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フード  |    2024.12.12

テーマは猫×音楽×本。店主の「好き」をとことん詰め込んだカフェ「cafe Mo.free」

東京都練馬区の大泉学園駅近く、閑静な住宅街に猫好きにはたまらないお店があります。その名は「cafe Mo.free(カフェ モフリー)」。看板猫の三毛猫「なつ先生」がお出迎えしてくれる秘密の隠れ家のようなカフェです。

cafe Mo.freeの魅力は猫だけに留まりません。日本紅茶協会が認めた極上の一杯を味わいながら、ピアニストによる演奏を鑑賞でき、バラエティに富んだ数々の本も楽しめます。

店主が愛してやまない猫×音楽×本という要素がたっぷり詰め込まれた魅惑の空間、cafe Mo.freeを訪ねてみました。

フードやドリンクにも表れる店主のこだわり

お店の外観
お店の内観

cafe Mo.freeは白いタイル張りの階段を下りた半地下にあります。店内に入ると、真っ先に目に入るのは木目が美しい大きなL字型のカウンター。柔らかな光の間接照明と、控えめに流れるピアノの音が、落ち着いた雰囲気を作り出しています。

こだわりの紅茶

実はcafe Mo.freeは、練馬区で唯一の日本紅茶協会認定店で、取り扱う茶葉はブレンドをあわせて20種類以上もあるそうです。これらの茶葉は、店長の阿部雅幸さんご自身の舌で確かめて納得したものだけが厳選されています。

アフタヌーンティー

平日にはこの至極の紅茶が飲み放題になる「アフタヌーンティー(要予約)」を提供しています。さらに、月に一度「アフタヌーンティーパーティー」と呼ばれるイベントも開催。3段重ねのティースタンドに彩り鮮やかなお菓子が並ぶ光景には心がときめきます。

店長の阿部雅幸さん

コーヒーソムリエの資格を持つ阿部さんの「僕自身がコーヒーも紅茶も好きなので、どちらにもこだわってるお店があればいいなと思って」という考えから、こだわりの挽きたてコーヒーの提供も。今後コーヒーの飲み比べ企画や紅茶のワークショップも開催を予定しているそうです。

店内で焼き上げたクロワッサン

cafe Mo.freeでは、店内で焼き上げたパンも提供しています。パンの種類は4~6種類で、そのうち2種類は約1か月ごとにメニューが変わるそうです。「一番のおすすめは、紅茶のクロワッサンです」と阿部さん。香り高い紅茶の茶葉が練り込まれたクロワッサンは、パリッと焼き上げた外皮と中のふわっとした食感を楽しめます。これらのパンは、テイクアウトも可能です。

本日のパフェ

cafe Mo.freeに訪れたら、その時々で変わる「本日のパフェ」にもご注目を。2024年の春は淡い桃色がかわいらしい春パフェ「さくら」が。秋には、三食だんごに小豆という和のテイストあふれる「黒蜜抹茶のパフェ」が登場しました。

看板猫「なつ先生」の愛くるしい姿にほっこり

看板猫なつ先生

cafe Mo.freeは、看板猫のなつ先生をお目当てに訪れるお客さんが大勢います。なつ先生は元保護猫の女の子。ちょっと変わった名前の由来を阿部さんに聞いてみると「7月28日という夏の日にやってきたことから『なつ』。それに僕の友人がなぜか『先生』と呼ぶものだから、いつの間にか『なつ先生』という名前になりました」と教えてくれました。

なつ先生は飼い主である阿部さんのことが大好きで、かまってほしいと後ろをついて回ることもしばしば。その愛らしい姿は、猫好きにとって癒しそのものです。なつ先生がリラックスして機嫌が良いときであれば、お客さんも背中を撫でるなど触れ合えるとのこと。

作家さんによる展示品

店内にはハンドメイド作品の展示販売スペースも用意されています。展示品にルールはないのですが、cafe Mo.freeに作品を展示する手芸作家やイラストレーターも猫好きの方が多く、猫モチーフがメインになることが多いとか。クリエイターたちにより生み出される猫は、どれも表情豊かで個性的です。

これらの作品の売上の一部は、猫の里親探しや保護を行う団体に寄付しているとか。cafe Mo.freeでは「すべてのネコに愛を!」をモットーに掲げており、猫たちの幸せを願っているのです。

世界三大ピアノメーカー「ベヒシュタイン」の音色に酔いしれる

cafe Mo.freeは音楽好きの間でもひそかな注目を集めています。その理由は世界三大ピアノメーカーの一つである「C.BECHSTEIN(ベヒシュタイン)」のピアノ。このピアノはお客さんであれば誰でも自由に弾くことができるため、「ベヒシュタインで演奏してみたい」とわざわざ遠方から訪れる方も少なくないそうです。

ピアニストの演奏会

さらにcafe Mo.freeでは月に4回ほど、ピアニストによる席料なしの演奏会が開催されています。選曲はピアニストのセレクトで、アンドレ・ギャニオンの「めぐり逢い」や、中島みゆきの「糸」などの名曲が演奏されてきました。阿部さんは店内でおしゃべりや読書を楽しんでいるお客さんにも寄り添えるような曲をお願いしているのだとか。気軽にコーヒーを飲みながら、ベヒシュタインの音色を楽しめると好評です。

バラエティに富んだ古本が並ぶ「もふり書房」

もふり書房

カウンターや壁際には、小説・専門書・事典・画集・漫画などバラエティに富んだ古本が並ぶ販売スペースも設置されています。その名も「もふり書房」。もふり書房の本は店内で自由に読むことができ、気に入った本を購入することも可能です。

本棚に並ぶ1,000冊ほどの本は、阿部さんがセレクトしたものが多いとか。「売れなくても全く構わないけど、お客さんが喜ぶかなと思う本を選んでいるんです」と阿部さん。cafe Mo.freeを訪れるお客さんにとって、新たに本を購入するという楽しみが増えたのではと話してくれました。

作者ご本人からの献本は非売品なので、その点はご注意を。

About a cafe Mo.free

そんなもふり書房には、阿部さんが出版した著書『About a cafe Mo.free』も並んでいます。交流のある方々へのインタビューや、cafe Mo.freeに寄せられたイラストなどが納められたこの本には、cafe Mo.freeの歴史が詰め込まれています。

「今までお店を続けてこられたのは、作家さんやイラストレーターさん、音楽家さん・小説家さん、そしてお客様や取引先様など、お店を通じて出会えた人たちあってこそです」と語る阿部さん。著書『About a cafe Mo.free』は、まさにその出会いの集大成といえる作品になっています。

猫・音楽・本が好きなら誰でもウェルカム!

なつ先生とメニュー表

阿部さんが大好きな「猫と音楽と本」のすべての要素を詰め込んで生まれたcafe Mo.free。阿部さんはこのカフェを開いた理由を「僕自身が好きなときに好きなことをしたかったから」と話します。

「いつでも猫と遊べる、好きなときに本を読める、好きなときにピアノを弾く――そんな仕事ができないかと考えたときに『自分がカフェを作って全部叶えればいい』と思いついたんです」

好きなときに好きなことをする……そんな夢物語を諦めなかった結果が、cafe Mo.freeなのです。「現状は忙しくて、なかなか好きなときに好きなことをするという状態ではないんですけどね」と苦笑いする阿部さんでしたが、その表情はどこか満足気に見えました。

猫・音楽・本――もしあなたがこれらの一つでも興味があれば、ぜひcafe Mo.freeを訪れてみてください。猫をなで、ピアノの音に耳を澄ませ、本を読みながら極上の紅茶をいただく。そんな贅沢な時間を味わえば、疲れた心もほどけていくでしょう。

【店舗情報】

店名/cafè Mo.free (カフェ モ フリー)
住所/〒178-0063 東京都練馬区東大泉3-66-16 大泉ガーデンB1-5
電話番号/03-5935-8188
営業時間/カフェタイム12:00~18:30・バータイム金曜18:30〜21:00
定休日/火曜日・第三月曜日
公式サイト/https://mo-free.com/
X/https://twitter.com/cafe_Mofree
Instagram/https://www.instagram.com/cafe_mo.free/

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この記事を書いた人

田村 美穂

東京都在住の取材ライターです。東京近郊の人・物・コトの取材記事を通して、地元の魅力をお届けしていきます。趣味は読書・サッカー観戦・ゲーム。

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