神戸・三宮の地下街を歩いていると、ふと足を止めてしまう一角があります。
白い行灯に浮かぶ力強い文字、赤い暖簾の奥から聞こえてくる賑やかな声と、餃子が焼き上がる音。
その先にあるのが、ぎょうざの店ひょうたん三宮店。半世紀以上にわたり、神戸の人々の日常に寄り添いながら、「神戸餃子」と「味噌ダレ」の文化を守り続けてきた一軒です。実際に訪問し、名物の赤味噌がベースのタレでいただく餃子を食べてきました。
三宮の動線上にある存在

ひょうたん三宮店は、JR・阪急・阪神など各線が集中する三宮駅からほど近い場所にあります。
地下街からもアクセスしやすく、雨の日でも立ち寄りやすいのが特徴です。
周囲には飲食店が立ち並びますが、その中でもひょうたんは独特の存在感を放っています。派手な装飾はなくとも、長年積み重ねてきた歴史が、看板や外観の佇まいから自然と伝わってきます。
仕事帰りの一杯に、買い物途中の軽食に、あるいは観光で訪れた人の「神戸らしい一食」として。さまざまな目的の人が、同じようにこの暖簾をくぐっていく様子が印象的でした。
店内に入ると、まず耳に届くのは餃子が焼ける音。鉄板の上で水分が飛び、皮が色づいていくリズムが、自然と食欲を掻き立てます。

壁にはドリンクメニューや案内が並び、必要な情報が簡潔にまとめられています。
主役は、迷いのない「ぎょうざ」

メニューの中心は、もちろん餃子です。ぎょうざは1人前7個。
必要以上に選択肢を増やさず、看板商品一本で勝負している潔さが感じられます。

ドリンク類も、ビールやハイボール、酎ハイ、日本酒など、餃子と相性の良いものが揃っています。価格帯も明確で、気負わず注文できる点も、長年親しまれてきた理由のひとつでしょう。
卓上には、神戸餃子に欠かせない味噌ダレをはじめ、醤油、酢、ラー油、そしておろしニンニクが並びます。
実食レビュー|もちっとした皮と、焼きの技が生む一体感

運ばれてきた餃子は、しっかりと焼き色がついた美しい仕上がり。焼き面は香ばしく、皮の端にはほどよいカリッと感があります。一口かじると、まず感じるのは皮のもちっとした食感。その後に、餡の旨みがじんわりと広がります。
餡は、野菜と挽き肉のバランスがよく、にんにくの主張は控えめ。重たさが残らないため、ビールとの相性も抜群です。

ここで欠かせないのが、赤味噌をベースにしたオリジナルブレンドの味噌ダレ。まずは何も足さず、ひょうたん特製の味噌ダレだけで味わいます。コクがありながらも後味はすっきりしており、餃子そのものの味を引き立ててくれます。
次に、お酢と醤油を2:1で合わせ、味に変化をつけてみます。最後はお好みでラー油を加え、さらに秘伝のおろしニンニクを少量。段階的に味わうことで、同じ餃子でも印象が変わり、最後まで飽きずに楽しめます。酒の肴としても成立する理由が、自然と理解できました。
おわりに
店内を見渡すと、常連と思われるお客さんが手慣れた様子で餃子を頬張る姿がありました。
観光客らしき人も、その中に自然と溶け込んでいます。
時代が変わっても、創業時から受け継がれてきた「神戸餃子」と「味噌ダレ」の文化を守り続ける。その姿勢が、結果として地域に根付き、世代を超えて支持されてきたのでしょう。
ひょうたんは、新しいことを派手に打ち出す店ではありません。しかし、変えないことの価値を大切にしながら、今日も淡々と餃子を焼き続けています。
その積み重ねこそが、神戸の食文化の一部になっていると感じました。
三宮を訪れた際には、観光の合間や一日の締めくくりに、ぜひ立ち寄ってみてください。
ぎょうざの店ひょうたん三宮店
住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通1-31-37
営業時間:11:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:なし
電話番号:078-331-1354




