浜松市郊外のはままつフラワーパークでは、猛暑つづきの真夏でも暑さに負けることなく花と緑が楽しめます。
公式サイト内の「只今の見頃」によると夏季の園内で見ることができるのは、キバナコスモスやタイタンビカス、サルスベリなど。
どの花も暑さに強い品種のようですが、それらがどのように咲いているのか気になったので、真夏のはままつフラワーパークへ行きスタッフの方から夏を乗り越える栽培のポイントをお聞きしました。
夏の園内で楽しめる花とは?
1970(昭和45)年の開園以来、はままつフラワーパークは春だけではなく一年を通して季節の花々が織り成す憩いのガーデンとして知られています。
ここで気になったのは、近年の浜松市の夏季が猛暑つづきの毎日だと云うこと。
園内では暑さに強い花が中心となって咲いているようですが、それらはどこでどのように咲いているのでしょうか。
気になったので7月下旬のとある日に園内を歩いてみました。
実際に見た花たち

園内に入ってすぐのウェルカムガーデンは、濃いピンク色をしたサフィニアやハイビスカスに似ているタイタンビカス、ビンカ(ニチニチソウ)などのほか、オレンジ色とレモン色のジニア(ヒャクニチソウ)や薄紫色のアゲラタムなど色とりどり。
プランターに植えられている花が多いのですが、どの花も萎れることなく生き生きと咲いていました。

ウェルカムガーデンから反対側にある大温室へ行くまでの途中では、ピンク色のエキナセアと白いノリウツギなどが。
ここの花も萎れることなく咲いていました。それどころか、花が咲き終わった後の花殻もありません。
雨がロクに降らず暑い日々が続いているのに、これはいったい…。

その先にある同園のマスコットキャラクター「ふらまる」のモザイカルチャーも元気いっぱい!
モザイカルチャーとは、複数種類の花や緑を組み合わせて形を作り上げる立体的造形物のこと。
夏のふらまるはアイビーやベゴニアなど複数種類の組み合わせで形作られていました。
やはりどの花も萎れていない…と思いましたが、よく見るとふらまるの右手(青い鳥を乗せている方)下側部分のモクビャッコウが少し萎れているように見えます。
花壇の水やりも大変なのに、モザイカルチャーのような立体造形物へはもっと大変だよね。どうやって水やりをしているんだろう?
それと同時に、こんなに暑いさなかでも生き生きと咲かせる手入れ法が気になりました。
夏季の栽培方法などをスタッフに聞いてみた!
ふらまるの斜め前は、春になると真っ白な花々で埋め尽くされる「ホワイトガーデン」です。
どのくらい真っ白なのかというと…

藤の花見頃には傘仕立てのシロフジを中心にコデマリや白く艶やかな花びらが特徴なラナンキュラス・ラックス・グレーシスなどが咲き、このくらい真っ白! まさに「白い花畑」でした。

このホワイトガーデンは夏季でも白いのかどうなのか若干心配でしたが、上の画像のように、きちんと白い花を基調にした白い花畑でした。
真夏に咲くよう、白い花を集めるのは大変だっただろうなあ。

そこで思い切って同園のスタッフへ夏に咲く白い花を選ぶのが難しかったかどうかを尋ねると、「ホワイトガーデンに使っているのはノリウツギとアガスターシェ、フロックス、センニチコウなどで、花の選択はそれほど苦労しませんが、夏は高温・強光で傷みやすいので白を維持するのに苦労します」とのお答えをいただきました。
ちなみに夏の高温多湿が苦手なフロックスは、高温多湿への耐性が大幅に改良され、暑さ寒さに強いフロックス・オープニングアクト・ピンクアドットを使用しているそう。
構成植物の耐暑性を調べると、たしかにどの花も耐暑性がありました。
ホワイトガーデンでの花の選び方は分かりましたが、では水やり方法は?
あちこちで稼動しているスプリンクラーは種類いろいろ、潅水チューブの使用も

それは、散水弁があればホースで移動できるタイプのスプリンクラーの活躍によって行われていました。
ボックスの蓋は「量水器」となっていますが、スタッフによると「『量水器』とボックスには表示されていますが、中は散水弁です」とのこと。
園内のスプリンクラーは大多数がこのタイプですが、中には小面積用にと先端の器具が異なるタイプも。

どちらのスプリンクラーも、トトトトト…と軽やかな音を立てながらノズルを動かし散水をしていて、近づくと少しだけ涼しいように感じました。
これなら、どこでも水やりができますね。

けれど、スプリンクラーの水はモザイカルチャーのような立体造形物へは届きません。
仮に手潅水をするとしても、上の画像「森の仲間たち」のように、単体のふらまるよりも大きく複数体集まっている場合にはとてつもなく労力がかかります。
この点をスタッフに伺うと、ふらまるを含めモザイカルチャーは内部に通した潅水チューブを使った自動潅水を行っているそう。

潅水チューブだけでは水が行き渡らない箇所へは、手潅水になるようです。
夏季の強い日差しを浴びても緑豊かな姿なのは、自動潅水のおかげと云えるようです。

花の植え替え時期は年2回。冬春から夏秋は5月中下旬頃に、夏秋から冬春へは12月上中旬頃に植替えするとのことでした。
2月に撮影した上の画像と比べるとシカやクマの模様は同じですが、植えられている植物が異なり、花壇部分も含めてガラリと印象が変わっていますね。

リスのしっぽのフワフワは、カレックス・フロステッドカールで表現しています。これはシカの胸元と同じなんですよ。
夏にしか見られない花が元気いっぱい! はままつフラワーパークで花と緑を楽しもう!


四季咲き性のバラが咲いているローズガーデンでは、株元に黄緑色の葉色が涼しげなコリウスや、薄紫色の小さな花が可愛らしいネペタ(キャットミント)が。
萎れている株がないのはさすがです。

ローズガーデンの隣は全面ガラス張りの大温室クリスタルパレスです。

大温室の内部はイベントコートとサンクンガーデンから成るガーデンシアター、バリガーデン、メキシカンガーデンの3エリアに分かれています。
サンクンガーデンの展示テーマは季節ごとに変わり、今夏のテーマは和風でした。

サンクンガーデン内ではナカフオリヅルランやヤツデ、クロトンなど葉色の美しい植物と、サンタンカやゲンペイカズラ、サンパチェンスなどの花が、丸い提灯や木製の縁台と一体になって和の雰囲気を醸し出しているよう。
大温室内は空調の都合から、寒い季節は暖かく暑い季節には涼しい環境です。
テーブルと丸椅子のセットもいくつかあるので、休憩にはピッタリ。

イベントコートでは、毎年、子どもたちの夏休みに合わせて開催される特別展示「不思議な植物の世界」に魅入る方の姿も。

熱帯植物が生い茂るバリガーデンは、ガーデンシアターと扉を隔てた先に。
ここではハイビスカスや鮮やかな紅色が目を惹くベニヒモノキなどの花のほか、バナナの実を楽しむことができました。
上の画像はマレー半島やインド諸島に分布する熱帯植物のベニヒモノキです。
紅色をした細長い穂状花が紅紐に似ていることから名前がついたそう。

さらに進むと、「↑バナナ‘アエアエ’(斑入りバナナ) 実がなっています」の案内板が。
そこで見上げると、葉だけでなく皮の部分にも縞が入る品種のバナナ・アエアエの実が実りつつありました。
スタッフによると「バナナの斑入り種は珍しく、かつてハワイでは王様しか食べることができなかったんですよ」。
どのような味なのか気になりますね。

今まで紹介した植物以外にも、夏季の園内では生き生きとしたさまざまな花や緑が花壇を彩っていました。
たとえば噴水池を見下ろす花壇にはコリウスやアゲラタム、白と赤のビンカのほか、背の高いアガスターシェなどが。

ホワイトガーデンの向かい側にある宿根草ガーデン「はなのはら」では、ワレモコウやオミナエシ、カラマグロスティスなどを見ることができました。
ちなみに花殻摘みは、作業の段取り都合から時間帯に関係なく行っているとのこと。
そして「根張りが十分行われない花壇では、水切れしないよう注意しています。そのうえで、生長が早いものは他種とのバランスや株のリフレッシュ、蒸れ予防のため、早めに切り戻しているんですよ」と教えていただきました。
自宅の花壇でも夏季に生き生きとした花を見ることができるヒントになりそうです。
はままつフラワーパークは7・8月は入園無料(駐車場は有料・乗用車は1台200円)。
料金変動制のため9月からは有料になりますが、残暑が残る季節に同園で花と緑の充電をしてみませんか?
<基本情報(施設情報)>
施設名:はままつフラワーパーク
所在地:浜松市中央区(旧西区)舘山寺町195
電話番号:053-487-0511
開園時間:季節変動制につき公式サイト参照
入 園 料:季節変動制につき公式サイト参照
休 園 日:なし ※※12月29日~31日は施設点検のため臨時休園
駐 車 場:あり(有料・1台200円)
公式サイト:はままつフラワーパークの公式サイト (外部リンク)
2026年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。




