2022年滋賀県大津市が都道府県パンの消費量1位に輝いた。
この総務省統計局の発表には県民の多くが心を躍らせた。当時、私の周りでは「パン消費量1位なんだってぇ!すごくない?」と、よく話題に上がった。あの頃は、新しいパン屋ができると情報交換も激しかったように感じる。そのぐらい1位に飢えていたのだ。しかし、気を抜いたのか翌年には3位に。最近ではパンの話題もめっきり聞かない。
ならば私が、滋賀県民の元気を取り戻すために立ち上がろうと思う。
「パン消費量1位返り咲きへの道」今回は、早朝からオープンしている貴重なお店を紹介する。大津市にある「Saas−Fee(サースフェー)」だ。
立地は良いとは言えないけれど
滋賀県大津市の地元民でいうところの「瀬田エリア」に位置するパン屋さん「サースフェー」。
日曜日の朝8時。親子連れや若い女性、作業服を着た出勤前らしき男性、様々な方がサースフェーにパンを求めて来店する。
正直いうと、サースフェーがある場所はわかりにくい。車のナビで一発で来れる人は少ないのでは。店の前の道も広くはない、駐車場も狭い。なかなかのマイナス条件だ。しかし、サースフェーのパンの味が「本物」だからお客さんは途切れない。
老舗っぷりはどこにも負けない
私の記憶が正しければ、滋賀県に嫁いだ20年前にはもうすでに老舗中の老舗だった。店構えがとにかく年季が入っていてシブい。
早速中に入ってみた
店内も、「な?言ったとおりだろ?」と言いたくなるような老舗感。
店の奥には、いにしえから数々のパンを並べてきたに決まっているショーケースがある。貫禄を感じる大きなものだ。
ケースの木の温もりと、時代を感じるカレンダーやポスター、たくさんの業務メモ…。
実家に帰った時のような得体のしれない懐かしさを感じることができる。
筆者もサースフェーに来店すると、シルバニアファミリーを狂ったように集めていた時代を思い出し、いつも懐かしさで目頭が熱くなる。
ネーミングセンスが誇れる
今回お邪魔したこの時間はオープン1時間後。多くのパンが買われた後だった。
「でべそ」「カリスマシナモンロール」「しそれんこんしめじ」「安藤なつ」ショーケースのプライスカードを見てみれば、サースフェーはネーミングセンスも超越している。
ちなみに、現在販売している低糖質パンは以前、「まずいパン」という名で売られていた。恐らく理由は一つだが…事情があって改名したようだ。
支払いは現金のみで、レジも申し分なくレトロだ。
通い続ける筆者の推し
筆者はこのレジ付近のコーナーに売っている「もちもちくるみ」の大ファンだ。家に持ち帰るパンとは別に「運転しながら食べる用」として必ず買っている。
どうしても書かなければならない情報ではないのだが、20年以上味が変わらず買い続けているパンなので世界の中心で愛を叫んでみたかった。
これ読んだ人、お試しあれです。でも流行って買えなくなったらやだなぁ。
チルドコーナーは2度見する
筆者がサースフェーでこよなく愛するパンその②は、このチルドコーナー。
どこからどう見てもショーケースはリポビタンD仕様である。2度見しても仕方ない。
ちょ、ファイトイッパーツ!って、どこまで私のハートをくすぐるんだサースフェー。ノリが好きすぎる。そして、一体どこでこのショーケースが買えるのか。
このハード系パンのサンドイッチがまた美味しい。
この日はベーグルサンドが売り切れていて残念だったが、シャバッタサンドも猛烈に好きなので問題はなかった。
ていうか、ボックスサンドも好きだし、食パンのサンドイッチも好きだし。
サースフェーのサンドイッチはどれも美味しい。いわゆる「ハズレ」がない。
天を仰ぐサースフェーのサンド
今回はてりやきチキンのシャバッタサンドを購入。
リスのように両手で持って食べる大きさなので、どんな強面の方でも食べている姿は必ず可愛くなってしまうという魔法のサンドイッチだ。
ひと口目で、パンも具ももろとも口に入れてやろうと試みると、アゴを痛めるので慎重に食べ進めてほしい。
中にはサプライズ感たっぷりにブロックのバターが入っている。シャキシャキした野菜と香ばしいパン、単体でも充分主役が張れるようなしっかりした甘辛い照り焼き、この3つがブロックのバターと混じり合った時、人は天を仰ぐだろう。
私はいつも、この瞬間に神の存在を肯定してしまう。
見た目は老舗だけど、パンはいつでも時代に対して攻めの姿勢を感じる「サースフェー」。これからも愛され続ける超超老舗のパン屋であってほしい。
ちなみに、このサースフェーのパンは遠方の方でも食べることができるのだ。冒頭でもお伝えしたが、滋賀県大津市がパンの消費量日本一に輝いた年に、ふるさと納税の返礼品としてサースフェーのパンの詰め合わせが届くという。楽天から申し込むこともできるので、要チェックだ。
店舗情報
Saas-Fee(サースフェー)【X 】
電話番号:077-543-5895
営業日:火・水・木・金・土・日 07:00 – 19:00
定休日:月