キッチンシーキャビンは、デイサービス『シーキャビン』から独立する形でオープンしたお弁当屋さんです。独立後は、お弁当とともにシーキャビン利用者の食事も担当しています。
前編では、キッチンシーキャビンの仕込みの様子を店主のコメントとともにお伝えしました。
後編となる本記事では、シーキャビン利用者(以下、サービス利用者)の様子やオーナーのインタビューなどから、キッチンシーキャビンのお弁当の魅力を紐解きます。
スタッフとサービス利用者の元気を支える『キッチンシーキャビン』
シーキャビンは、キッチンシーキャビンと同じ敷地内にあります。お伺いしたときは、カラオケ大会が催されていました。懐かしい歌謡曲が次々と歌われていきます。歌唱を待っている方は、カレンダーを作ってたり、塗り絵をしたりと各々の時間を楽しんでいました。
キッチンシーキャビン店主曰く、独立した理由には”サービス利用者やスタッフからの料理の評判が良かった”のもあるとのこと。シーキャビンを訪れたときはすでに昼食が済んでいましたが、「いつも全部きれいに食べてくれる」というスタッフの声から、サービス利用者のみなさんがキッチンシーキャビンの料理を楽しんでいる様子が分かります。
大橋「今日の昼食はいかがでしたか?」
男性利用者「今日もなにも、ここの食事はいつもおいしいよ」
女性利用者「病院食みたいな食事じゃなくてね。おいしくいただけてます」
サービス利用者の方に好きなおかずを聞いたところ、『揚げもの』と答える方が多かったです。
キッチンシーキャビンの料理の特徴に、食材の旨味とコク深さがあります。やさしい味付けながら物足りなさはなく、ごはんが進む味付けです。揚げ物は油がしっかりと切られていて、自家製のソースでおいしく食べられるように作られています。
サービス利用者のみなさんから好評の食事。シーキャビンの代表取締役である田中さんに、シーキャビンにおける食事の大切さについて伺いました。
【インタビュー】シーキャビンの代表取締役 田中さん
海好きで食通であるシーキャビンの代表取締役 田中さんに、サービス利用者やキッチンシーキャビンのお客さんにおいしい食事を提供することの大切さを伺いました。
おいしい食事を提供するのは自然なこと
大橋「キッチンシーキャビンの独立は、サービス利用者や職員から料理が好評だったことが理由のひとつにあると聞いています。シーキャビンで食事に力を入れようと考えたきっかけはありますか?」
田中さん(以後、敬称略)「『なにが一番大切なんだろう』と考えたとき、食事がおいしかったり、スタッフの対応が良かったりというのがすごく大切だと思っています。”おいしくなかった”、”対応が良くなかった”となれば次は行かない。サービスに対する反応は正直です。食事のクオリティで特色を打ち出そうとかはなく、我々がデイサービスを利用する側になったときに”良い”と思えるサービスであるかどうかを考えれば、おいしい食事を提供するのは自然なことなんです。
同時にデイサービスは利用者の方が施設を選ぶのではなく、ご家族が決定権を持っています。ご家族の方々の安心や満足、理解を考えたとき、食事だったり、居心地の良さだったりという当たり前の部分をしっかりとやっていこうと決めてシーキャビンを始めました」
食べておいしいと思えるものをお出ししています
大橋「サービス利用者からは、揚げ物のおかずが好まれているようです。大河原さん(キッチンシーキャビン店主)からは、天ぷらや高級感のあるものが人気だと教えていただきました」
田中「高級感のあるものもそうですし、私たちが食べたくなるもの、食べておいしいと思えるものをお出ししています。
たとえば麻痺のある方、杖をついていらっしゃる方、そういった方にとって外出は命懸けです。私たちが外食する以上に本当の外食。だからこそ”1回の食事の時間を大切に”と介助をさせていただいています。もし転倒して骨折をしてしまったり、歩けなくなって家に帰れなくなったりすれば、楽しい人生が短くなってしまいます。うちに安全にお越しいただき、おいしい料理を食べていただければ、楽しい人生がもっともっと延びる。そう考えてみんな取り組んでいます」
デイサービスの利用者の方々に外食している気分を楽しんでもらいたい
大橋「キッチンシーキャビンの料理ってすごくおいしいですよね。仕込みの作業を見させていただいた際に、大河原さんからお弁当とデイサービスの料理を同時に仕込んでいると聞いて、『お昼に毎日食べられるのうらやましい!』って(笑)」
田中「ありがとうございます!病院食はいろいろルールがあったり、お店は味が濃かったり。じゃあ家の味はどうですかっていうとお店の味に限りなく近いんですよね。デイサービスは病院と自宅の中間の施設。当然食べやすいように工夫はしますが、うちは”料理屋さんに近い味”でいきましょうと。デイサービスの利用者さんだけでなく、スタッフが食べても、利用者のご家族が食べても満足していただけるものを提供しています。
先ほどの外出の話もそうですが、デイサービスの利用者の方々に外食している気分を楽しんでもらいたいです」
大橋「本当にみなさん食事を楽しんでいました」
田中「揚げ物が人気ですが、本日の食事のように人気のおかず以外でも喜んでみなさんに食べていただけているのは、大河原はじめ、スタッフの力によるものです。ご家族の方にも大変喜んでいただけています」
食事への精神的な満足度が高い方が絶対に楽しく生活ができる
大橋「キッチンシーキャビンの料理をシーキャビンで提供するにあたって、料理の方向性はどのように決めましたか?」
田中「病院食のような食事の方がいいんじゃないかとかありますけど、僕たちはそうは思っていません。病院食より少し塩分が高くても、食事への精神的な満足度が高い方が絶対に楽しく生活ができると思っています。利用者のご家族も、その点に共感してくださっている方が多いです。シーキャビンに従事しているスタッフの笑顔と接し方、能力。そこに間違いのない食事があるので、私自身、自信を持って前に進めています」
ホッとできるお弁当ならキッチンシーキャビンへ
デイサービスの『シーキャビン』とお弁当の『キッチンシーキャビン』。ふたつの事業が連携して地域に根付いたサービスを提供しています。
キッチンシーキャビンのやさしい料理は、やさしい味付けで素材の味を活かしているのが特徴です。食べるとホッとする不思議な魅力があります。おいしいお弁当で元気をチャージしたい方はもちろん、シーキャビンの利用をお考えの方もぜひ一度お弁当を食べにキッチンシーキャビンに足を運んでみてください。
キッチンシーキャビン 詳細
◆住所|埼玉県戸田市中町1丁目24-24
◆電話番号|048-446-6488
◆FAX|048-452-4798
◆営業時間|10:30~15:45
※予約開始時間|8:00~
※配達時間|10:00~14:00
◆定休日|日曜日◆リンク|X・Instagram