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もの・こと  |    2024.08.27

軽井沢六本辻における「ラウンドアバウト」とは何だ?

みなさん、「ラウンドアバウト」って、なんの事だかご存じですか?

安全・安心かつスムーズな交通の実現を目標に、道路交通法の改正を受け、平成26年(2014年)9月から全国に導入され、今年で導入10年となる

右回り一方通行で環道優先の円形平面交差点(環状交差点)

のことを「ラウンドアバウト」と言い、欧米ではすでに広く普及した交差点の形態です。

1.そもそも「軽井沢六本辻」ってどこにある?

JR軽井沢駅より北西の方向に徒歩16分の場所にあります。軽井沢六本辻とは、旧軽井沢地区で旧中山道を含む6つの道路が交差する地点の名称。「辻」とは古くからある言葉で、

道が十字形に交差している所。十字路。四つ辻(つじ)

と辞書で説明されています。

2.信号は、交差する道路の数だけあるものか?

十字路以上に多くの道が交差する場合、信号待ちが大変です。

具体例を挙げましょう。下のGoogleストリートビューで東京都世田谷区桜上水の桜上水交番前交差点を見てみます。スマホなら指で、パソコンなら左クリックしながらグルっと左右どちらかへ360度画面を回転してみてください。

7本の道が交差し、自動車用信号機も5つ(画面を上向きにしないと見えないものも含む)。待つのは大変でも、衝突が回避できるならしょうがありません。

3.実際、軽井沢六本辻の信号はいくつある?

ところが、Googleマップで上から見ると確かに6本の道が交差する、ここ軽井沢六本辻は下の動画のように信号もなく、一定のルールで車が通過します。左下の再生ボタンを押して確認してみましょう。

これが ラウンドアバウト です。

令和4年(2022年)に国土交通省が出した資料では、その概要を以下のように記しています。

● 円形平面交差点のうち、環道の交通が優先されるもの
● 環道交通は1車線で、右回りの一方通行
● 環道に流入する車両は徐行、横断歩行者や環道に通行車両がなければ、一時停止なしに流入可能

ルールに沿って通過すれば、不要な信号待ちは無く、当然に災害時に信号の停電で右往左往することもありません。

ですが、この形態の交差点を通過した経験がないと、恐る恐る標識を確認しながらゆっくり通過することに。 Googleマップのナビ機能を使いながら通過した時のアナウンスは

「この先ロータリーに進入し、(?)番目の道を曲がります」

と指示されます。

左にハンドルを切りながら進入し、右にハンドルを戻しながら転回しつつ今何番目の道なのかを把握して他の車との接触に注意しつつ交差点から出ていくのは、慣れるまでとても難しく感じました。

4.「ラウンドアバウト」って、どこにでもあるの?

警察庁が発表した令和6年(2024年)3月末現在の都道府県別の環状交差点の導入状況全国で161件。1番多い都道府県は宮城28、愛知14の他は1桁台か実績なしの県もあり、制度導入から10年経ってもまだ珍しい存在といえるでしょう。

軽井沢六本辻には6つの道が接続していますが、いくつ接続するパターンがあるのかの統計は、令和4年(2022年)3月末時点(総件数138箇所)のもので国土交通省が資料を出しています。

枝(接続道路)別交差点数は最も多いものから順に4枝(80箇所)、3枝(29箇所)、5枝(17箇所)、6枝(10箇所)、8枝(2箇所)。

6枝(10箇所)は全体の10%もない希少な場所であることが分かります。

5.軽井沢で「ラウンドアバウト」を楽しもう!

軽井沢にはもう1箇所、3枝のラウンドアバウトが存在します。しなの鉄道中軽井沢駅~信濃追分駅間の線路を国道18号線が跨ぐ付近に設置されています。こちらは交差点に進入しても、残り2つのうちのいずれかから出ればいいいのですから、運転はあまり迷うことはありません。

最初にこちらを通り、慣れたら軽井沢六本辻へ車を進めてみませんか。

もしかしたら、軽井沢に居ながらにしてラウンドアバウトの先輩格、パリの凱旋門(←パリ五輪閉会式演出の元ネタとなった動画。特に再生16秒後の場面から注目してみてください)をドライブした気分に浸れるかもしれません。

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この記事を書いた人

Kunie

20代で首都圏エリアの情報誌のライターをしていました。その後、一般企業に転職。東京から長野へ移住、単身赴任、親の介護を経て子供の独立を機に退職。地元誌のインタビュー記事を担当させていただいたご縁から、20代から長いトンネルを経て、またライターで働いてみようと日々奮闘中です。

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