東京都日野市は、新選組副長の土方歳三や六番隊長の井上源三郎らの出身地であり、「新選組ゆかりの地」として積極的に町おこしを行っています。
新選組は、幕末の京都で治安維持を担った武士の集団です。尊王攘夷派を取り締まり、幕府側として活動しました。剣術に秀でた隊士が多く、現在も歴史ファンから高い人気を誇ります。
特に、毎年開催される「ひの新選組まつり」では、全国から選ばれた約200名の隊士たちがJR日野駅前の甲州街道でパレードを行い、多くの観光客が訪れます。
今回は、2025年5月10日(土)、11日(日)に開催された第28回ひの新選組まつりのうち、11日の様子をレポートします。
ひの新選組まつりとは
ひの新選組まつりは、新選組副長・土方歳三の命日である5月11日に合わせて毎年2日間開催されています。
初日は土方歳三の菩提寺でもある高幡不動尊を中心に、「新選組隊士コンテスト」やスタンプラリーなどを実施。
2日目には、甲州街道・日野宿(ひのしゅく)周辺を新選組隊士が勝どきをあげながら練り歩く「隊士パレード」や、各所でさまざまなイベントが行われています。
ちなみに、日野宿とはかつて甲州街道の宿場町であり、土方歳三の義兄・従兄で新選組の支援者としても知られる佐藤彦五郎の旧宅や歴史ある神社などが点在している場所です。
また、新選組の近藤勇や土方歳三も滞在したことで知られる「日野宿本陣庭園」もあります。
土方歳三の菩提寺、高幡不動尊については、以下の記事で詳しく紹介しています!
約200名の隊士が勝どきを上げる「新選組隊士パレード」
ひの新選組祭りのメインイベントとも言える、新選組隊士パレードの様子を紹介します。
パレードは2日目の14:30~16:00に甲州街道で開催され、沿道には全国から多くの観光客が訪れていました。

まずは新選組副長・土方歳三の登場です。前日の新選組隊士コンテストで選ばれた「ミスター土方」を先頭に、近藤勇局長や一番隊~十番隊が続きます。
「副長から?」と思われるかもしれませんが、ここは土方歳三ゆかりの地でもある日野市。祭りの主役は、もちろん土方歳三です。
土方歳三の登場はひときわ盛り上がり、多くの人がシャッターを切っていました。

特に、「勝どきを上げられよ!」という司会の声に応えて、各隊士たちが「エイ、エイ、オー!」という勝どきを上げながら進んでいく姿は圧巻です。
各隊長たちもコンテストから選抜されており(一部は地元企業から選出)、地元・日野市から参加している人もいれば、他県からも多数の参加者がいました。中には北海道からの参加者もおり、このイベントが新選組ファンにとって特別なものであることがうかがえます。
大迫力の殺陣演武
ちなみに、新選組まつりではパレード以外にも、古武道演武や西洋流砲術演武など、さまざまな演目が同時開催。特に歴史好きや時代劇好きにおすすめしたいのが、パレード直前に行われている殺陣演武です。

さまざまな劇団や団体が殺陣を披露してくれますが、今回は「殺陣浪士組」の演武を見学しました。新選組の隊士に扮した演者たちが、バッタバッタと敵を斬り倒していく大迫力の演武を間近に見られます。

洗練された動きに、観衆からも感嘆の声が上がっていました。
各施設でもイベントが同時進行

公民館や小学校などの公共施設でも、物販や体験教室といったさまざまなイベントが行われています。
日野第一小学校では、ステージイベントが開催されていたほか、模擬店、キッチンカーが出店していました。

メインステージでは、フラダンスや日野出身のアーティストがパフォーマンスを行い、大勢のお客さんでにぎわっていました。

また、パレードを控えた新選組の隊士たちが士気を高めているのにも遭遇。パレードよりも近くで見られるので、「もっと隊長たちや隊服を近くで見たい!」という方は覗きに行ってみると良いかもしれません。
人気アニメ「青のミブロ」ともコラボ

新選組を題材にした漫画&アニメ『青のミブロ』作者の安田剛士さんが日野市出身ということもあり、今回は特設コーナーが設けられていました。コーナーには登場人物たちと一緒に写真が撮れるパネルや、描き下ろしイラスト、台本も展示。
さらに、日野第一小学校のステージでは、アニメで土方歳三を演じる声優・阿座上洋平さんが登壇するトークイベントも開催され、青のミブロファンでにぎわっていました。
イベントの紹介
イベント名:ひの新選組まつり
開催日:5月11日に合わせた2日間
開催場所:日野市全域(高幡不動駅・日野駅周辺)
アクセス:当日は車両規制があるため、公共交通機関の利用を推奨しています。
ひの新選組まつりホームページ:https://www.city.hino.lg.jp/bunka/kanko/matsuri/1012949/index.html