「子ども連れの旅行は、楽しいけれど正直大変」。そんな実感を何度も重ねてきたオーナー・渡辺あいかさん(以下、渡辺さん)が始めたのが、愛媛県にある一棟貸しの宿「伊予の宿・貸別荘愛海-AIMI-」(以下、愛海)です。教員を辞め、子育てと向き合う中で見えてきた「本当に欲しかった宿のかたち」。
後編では、愛海に込めた想い、家族へのまなざし、訪れる人に届けたい時間、そして描いている未来について、オーナーの渡辺さんの言葉を交えながらご紹介します。
愛媛旅行で松山からもアクセスしやすい愛海の魅力を、より深く知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
教員を辞めたことがすべての始まりだった

「一番大きかったのは、教員を辞めたことかな」
渡辺さんがそう振り返るのは約5年前、子どもの送り迎えや体調不良への対応など、子育てと仕事の両立に悩んでいた時期です。非常勤なども試したものの、「子どもが熱を出したらすみません、無理です」と断らなければならない現実がありました。
「主婦って、なかなか働けないなって思ったんです」そんな中、ふと蘇ったのが幼い頃の夢でした。
家族旅行の経験が宿づくりの原点に

「小さい頃、母がよく旅行に連れていってくれて。ホテルのフロントで働きたいって、ちっちゃな夢があったんです」
その後、自身も家族を持ち、海外を含めた家族旅行を経験します。
ハワイやグアム、アメリカ、カナダへの旅で直面したのは、家族が多いがゆえの宿泊の不便さでした。
「5人を超えると、消防法の関係で2部屋取らないといけなくて。でも実際は1部屋に詰めて寝て、空き部屋は使わない。すごくもったいないなって」。そんなとき、初めて利用したのがAirbnbの宿でした。
「ホテルじゃなくてこういう宿だな」と思った瞬間

「ホテルより安いのに広くて、みんなで一緒に泊まれて。もう別荘みたいで」
キッチンがあり、スーパーで買い物をし、大きなアイスやお肉を調理する。その時間が「楽しくてたまらなかった」と渡辺さんは笑います。
「ホテルだとできないことが、全部できたんですよね。あ、これはもうホテルじゃなくて、こういう宿だなって思いました」
主婦目線だからこそ気づけた「あったらいいな」

帰国後、Airbnbを運営する主婦仲間の存在を知り、宿づくりが一気に現実味を帯びます。
「チェックインからチェックアウトまでの間に掃除ができればいい。子どもの行事があればクローズもできる。主婦の私でもできる仕事だなって」
そして何より、子ども連れ旅行の大変さを誰よりも知っていたからこそ、宿のコンセプトは明確でした。
子ども連れでも親が「気を張らなくていい」場所

「ホテルだと、静かにしてって言わなきゃいけないじゃないですか。他のお客さんもいるし、ベビーグッズもなかったり」
愛海にはキッズチェアなどが揃っています。
「1歳なりたての子って、ちゃんと座れるだけで全然違うんですよ」
木のおもちゃに込めたもう一つの想い
愛海に置かれている木のおもちゃは、0歳から大人まで楽しめるものばかり。
「木のおもちゃって高価で、なかなか買えないんです。でも遊べる場所があったらいいなって」
知育レクリエーションインストラクターでもある渡辺さんは、「教える」のではなく「遊んでいたら自然と学べる」環境を大切にしています。
しんどかったこともあるけど「壁は壁と思っていないんです」

宿を始めてから、楽しいことばかりではなかったと渡辺さんは振り返ります。
「一番大変なのは、やっぱり時間がないことですね。子どもがいるので、どうしても優先は子どもになります」と話します。
チェックインとチェックアウトが重なる日は、掃除が間に合わず、やむを得ず予約をクローズすることもあるそうです。
「本当は予約を受けたい気持ちはあるんですけど、無理はしないようにしています」

それでも渡辺さんは、「壁は壁だと思っていないんです。動けば、なんとかなることも多いので」と前向きです。
教員を辞め、悩みながら選んだこの道。「お客さんが楽しかった、また来たいと言ってくれるなら、それで全部報われます」その言葉からは、宿と真剣に向き合う誠実な人柄が伝わってきます。
「また来たい」と言ってもらえる瞬間が1番のやりがい

「やりがいはやっぱり、お客さんが楽しんで帰ってくれたときですね。また来たい、よかったよって言ってもらえると、本当に嬉しいです」
渡辺さんがそう話す通り、やりがいは数字よりも人の反応にあります。対面でのチェックイン時、部屋を案内するたびに聞こえる「うわぁ、広い!」「ここも使っていいんですか?」という声。
二階に上がった瞬間、「なにこの扉!」「滑り台ある!」と、大人も子どもも本気で楽しんでくれる姿を見ると、「やってよかったな」と心から感じるそうです。

「50歳くらいのお父さんが、本気で滑ってくれたのも嬉しかったですね」と笑う渡辺さん。
子どもだけでなく、大人も自然と童心に戻れる空間になっていることが、愛海ならではの価値です。そしてチェックアウト時には、海を背景に家族写真を撮ることも。
「家族全員で写真を撮る機会って、意外と少ないんですよね」
その一枚が、旅の思い出として残ることも、この宿を続ける大きな原動力になっています。
進化し続ける宿へ

「まだまだやりたいことは山盛りあるんです」と、渡辺さんは笑いながら話します。
「庭をもっと充実させたい、子どもがワクワクする二段ベッドを置きたい。ボルダリングやブランコもいつか実現したい」どれも映えるためではなく、「来た家族が本気で楽しめるかどうか」を基準に考えています。
「わざわざ何時間もかけてここを選んで来てくれる。その時間を、がっかりさせたくないんです」
だからこそ、今やっていることを大切にしながら、少しずつ無理なく、でも確実によくしていきたいと語ります。豪華じゃなくてもいい。完璧じゃなくてもいい。
「楽しかった」「また来たい」その一言をもらえる宿であり続けること。家族の思い出が、そっと増えていく場所として、愛海はこれからも育っていきます。
【愛媛・松山への旅行・観光】「家族で思い出に残る宿」を探しているあなたへ

取材を通して一番強く感じたのは、愛海は「泊まる場所」ではなく、家族の時間を取り戻す場所だということです。
広い和室、子どもが思いきり遊べる空間、料理を一緒につくれるキッチンなどは、利用する「お母さん」や「家族」を想って作られています。
「子ども連れの旅行は大変」「ホテルだと気を遣ってしまう」そんな経験をしてきたからこそ、「ここでは、気を張らなくていい」「ゆっくりしてほしい」という想いが、宿全体に自然と染み込んでいます。

チェックイン時に部屋ごとに歓声が上がり、「また来たい」と言葉が残るのは、偶然ではなく積み重ねてきた想いの結果だと感じました。以下に当てはまる方は、愛媛・松山への観光や旅行のとき、ぜひ一度愛海を体験してみてください。
- 家族旅行で気を遣いすぎて疲れてしまった方
- 子どもと一緒に“思い出に残る時間”を過ごしたい方
- 三世代で、同じ空間にいながら心地よく過ごしたい方
写真やスペックだけでは伝わらない「帰りたくなる理由」を感じられるでしょう。




