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もの・こと  |    2026.04.17

【ハッピー製菓調理専門学校】千葉開府900年をお祝いする学生の挑戦|ケーキが表現する千葉の未来と歴史

2026年に千葉市が迎える千葉開府900年をお祝いするために、千葉市にあるハッピー製菓調理専門学校の学生たちがレシピコンテストに挑みました。1126年に千葉常重が亥鼻(千葉市中央区)の地に本拠を移してから続く長い歴史を学び、学生たちはその情熱をケーキという形に表現しました。会場は学生の緊張感と先生方の熱い眼差しに包まれ、独創的なアイデアが形になる姿は驚きや感動の連続でした。

レシピコンテストについて

今回のコンテストは、1126年の千葉開府から900年という歴史的な節目である「千葉開府900年」を祝う記念事業の一環として開催されました。

千葉開府900年について、詳しくはこちらの記事をご確認ください。

この大きな節目に際し、実践的な教育で食のプロを育成するハッピー製菓調理専門学校が全面的に協力し、学生たちが千葉市の未来を表現することとなりました。

ハッピー製菓調理専門学校についても取材させていただいています。

コンテストは昨年12月4日と5日の2日間にわたって開催され、計20グループが参加しました。当日は先生による挨拶が行われた後、10のチームがそれぞれのテーブルに分かれ、いよいよ審査がスタートしました。

審査員が各テーブルを順に回り、学生に自らの作品に込めた想いや工夫を直接聞いていきます。それぞれのチームで特色があって、また熱が伝わってきました。10チームあったのであまり時間はなかったのですが、もっとゆっくり聞いていたいくらい素敵なお話をしてくれました。

コンテストでは見た目の美しさだけでなく、実際に試食を繰り返しながら、味の完成度やテーマとの整合性において審査されました。最終的に投票の結果を基にして、それぞれの日に選ばれた代表1グループが入賞となります。

厳正なる審査の結果、選ばれた2つのグループ

初日の投票結果(回答数:48件)

1. 見た目が好きなムースはどれですか?

  • 1位:A組 9班(18.8%) 
  • 2位:A組 3班(16.8%)
  • 3位:A組 6班(14.6%)
  • 3位:A組 1班(14.6%)

2. あなたにとって一番、美味しかったムースはどれですか?

  • 1位:A組 6班(25%)
  • 2位:A組 3班(18.8%)
  • 3位:A組 8班(14.6%)

3. 千葉開府900年のテーマに沿うムースはどれですか?

  • 1位:A組 9班(20.8%) 
  • 2位:A組 5班(18.8%)
  • 3位:A組 1班(16.7%)

【結果】以上の結果から、入賞はA組9班になります。

2日目の投票結果(回答数:46件)

1. 見た目が好きなムースはどれですか?

  • 1位:B組 5班(30.4%)
  • 2位:B組 6班(17.4%)
  • 3位:B組 3班(15.2%)

2. あなたにとって一番、美味しかったムースはどれですか?

  • 1位:B組 9班(26.1%) 
  • 2位:B組 1班(21.7%)
  • 3位:B組 7班(13%)
  • 3位:B組 3班(13%)

3. 千葉開府900年のテーマに沿うムースはどれですか?

  • 1位:B組 4班(23.9%)
  • 2位:B組 10班(21.7%) 
  • 3位:B組 2班(15.2%)

【結果】判断は難しいですが、千葉開府900年のテーマに沿う票が多かったため、入賞はB組4班になります。

入賞した2作品:千葉への愛と気配りの結晶

今回入賞した2チームの作品には、千葉への深い愛と、食べる人への細やかな気配りが凝縮されていました。

【A組9班】作品タイトル:「心に秘めた熱い思い」

このタイトルには、千葉開府900年に向けて尽力する人々の情熱を紹介するという、力強いメッセージが込められています。 見た目の華やかさはもちろん、幾重にも重なる味のハーモニーが特徴的です。

艶やかなキャラメルグラサージュが美しくかかった外観は非常にお洒落で、ひとたび口に運べば、バナナムースの優しい甘さとキャラメルのほろ苦さが見事なバランスで広がります。

最大のこだわりは、千葉名物である落花生の使い方です。外側だけでなく、中層のチョコクランチやババロアの中からも落花生が登場します。ラズベリージュレの鮮やかな酸味がアクセントとなり、食べ進めるごとに現れる落花生の食感は、まさに秘めた千葉の良さを象徴しているかのようです。見た目の可愛さや華やかさ、素材のバランスを兼ね備えたケーキです。

入賞者にコメントを頂きました。そのまま抜粋します。

まさか自分達のレシピがみんなに認めてもらえるとは思っていなかったので、驚きが大きかったです。ですが、テーマやケーキの味、見た目を自分達なりに、一生懸命考えその成果が出たことはとても嬉しいです。

二年生の販売に向けて、クラスー丸となって良いケーキを作ることができるように皆で頑張りたいです。

【B組4班】テーマ:「つながるケーキ」

4班の学生たちは、第4次千葉市食育推進計画の「子どもから大人まで一人ひとりが食を大切にする」という市の取り組みに共感し、メッセージ性の強い作品を作り上げました。 モチーフにしたのは、千葉が誇るオオガハスです。レモンムースの鮮やかな黄色といちごムースの赤によるグラデーションが可愛らしく、添えられた緑のホワイトチョコが完璧なアクセントとなっています。

特にこだわったのは、あらゆる世代への優しさです。小さなお子様からご年配の方まで誰もが美味しく食べられるよう、あえて固い素材を使わず、なめらかな口当たりを追求しました。チョコなどの親しみやすい味をベースに、レモンの爽やかな酸味が重なり、飽きのこない仕上がりとなっています。

さらに、職人さながらの技術で表現された美しい曲線のホワイトチョコは、見るだけで惹きつけられる魅力があります。まさに食育という未来へのバトンをケーキで表現した、心のこもった力作といえるでしょう。 

入賞者のコメントはこちら。

この度、千葉開府900年という一大イベントの中で一つ、自分たちが作り出したケーキが入賞、販売されることが決まり、とても喜ばしく思います。

販売するにあたり、買っていただいた方はもちろん、一緒に作るクラスメイトたちにも思いが届くように全力で取り組んでいきたいと思います。

学生たちが表現した「千葉市」:全作品に込められたこだわり

今回のコンテストでは、全学生が「千葉市」や「開府900年」という難しいテーマに正面から向き合い、驚くほど多彩なアプローチを見せてくれました。それぞれの作品に込められた、具体的な工夫と情熱を紹介します。

まずは、ストレートに開府900年をお祝いするメッセージを添えた作品です。目を引く星型の可愛らしさもさることながら、ほうじ茶とチョコレート、そしてアプリコットを組み合わせることで、苦み・甘味・酸味が絶妙に調和した奥深い味わいに仕上げていました。

【歴史と自然を紡ぐ独創的なアイデア】

多くのチームが着目したのは、千葉市の花でもあるオオガハスや豊かな自然の風景です。 ある作品では、オオガハスの清らかなイメージを、ビスキュイジュレによる酸味、そしてチョコの深い甘みを共存させることで表現しました。

また、バラが香る紅茶のムースに抹茶を合わせ、香り高い余韻にまでこだわった一品など、味の構成も非常にハイレベルなものが目立ちました。

視点はさらに、千葉の土地そのものにも向けられます。地層をグラサージュで見事に再現し、千葉の新たな歩みを象徴させたケーキは、コーヒーをベースにしながらも、オレンジやヨーグルトを合わせることで、誰もが食べやすい爽やかな仕上がりとなっていました。

さらに、多種多様な花が咲き誇る千葉を、市内に摘み取り園が多いブルーベリーで表現した作品も登場。ビスキュイを波立たせて千葉の海を表現するなど、細部へのこだわりには、単なるスイーツの枠を超えた深いストーリー性を感じずにはいられません。

千葉の豊かな自然を濃厚な抹茶ムースで表現した作品は、月や花などのデコレーションがあしらわれ、可愛らしくも細やかな工夫が光る一品でした。その中には、なめらかなキャラメルブリュレといちごの果肉入りピューレ、そしてチョコスポンジが層を成しています。

外側はチョコのグラサージュでおおわれていますが、中は抹茶といちごムースになっています。また、センターにいちごムースといちごジュレ、上にはいちごフレークがかかっておりオオガハスをイメージしています。

【お祝いの心と「紅白」の演出】

900年という節目の年に相応しい、「紅白」の演出も会場を彩りました。 まずは、フランボワーズとクリームチーズのムースでお祝いのメッセージを届けた作品です。紅白の対比もさることながら、ホワイトチョコで精巧に作られたオオガハスが添えられ、圧倒的な存在感を放っていました。

同じ紅白をテーマにしながらも、こちらはラズベリーのグラサージュとホワイトチョコムースで表現した一品です。中にはレモンジュレやジャム、さらにはババロアを忍ばせるなどレモンづくしの構成になっており、目の覚めるような爽やかな酸味を楽しめる仕上がりとなっていました。

一方、全体を柔らかなピンクと白でまとめ、優雅な紅白を表現した作品も目を引きます。バニラといちごの2種類のババロアをベースに、表面は艶やかなグラサージュで仕上げられています。特筆すべきは、理想の真っ白を追求するために、あえてホワイトチョコではなく練乳を使用している点です。こうした素材選びの妥協なきこだわりには驚かされます。

桃とココナッツで優しげな紅白を表現し、千葉市の春の四季の花である「ハナナ」を添えた作品も登場。ハナナの花言葉である「平和」や「小さな幸せ」に、千葉市の将来を願う学生たちの優しさが込められており、その温かな想いがケーキを通じて真っ直ぐに伝わってきました。

そして、ジュレやフランボワーズ、ババロアを多層的に使い、独自の紅白を描き出した作品も印象的です。こちらには、千葉の名産であるピーナッツや、緑豊かな自然を象徴するピスタチオのムースを取り入れているのが大きなポイントです。ピスタチオとホワイトチョコが織りなす、まろやかでコクのある味わいが深い満足感を与えてくれました。

中には、千葉のイメージカラーとして挑戦心の赤をグラサージュやいちごムース、ローズジュレなどで表現している班もありました。また、千葉の明るさや人々の明るさも伝わってきます。ホイップクリームを使った軽いムースであるため、老若男女問わず食べやすく優しさも感じるケーキです。

【和洋の融合と900年の重み】

和と洋のコラボレーションに挑んだチームも印象的です。こしあん、きな粉、白玉、抹茶といった和の素材に、バニラやいちごジュレといった洋の素材を融合しています。抹茶の緑は千葉市の自然を、いちごの赤は海岸線から見える夕日を表現しており、斬新なアイデアが光ります。

また、断面につぶあんとカスタードのムースが美しく重ねられ、見事な調和を生み出していた作品もありました。ケーキの上に誇らしく飾られた千葉氏の家紋である月星紋のチョコレートや、千葉の海の波を表現している部分からは、開府900年を祝う強いメッセージが感じられます。

また、900年という歴史の重みに合わせ、贅沢に9層を重ね上げた力作も登場しました。キャラメルの苦味やフランボワーズの酸味を幾層にも重ね、食べる人に幸せを届ける、複雑で豊かな味わいを実現しています。

【多様性と「食育」への深い配慮】

特筆すべきは、学生たちが技術だけでなく、食べる人への優しさを形にしていた点です。 第4次千葉市食育推進計画を読み込み、子どもから高齢者までが食を大切にする姿勢を学んだチームは、オオガハスのグラデーションを美しく再現しつつ、なめらかな口当たりで誰にでも食べやすい工夫を凝らしています。

 参考:千葉市食育推進計画

また、外側に菜の花をイメージしたビスキュイをあしらった可愛らしい作品には、小さなお子さんが自ら「食べたい!」と声をあげてほしいという願いが込められています。見た目の愛らしさと健康への配慮、そして美味しさが見事に共存したケーキです。

さらに、小麦粉の代わりに米粉でビスキュイを焼き上げるなど、グルテンフリーへの挑戦も多く見られました。こちらの作品には、子どもから高齢者、そして海外の方まで、多様な人々が同じように美味しさを分かち合えるようにという願いが込められていました。それはまさに、あらゆる人々を受け入れる千葉市の心の広さを体現したような、温かな気遣いに満ちた一皿です。

専門学校と市役所の連携が届ける千葉市の未来

今回のプロジェクトの成功を支えたのは、ハッピー製菓調理専門学校の徹底した実践教育です。コンテストに先立って行われた千葉市都市アイデンティティ推進課による特別講義によって、学生たちは事前に千葉開府の歴史的背景や行政としての意図を深く学びました。

行政と専門学校が同じ方向を向き、知識を共有した上で挑むこの体制こそが、学生たちが地域の一員として真摯に歴史を継承する素晴らしい姿勢を生み出しています。入賞は2チームとなりましたが、今後は学校全体が一丸となって、この2つのケーキの販売を成功させるための挑戦が始まります。学生たちが生み出した素晴らしいアイデアがプロの技術で形になることは、千葉市の未来を明るく照らすきっかけとなるでしょう。

2026年はHappyCafeへぜひお越しください!

入賞作品は、学生が「作る」から「売る」までを実践的に学ぶ販売実習の場HappyCafeにて、2026年5月に期間限定で販売されます。

【HappyCafeの魅力】 

ハッピー製菓調理専門学校の1Fには、学生たちが作るケーキ、焼き菓子、パンなどが並びます。接客から商品説明、会計までを学生自らが担当し、実際のお客様と触れ合うHappyCafeは、若き才能たちが大きく成長する大切な場所です。

行政と学校が思いを一つにして作り上げた、千葉への愛が詰まった特別なケーキ。その感動を味わいに、ぜひHappyCafeへお越しください。

2026年3月12日追記 

販売日が次のように決定いたしました。

  • 5月22日B組 
  • 5月27日A組 

学校全体で「千葉開府900年」を応援

学生たちが千葉の取り組みを調べ、歴史を理解し、生み出した素晴らしいアイデア。それがプロの手を借りてまちの人々に届くことは、千葉開府900年という大きな節目を象徴する出来事になるでしょう。若き才能たちが紡ぐ千葉の物語を、私たちはこれからも全力で応援していきます。

今回の取材を通して、学生たちの千葉を想う熱量に圧倒されました。難しいテーマに対し、食育計画などの行政の活動まで調べ上げ、それを美味しいという感動に変換する取り組みは素晴らしいものでした。

HappyCafeでの販売に向けた準備はもちろん、学生たちの次なる取り組み、そして千葉開府900年に向けたまちの盛り上がりについても、今後継続して取材を続けてまいります。

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この記事を書いた人

くま

個人事業主としてWebライター、デザイナー、翻訳、司会業などをして5年目になります。 いろいろな地域で出会った風景、グルメ、そのほか文化に関連することなどを紹介していきます。 メインは千葉県ですが、仕事やプライベートでよく行く場所のおすすめも発信していきますね。

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