたのが、こちらの加藤さんです。取材日の時点で、まだ入社2カ月目に突入したばかりではありましたが、イタリア料理を中心に、長年料理人として腕を振るってきました。

「自分としては料理一本でやってきたつもりではありますが、店長経験もありますし、お店の修繕やワインの取り扱いなどの経験もあります。いつかは自分のお店を持ちたいと思っていたので、いろいろ吸収できたんだと思います。だから、料理だけでなく、お店のこと全体をわかるのが僕の強みだと思います」

そんな加藤さん、9月に控えたお店の再リニューアルの構想を明かしてくれました。

メニューもオペレーションも大幅刷新予定!

2024年8月上旬時点の様子。今後、どのような変化を見せてくれるのでしょうか?

現在はカフェメニューが中心で多国籍風の印象を受けますが、会社として本来目指しているのはイタリア料理。その要素が強いお店に生まれ変わり、メニューを刷新する予定です。また、夜の来客を増やすために、お酒のラインナップも充実させるそうです。

「オペレーションもまだ全然構築できていません。高級店のようではなくていいので、お客さんに寄り添った接客をし、居心地の良さを提供したいですね。僕自身が人に付くタイプなので、お客さんにいい接客をして『あなたがいるからこの店に来た』と言ってもらえることを目指したいです。

この辺りに住む人はチェーン店を避け、都会風のお店に行こうとすると、最寄りの金町駅周辺まで行くことが多いのですが、そこまで足を延ばさなくても、近所で満足できるくらいのお店にしたいと思っています。僕は、さまざまなお店で経験を積んでいるので、方向性さえしっかり決めれば、このお店をいくらでも良くできると信じています」

そう力強く語る加藤さんからは、熱い気持ちが伝わってきました。

地域の人々のコミュニティのような場所になれることを目指して、新たな一歩を踏み出した「タクカフェ」。今後、どのように変わっていくのか楽しみですね! 

関連リンク

タクカフェHP:https://takucafe.owst.jp/
鳳自動車株式会社:https://www.ootori-taxi.co.jp/

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この記事を書いた人

増田 洋子

東京都在住。インタビューが好きなフリーランスのライターで、紙媒体とWebメディアで執筆中。ネズミを中心とした動物が好きで、ペット関連の記事を書くことも。

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