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アクティビティ  |    2026.06.01

【石垣島】シーカヤックでめぐる、世界最大級のアオサンゴが息づく白保の海と島の記憶とは

石垣島の南東部に位置し古き石垣の雰囲気が残る集落、白保(しらほ)。市街地から車で約25分でアクセスできる場所でありながら、世界最大級のアオサンゴ群集が広がる美しい海で知られています。

今回は、カヤックショップ「ちゅらねしあ」のガイド八幡さんのシーカヤックツアーを体験してきました。八幡さんは、なんと神奈川県の葉山から石垣島までの距離を、キャンプをしながらシーカヤック一艘で漕ぎきった経験をお持ち。そんな海や天気を知り尽くした八幡さんから、石垣島の自然から歴史までお話を伺いながら白保の海をめぐった様子をお届けします。

出発前のレクチャー

待ち合わせは白保海岸の駐車場。着替えなどの準備を整えて、海岸に向かいます。まずは海岸で、二人乗りのシーカヤックの操作方法を学びます。

「腕の力だけで漕ごうとするとすぐに疲れてしまうので、体幹をしっかりさせて、上半身の旋回運動を使うのが大事」と八幡さん。これは、ボールを投げる時の体の使い方と似ています。自分の体全体を使ってパドルを動かす感覚を掴んだら、いよいよ白保の海に漕ぎ出します。

海のグラデーションを抜けて

海には、エメラルドグリーン、鮮やかなブルー、深い紺色まで、無数の「青」が混ざり合っています。エメラルドグリーンに見える場所は下に白い砂地がある浅瀬、鮮やかなブルーはやや深くなっている場所、そして紺色は沖。沖との境界線に白波が立つのを観察しながら、カヤックを漕ぎ進めていきます。

ウミガメと熱帯魚たち

海面を覗き込むと、熱帯魚のルリスズメダイが鮮やかな青色を光らせて泳いでいる姿が。また別の場所では、ゴロゴロと転がっているナマコも見ることができました。ナマコは海をきれいにする大切な「掃除屋」でもあるそう。

途中、「ウミガメがいるよ!」と教えてもらいましたが、初心者の私たちにはどれがサンゴでどれがカメなのか全く分からず。すぐ近くにいたはずなのに、ウミガメを目でとらえることができませんでした。

秘められた青「アオサンゴ」

しばらく漕いで行くと、白保の象徴「アオサンゴ」が現れます。白保のアオサンゴは、南北約10kmにわたる北半球最大級の群集を形成しています。

なぜアオサンゴという名前なのかというと、外側からみると地味な茶色や灰色ですが、そのサンゴの中身が鮮やかな青色をしているためです。

近年、海水温の上昇による「白化現象」で多くのサンゴが危機に瀕していますが、白保のアオサンゴは熱に強く、過酷な環境を生き抜く驚異の生命力を持っている点も特徴です。

ちなみに、今回参加したのは冬の「オフシーズン」だったので海の中には入りませんでしたが、春〜秋のオンシーズンだとシュノーケリングもできるので、こちらの写真のように間近にサンゴや海の生き物を観察できるそうです。

 
                    提供:ちゅらねしあ

白保の海を育むのは「山の恵み」

白保の海岸の砂は真っ白ではありません。一方で、竹富島や宮古島のビーチの砂は白いです。「この違いを生み出しているのはなんでしょうか?」と八幡さん。実は「山」の存在がキーとなるそうです。山がない島には川もありません。そのため、海に山から土が流れ込まず、海岸にはサンゴが砕けた白い砂が残ります。

一方、石垣島には沖縄県最高峰の於茂登岳(おもとだけ)や野底岳(のそこだけ)といった高い山があります。この山から豊かな淡水が絶えず海へ流れ込みます。この淡水と海水の混じり合いが、サンゴや魚たちに栄養を届け、白保の豊かな生物多様性を支えています。

白保の記憶

ふと海面に突き出た巨大な岩。これらは1771年の「明和の大津波」などで海底から打ち上げられた「津波石」です。数百年経った今も、自然の猛威を静かに伝え続けています。

さらに進むと、海の中に測量ポールが見えてきました。かつて、この白保の海には大規模な新空港建設の計画がありました。このポールはその時の名残なのだそうです。

空港建設に向けた海の埋め立てが現実味を帯びるなか、白保の人々の運動がきっかけで、日本中を巻き込む大きな議論となりました。その動きの中で、白保の海には世界的にも貴重なアオサンゴが確認されたことから、環境保護の動きが高まり、最終的に建設場所が変更されることになったそうです。

今、私たちがこの美しい海をシーカヤックで漕ぐことができるのは、あの時この自然を守ろうとした人々がいたおかげなのだと、改めて深く知ることができました。

まとめ

「シーカヤック」というと難しいイメージがあるかもしれませんが、いったんコツを掴めば思ったよりスイスイ進むことができます。泳ぐのが苦手でも、海の上から絶景を楽しむことができます。ひと漕ぎした後にパドルを止め、海や山を眺める時間は贅沢で、日常を忘れることができる癒しの時間でした。

「ちゅらねしあ」の八幡さんは、やりたいことや見たいものを伝えれば、その日の天気と海の状況を読み、あなただけのツアーを提案してくれます。初級者から上級者のリクエストにも応えてくれます。

次に白保に行く際は、シュノーケリングもやりつつ、シーカヤックでさらに沖まで行ってみたいなと思いました。

今回参加したツアー情報

ショップ名: ちゅらねしあ
HP: https://www.churanesia.jp/

白保海岸について

アクセス:沖縄県石垣市白保2107-2
駐車場:有り
トイレ:有り

※白保の海は海水浴場ではありません。潮の干満や潮流などによっては危険な場所があり、危険な生き物がいます。海での遊泳は自己責任となります。安全に白保の海を楽しみたい方は、白保魚湧く海保全協議会加盟のグラスボート、シュノーケルツアー、エコツアーに参加してください。
白保の海で遊ぶ時のルールの詳細はこちら↓

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この記事を書いた人

山まみー

東京都で会社員をしながらライターとしても活動中。登山、旅行、アート、おいしいものを食べることが好き。

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