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人  |    2026.04.13

北海道岩見沢市発:モノづくりへの情熱が生んだ“レインスピーカー”の魅力

北海道岩見沢市に拠点を構える「有限会社赤間板金」は、その高い技術力を活かし、個性的なオーディオ用スピーカー「レインスピーカー」を開発し、注目を集めました。

今回は、冬季の仕事を確保するために新たな事業へ挑戦した「有限会社赤間板金」代表取締役・赤間年幸さんに、モノづくりへの深い情熱や音楽への愛情についてお話を伺いました。

自然豊かだが雪深い「岩見沢市」とは

北海道岩見沢市は、明治期に石炭輸送の中継地として発展した歴史ある地域です。自然が豊かで「北海道グリーンランド(遊園地)」や「バラ園」などの人気施設もあり、多くの人が訪れます。一方で、年間平均降雪量が6メートル近いなど、豪雪地帯としても有名です。

参照:岩見沢市ホームページ

冬の仕事を守るために開発!「レインスピーカー」の魅力

冬の仕事を守るために開発!「レインスピーカー」の魅力

「どうぞ、コーヒーでも飲みながらお話ししましょう」

赤間社長はそういって、目の前でヘーゼルナッツの香りのするコーヒーを注いでくれました。取材場所である赤間社長のプライベートスペースには、たくさんのCDや音楽関係の機械、ドラムまで置かれていました。

「もともと音楽が好きでバンド活動をしているので、ここでギターの練習もしているんですよ」

レインスピーカー1

棚には、赤間社長が開発した「レインスピーカー」も。目を引く個性的な六角形の美しいフォルムからも、そのこだわりの強さが伝わってきます。

レインスピーカーは、1台1台職人が丹精込めて作りあげています。また真鍮を使用しているため、年月を重ねることで、革製品のような経年変化を味わうことができます。まさにモノづくりに生きる職人の技術が詰め込まれたスピーカー。岩見沢市のふるさと納税の返礼品としても採用されています。

レインスピーカー2

しかし、そもそもなぜ建築板金業を営む会社が、オーディオ用スピーカーの開発に乗り出したのでしょうか。

赤間板金社長

「岩見沢の冬は雪が多いため、屋根などの工事が出来ず仕事が激減します。やむなく社員を一時解雇して、失業保険を受け取ってもらうしかなくなります。そのため、冬でもできる仕事が必要でした。そこで、使用しなくなった煙突製作の工具を再利用して、スピーカーを作ろうと思ったんです」

音楽を愛する赤間社長は、「音を聴く」という体験にも強いこだわりを持っていました。だからこそ、これまで培ってきた建築板金の技術を活かし、リアルなサウンドを再現するスピーカーの開発に乗り出したのです。数々の困難を乗り越え、開発開始から1年後、ついに「レインスピーカー」の販売にこぎつけました。

レインスピーカーは音楽が本来持つ音をリアルに再現し、五感で体感することの出来るスピーカーです。レインスピーカーから流れる音楽を聴いたとき、その臨場感と体の芯を刺激するようなサウンドに、心から感動しました。

祖父から受け継いだ“モノづくり魂”

室内

モノづくりといえば、赤間社長には祖父の印象深いエピソードがあるそうです。

「祖父は湧別町で、オートバイや漁船のエンジン修理などを手がける職人でした。先代の社長だった父もそこで修行し、その後岩見沢に移り住み事業を始めたんです。

あるとき、祖父が父に“キャスターを送ってくれ”と頼んできたそうです。それまでは、椅子に取り付けるキャスターを自作していたのですが、岩見沢のような都会なら手に入ると思ったのでしょう。

普通なら“何か美味しいものを送ってくれ”と言いそうなところを、モノづくりに必要な部品を頼むあたりが、いかにも祖父らしいと思いました。そんな話を聞くと、自分にもモノづくりの血が流れているんだなと感じます」

こだわりぬいたレインスピーカーは、脈々と受け継がれたモノづくりの魂から生まれたといっても過言ではないのかもしれません。

音楽を愛する心と次世代への思い

赤間社長2

赤間社長は高校生の時からほぼずっとバンド活動をしているそう。そのバイタリティはどこから来るのでしょうか。

「バンド活動をしていると、頭のなかがフラットになり仕事に対してもいい影響を与えると感じています。自分にとっては、もう生活の一部ですね」

ちなみに現在のバンド名は「レインスピーカーズ」とのこと。これはやはり唯一無二の商品のアピールとして命名したのかと思いきや、苦笑いでこう答えられました。

「僕は嫌だったんですよ。でもバンド仲間に、“おまえはレインスピーカー作っているんだから、レインスピーカーズにしよう”、といわれ、仕方なくそうしたんです」

赤間社長3

赤間社長は、「岩見沢地方高等職業訓練校」で板金技術の講師を務めるなど、地域の次世代育成にも貢献しています。体験教室を開くと、参加する子どもたちはみなキラキラとした表情でモノづくりをするそうです。

「少しでも子どもたちにモノづくりの楽しさを伝えたい。環境さえあれば、子どもたちは喜んでモノづくりを行います」

五感で感じる音楽体験。レインスピーカーが描く未来

赤間社長4

今後、レインスピーカーはどのような未来を描くのでしょうか。赤間社長にその想いを伺いました。

「スピーカーは流れてくる音楽をシェアすることができます。目で見て耳で聞く。インターネットがどんなに発達しても、そこは変わらない。五感で音楽を体感する魅力を伝えるためにも、多くの人にレインスピーカーを知ってほしいと思います」

赤間社長のモノづくりの情熱と共に、レインスピーカーはこれからも大きく羽ばたいていくことでしょう。

社屋

有限会社 赤間板金

北海道岩見沢市6条西11丁目2番地3

TEL 0126-22-4396

FAX 0126-22-4485

mail office@akama-bankin.com

有限会社赤間板金ホームページ

Rain Speaker(レインスピーカー)公式サイト

ふるさと納税岩見沢市レインスピーカーのページ

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この記事を書いた人

小糸 あき

夫婦で50代からフリーランスになり北海道札幌で文工房という記事作成事務所を営んでます。ママンライター&パピーカメラマン。北海道という地域に根ざしながら、住む人や暮らしを応援したいと考えています。好奇心を持ち、常に挑戦する姿勢を忘れず、自然や人に寄り添った仕事をすることが目標。趣味は道の駅めぐりと図書館めぐり。

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