愛知県名古屋市緑区、桶狭間エリアにあるカフェ「コリアンダー」はご夫婦で営業されるスパイスカレー店である一方、「釈母レー(シャカカレー)®道場」としてスパイスカレー教室を行っているお店でもある。店内のメニューにはカレー以外にもごはんサンドや沖縄ぜんざいなど、愛知ではあまり見かけない多彩な料理が並び、一番上には「始まりは認知症予防の料理教室」という記載があるという、他にないスタイルだ。「おうちカレー革命を起こしたい」と語る店長の吉川みつるさんに、お店のこだわりや開業のきっかけを伺った。
はじまりは、お客様のひとこと
吉川さんがここでお店を始めたのは2023年7月のこと。元々、母親の介護経験を経て自分が年を重ねた時に認知症にはなりたくないと思うようになり、薬膳や発酵料理の勉強をしていた。「スパイスカレーをやる予定はなかったんですよ」と笑う彼女が今のお店を始めたきっかけは、以前から行っていたヨガ講演会に訪れたお客の「認知症にはスパイスもいいらしいよ」という声だった。
インドは世界でも認知症の少ない国として知られている。カレーは日本でもなじみ深い料理だが、日本の認知症患者数は世界でもワーストクラスだ。この差はスパイスにあると考えた吉川さんは、そこから自宅で友人とカレー会を行うなどの経験を経て、コリアンダーの開業に至った。
野菜たっぷり!栄養満点の薬膳カレーを実食
店の一番人気は薬膳カレー。吉川さん曰く「他の店にはあまりない、ターメリックを使った雑穀米がこだわりです」とのこと。よくカレー店で出てくるターメリックライスとは異なり、このライスはバター不使用なぶんカロリーが控えめだ。野菜がトロトロにとろけたルーとあわせて食べると、雑穀の食感がいいアクセントになる。
日によってメインの肉や使う野菜が変わることもあるが、にんにく・しょうが・玉ねぎの3種類は必ず入れているという。今回のカレーには他にもリンゴやセロリ、にんじんなどたくさんの野菜が使われているそうだ。スパイスの辛さと野菜の甘味が融合したマイルドな味にスプーンを動かす手が止まらない!
カレーには、サイドメニューとしてインド料理の定番おやつ「サモサ」がついてくる。サモサはもちろん別添のチリソースも吉川さんの手作りで、かけてみるとまた味が変わって美味しい。
スパイスカレーの他にも、沖縄ポークを使用した「ごはんサンド」や米粉を使った「サーターアンダギー」、五平餅など、メニューには気になるものが目白押し。新米の時期にはそれに合わせた期間限定メニューも展開しているそうだ。さらには食べ物に限らず、クラフトコーラも一から作っているのだとか。ルイボスティーなどの新メニューの開発も随時検討中とのことで、今後もコリアンダーの進化は止まらない。
カレー屋とカレー教室の二刀流!
吉川さんの目標は、飲食店として繁盛することだけではなく、スパイスカレーを通じて皆が自立し健康でいられることもある。そのために、彼女は定期的に料理のノウハウを詰め込んだスパイスカレー教室「釈母レー®道場」を開催している。また料理教室だけでなく、健康に繋がるヨガ教室なども随時開催されている。
実際に吉川さんの考えに共感して釈母カレー®マイスターとなった方はかれこれ30人以上。名古屋市内のみならず県外にも、釈母レーを通じたスパイス料理の輪は広がっているとのことだ。11月には初心者向けのスパイスカレー道場も開催予定とのことなので、気になる方はInstagramをチェックしてみよう。
「料理教室をしていた頃は、客層は同年代かやや年下の女性ばっかりでした」と吉川さん。だが今は、このお店をきっかけに老若男女問わない広い多様なコミュニティが形成されているそうだ。以前は建設業界に勤めていたという旦那様も「今が一番生きている感じがする」と今のお店に大満足のご様子。健康と美味しさを両立させた唯一無二のスパイスカレーを味わいに、ぜひお店に訪ねてみて欲しい。
店舗情報
コリアンダー/釈母レー®道場
愛知県名古屋市緑区桶狭間清水山921
TEL:052-621-1294
営業日時:11:30~17:00 火曜水曜定休
カレー教室の開催日程など、詳しい情報はInstagramにてご確認ください。