「仕事は人生を幸せにするための手段だと思っています。」
そう穏やかに語るのは、松山市のハッピーサロン メルモを営む三並沙織さん(以下、沙織さん)です。ネイリスト歴22年以上で、一人でサロンを始めて約20年。これまで数え切れないほどのお客様と向き合ってきました。
しかし、沙織さんが届けたいのは「きれいなネイル」だけではありません。ネイルを通して、お客様が自信を持ち、笑顔になり、幸せな人生を歩むきっかけをつくること。それこそが、沙織さんが目指すネイリストの姿でした。
成人式で出会ったネイルが人生を変えた

沙織さんがネイリストを目指すきっかけになったのは、20歳の成人式でした。当時、初めてネイルサロンを訪れ、オーダーメイドのネイルチップを受け取った瞬間、大きな衝撃を受けたといいます。
「こんな小さな爪の上に、お花が描かれていて、自分が思い描いた通りに仕上がっている。その瞬間に『これを仕事にしたい』と思いました。」その決断は驚くほど早く、翌月には仕事を辞めてネイルスクールへ。
「夢に向かって少しずつ準備したというより、『ネイリストになる』と決めて飛び込んだ感じでした」
人生を変えたのは、たった一度のネイルサロンとの出会いだったそうです。
独立は「突然」それでも支えてくれたお客様

スクール卒業後は松山市内のネイルサロンで経験を積み、その後も別のサロンで働いた沙織さん。ところが、独立は自ら望んだものではなかったそうです。当時勤めていたサロンを突然退職することになり、自分で開業する予定はまったくなかったといいます。
「どうしよう…と思っていた時、お客様から『次はどこへ行けばいいの?』と聞かれたんです」。そこで沙織さんは、「家に道具はあるので、一旦来てもらえれば施術できます」と答えました。そこから自宅サロンとして「ハッピーサロン メルモ」がスタートします。

「その時は人生の大きな挫折だと思っていました。でも今振り返ると、自分でお店を始めるきっかけをいただいた出来事だったんだと思います」。苦しい経験も、20年以上経った今では感謝できる出来事へと変わっていました。
ネイルは人生の節目に寄り添う仕事

沙織さんが22年間で実感したのは、ネイルは「人生の節目」に立ち会う仕事だということです。
結婚式の日。
出産前。
新しい仕事へ挑戦する時。
定年退職を迎える日。
入院前の最後の施術。
お客様は人生のさまざまな節目にネイルサロンを訪れます。中でも忘れられないお客様がいるそうです。医療関係のお仕事をされていたその方は、仕事柄ハンドネイルはできませんでしたが、フットネイルを長年続けていました。

「定年したら、真っ赤なネイルをお願いするね」。そう約束していたものの、その夢を実現させる前に亡くなったそうです。
「その時、『人生の大切な節目を任せてもらえる仕事なんだ』と改めて感じました」と沙織さん。一回の施術は沙織さんにとって日常でも、お客様にとっては大切な2時間。だからこそ、一回一回の施術を大切にしたいと話します。
ここへ来ると心が軽くなる

長年通うお客様が多い理由を尋ねると、「私とのおしゃべりを楽しみに来てくれているのかもしれません」と沙織さん。
仕事のこと。
家族のこと。
将来への不安。
友人にも話せないこと。
毎月顔を合わせるからこそ、自然と心を開ける関係が生まれていきます。「施術だけじゃなく、『ここへ来ると心が軽くなる』と思ってもらえる時間にしたいんです」。そのため、施術中はお客様が心地よく過ごせる空間づくりを大切にしています。
たくさん話したい方には会話を。静かに過ごしたい方には、そっと寄り添う時間を。相手に合わせた距離感も、長く愛される理由の一つなのでしょう。
「自分のテンションが上がる」10年以上通い続けるお客様の声

ハッピーサロン メルモには、10年以上通い続けるお客様も少なくありません。今回お話を聞いたお客様の場合、お母様からの紹介をきっかけに来店し、人生で初めてのジェルネイルを体験。
当初はハンドネイルを利用していましたが、お仕事の都合で派手なネイルができなくなったそうです。現在は、フットネイルを中心に毎月通っています。

「夏だけじゃなくて一年中お願いしています。人に見せるためというより、自分のテンションを上げるためですね。ふと足元を見た時に『きれい!』って思うので」と話すお客様の笑顔が印象的でした。
「きれいになるだけじゃなくて、健康も一緒に考えてくれているので安心します」。そんなお客様の言葉からも、見た目だけではないメルモのこだわりが伝わってきました。
「友達以上に会っているかもしれない」安心できる存在

10年以上通い続ける理由を尋ねると、お客様は施術だけではなく、沙織さんの人柄についても話してくださいました。
「すごく親しみやすくて、何でも話せるんです。プライベートのことも相談できますし、毎回楽しい時間ですね。友達以上に会っているかもしれません」
ネイルとは直接関係のないエピソードも大切な思い出として残っているそうです。「ジェルネイルが初めての方や、ネイルに挑戦してみたい方にもおすすめしたいです」長年通い続けるお客様の言葉からは、技術力だけでなく、人と人とのつながりを大切にする沙織さんの姿勢が伝わってきました。
学び続けるのはお客様の役に立ちたいから

現在も沙織さんは技術だけでなく、健康やコミュニケーション、人生についても学び続けています。「ネイルだけ知っていても、お客様のお役に立てるとは限りません」
健康について学べば、爪の状態との関係を伝えられます。コミュニケーションを学べば、お客様が安心して話せる空間をつくれます。すべては目の前のお客様のためだそうです。その想いが、22年以上学び続ける原動力になっています。
松山でお客様の人生に寄り添い続けたい

店舗を増やしたい、有名になりたいという気持ちは、昔からほとんどなかったそうです。「今来てくださっているお客様を大切にし続けたい」その想いが何よりも強いと話します。
一方で、沙織さんには将来の夢もあります。それは、高齢者施設や身体が不自由な方のもとへ出向き、フットケアを届けること。
「健康寿命にも関われるような仕事ができたらうれしいですね」美容だけでなく、沙織さんは健康や福祉にも貢献できるネイリストを目指しています。
ネイルが人生を変える「小さな一歩」になるように

最後に読者さんへのメッセージを聞くと、沙織さんは優しく語りました。
「ネイルは、人生を変える一歩になることがあります」
身だしなみとして。
自分へのご褒美として。
新しいことへ挑戦するきっかけとして。「ネイルサロンへ行く理由は、人それぞれです。だからこそ、その一歩に寄り添える存在でありたい。自分に合ったネイルサロンと出会ってほしいですね」
22年以上、一人ひとりのお客様と真摯に向き合い続けてきた沙織さん。その想いは、これからも松山市で多くの人の笑顔を支え続けていくことでしょう。
基本情報
| 店名 | ハッピーサロン メルモ |
| 代表 | 三並 沙織 |
| 所在地 | 〒790-0802 愛媛県松山市喜与町1丁目5−2 パルフェ喜与町 6F |
| 電話 | 089-933-2888 |
| 営業時間 | 9時から18時 |
| 定休日 | 日曜 |
| 予約方法 | 完全予約制 |
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