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アクティビティ  |    2026.01.13

なぜ今、下田の港で「釣り」と「クルージング」なのか?「気軽に海で遊ぶ」がコンセプト|静岡県下田市

伊豆下田マリンセンターの船

「地方創生」と聞くと、新しい施設や大規模な観光開発を思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし静岡県下田市では、もっと静かで、もっと日常に近い場所から変化が生まれています。

それは、港の中の穏やかな海。
泳がなくても、特別な準備がなくても、誰でも関われる海です。

海水浴客の減少という現実に向き合う中で、伊豆下田マリンセンターは「海の使い方」そのものを問い直しました。
初めての方でもお楽しみいただける『手ぶらでGO! 下田湾内釣り』や『潮風体感クルージング』、『夏休み限定ナイトクルージング』――
その取り組みは観光にとどまらず、地域の未来を静かに支える存在になりつつあります。

海水浴に頼らない観光へ。下田が直面する現実

下田の青い海

白砂のビーチと青い海。
下田は長年、「海のまち」として観光客を迎えてきました。
一方で近年は、全国的な傾向と同じく、海水浴客の減少が顕著になっています。

気候変動による猛暑、レジャーの多様化、ライフスタイルの変化。
かつてのように「夏になれば、海に人が集まる」という時代は、確実に終わりつつあります。

この現実は、下田に限った話ではありません。
多くの海沿いの自治体が、「海はあるが、どう活かすか」という問いに直面しています。

「海を特別にしすぎない」という発想

子供が湾内で釣り上げた魚

伊豆下田マリンセンターが提供しているのは、釣り竿・エサ・ライフジャケットがすべて揃った手ぶらで参加できる下田港内魚釣り体験です。

舞台は外海ではなく、下田港の湾内。
波が穏やかで、子どもや高齢者、釣り初心者でも安心して楽しめる環境が整っています。

運営スタッフ(船長)の飯田さんは、こう語ります。

「海を“特別な人だけの場所”にしたくなかったんです。誰でも、ふらっと関われる海であってほしいと思っています」

観光客だけでなく、地元の人が気軽に海に親しめること。
それが、地域にとって持続可能な海のあり方だといいます。

下田だからこそ成立する「港の体験」

釣り針にいっぱい掛かった魚

この取り組みが自然に受け入れられている背景には、
港町・下田が長年培ってきた、海と暮らしの距離の近さにあります。

漁業、船、港の風景。
それらは観光用につくられたものではなく、今も地域の生活の一部として息づいています。
伊豆下田マリンセンターの体験は、そうした日常の延長線上にありました。

下田港荷上場 地元の人と船長の飯田さん

湾内の釣り|誰でも海と関われる「入口」をつくる

維持下田マリンセンターの船で、釣り場に向かう親子

伊豆下田マリンセンターが提供する湾内釣りは、外海ではなく、下田港の穏やかな湾内で行われます。

波が立ちにくく、天候の影響を受けにくい湾内は、子どもや高齢者、釣り初心者にとっても安心できる環境です。
釣り竿や仕掛け、エサ、ライフジャケットはすべて用意されており、文字通り「手ぶら」で海に向かうことができます。

日差しの強い時期の日よけテント

設備についても、

「ライフジャケットは自動膨張式を使用し、夏季期間は暑さ対策で日よけも設置しています」

「初めて来られる方は、 “トイレは大丈夫ですか?”と心配されることも多いんです。
うちは個室トイレを用意しているので、女性や小さなお子さん連れ、ご年配の方にも安心していただけます」

飯田さんはそう話します。

釣りの技術や知識だけでなく、体験する人の不安を一つずつ減らすこと。

その積み重ねが、「また来たい」という気持ちにつながっています。

クルージング|静かな時間が伝える「暮らしの海」

毎年人気、ナイトクルージングのポスター

もう一つの柱が、湾内を巡るクルージング体験です。
2015年に建造された小型ボートは海との距離が近く、風の音や潮の香りをそのまま感じられる設計になっています。

港をゆっくりと巡りながら過ごす時間は、「ここで暮らす」という感覚を自然と想像させてくれます。

「夏のナイトクルージングは特におすすめです。海がキラキラ光る夜光虫見学ができますよ」と飯田さん。

観光地を“見る”体験ではなく、生活の場としての下田を“感じる”体験。
この静かなクルージングは、下田というまちを深く知るための大切な入口になっています。

体験が育てる「関係人口」

釣りがきっかけで、下田に移住したご家族

「観光で来た方が釣りを楽しみ、次は家族を連れて来てくれる。そのうち“住んでみたい”と言われることもあるんです」

飯田さんの言葉が示すのは、この取り組みが単なるレジャーではないという点です。

一度きりの体験ではなく、人と地域の関係を少しずつ深めていく。
それは、今多くの自治体が模索している関係人口づくりそのものと言えるでしょう。

海水浴の代替ではなく、海の選択肢を増やす

船長の飯田さん

伊豆下田マリンセンターが目指しているのは、海水浴に代わる新しい観光商品ではありません。

「泳ぐ・泳がないではなく、どう関わるか。その選択肢を増やしたいんです」

海を観光資源として囲い込むのではなく、暮らしとつながる場所として開いていくこと。
その積み重ねが、下田の未来を静かに支えています。

まとめ 港から始まる、下田の地方創生

派手な成功事例ではありません。

しかし、「あるものを、無理なく活かす」という地方創生の原点が、ここにはあります。

海のまち下田の次の一歩は、港の中の、穏やかな海から始まっています。

皆さんも「手ぶらで下田の海体験」、してみませんか?

お店の情報

伊豆下田マリンセンター

住所:〒415-0021

静岡県下田市一丁目23-12

電話番号:0558-27-3322

営業時間:お問い合わせください

アクセス:伊豆急下田駅から徒歩7〜8分位

駐車場:あり

公式サイト http://shimoda.co.jp/

公式Instagram https://www.instagram.com/izushimoda_marine_center/

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この記事を書いた人

takahashi-tomiyo

静岡県出身、台東区在住のwebライターです。台東区の魅力や、気になる街を発信してまいります。

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