「物が多ければ多いほど、ワクワクするんです」
そう話すのは“汚部屋のお片付け”を仕事にしている”みったん”です。ご本人曰く「ゴミ屋敷ではなく、物が多く収納しきれていないお部屋を見るとときめいてしまう」とのこと。
Instagramにはビフォーアフターの写真を投稿しており「見たらスッキリする!」と注目度上昇中です。
そんなみったんに、汚部屋片付けの実際や届けたい想いを伺いました。
汚部屋のお片付けをはじめたきっかけ

ーー札幌市在住で2児の子育て真っ最中のみったん。『人の部屋を片付ける』デリケートな部分に触れる仕事に挑戦したきっかけは”好き”という気持ちからだったとのこと。
「物が多くて溢れている部屋を見ると、ものすごくときめくんですよ。ワクワクが止まらなくなります(笑)。ご依頼者さまにも、汚部屋を見たときに『目がキラキラしてる』と言われました。それくらい汚部屋が大好きなんです」
ーー純粋に”好き”なことが伝わります!汚部屋のお片付けの仕事をしたいと思ったきっかけはなんですか?
「何をしたいか考えたときに、汚部屋のお片付けがただただ好きだと思いました。仕事としてやっていくのは簡単ではないし、繊細で大変なこともある。それでも、汚部屋に住む人が過ごしやすい世の中になってほしい気持ちから、お片付けの仕事をしています」
「汚部屋のお片付け」はどんな仕事?

ーー汚部屋のお片付けは、どのようなお仕事なのか教えてください。汚部屋はゴミ屋敷のようなお部屋とは違うとのことですが、どんな部屋が『汚部屋」でしょうか?
「汚部屋とは”物が多くて生活しづらくなっているお部屋”のことです。よく勘違いされがちですが、ハウスクリーニングやゴミ屋敷の清掃とは違います。拭き掃除や掃き掃除ではなく『溢れかえった物のお片付けや見直しのサポート』が私の仕事です」
ーー清掃業者との違いはありますか?
「清掃業者だと『全部ゴミを持って行ってください』とお願いする人も多いです。それだとまた同じ状態に戻ってしまう可能性が高い。私のやり方は、依頼者さまと一緒に判断することなんです。そうすることで、“リバウンドしない片付け”が実現できると考えています」
ーーみったんは依頼者と一緒に1つずつ物を手に取り「必要かどうか」を考えるというスタイルです。5時間以上のプランで部屋数のしばりはなく、時間内にできるだけのお片付けができるシステム。あくまでも「お片付け」を専門としており、依頼者の判断を最優先にして作業を進めているとのこと。
「ご依頼者さまに”必要なのか”考えていただいていますね。私はあくまでもお片付けがしやすいようサポートいたします。ご依頼者さまと一緒に物を全部並べて、必要な物を使いやすいように収納したり、不要なものを分別しゴミとして出せるようにしたり。ご依頼者さまが”物の判断”に集中できるよう他の作業を行い、お片付けを支えるような役割です」
ーーお片付けをするのに大変なのは、”必要””不要”な物を分けてそれぞれ収納や処分の作業をするところ。その部分をみったんが手厚くサポートしてくれるのは、とても助かりますね。
大切にしている“お片付け”への想い

ーー”お片付け”は、依頼者が『本当は隠したい』プライバシーな部分に寄り添う事業。繊細な仕事だからこそ、みったんが大切にしている想いを教えてください。
「”ご依頼者さまと一緒に考えること”を大切にしています。ご依頼者さまがどうなりたいかを必ず事前に伺い、”汚部屋を変えたい”気持ちに寄り添いつつお片付けをしやすいようサポートさせていただいています」
ーー片付けスタイルも依頼者に合わせて柔軟に対応してくださるとのこと。事前相談やお片付けの時間に関わるなかで、どのようなやり方がいいか瞬時に判断しているそうです。
「ご依頼者さまによって、会話しながら進めたい人、黙々と作業したい人、迷っているものがあれば背中を押してほしい人……人それぞれの気持ちに寄り添うよう心がけています。お片付けの時間を苦痛に思ってほしくないので、充実した時間を過ごせるような関わりをさせていただきます」
ーー汚部屋は、本来は人に見られたくない部分と思っている方が圧倒的に多いですよね。
「ご依頼者さまは、ものすごい勇気を振り絞って依頼をしてくださっていると思います。本当は隠したい、でもキレイにしたい。そのお気持ちに、最大限寄り添いたいんですよね」
ーー元々苦手なお片付けをするのは大変なこと。みったんの細やかな気配りが、依頼者の安心に繋がっているのでしょうね。
「汚部屋を私に見せて、一緒に片付けて。ご依頼者さまは、終わったあとにものすごい疲労感がやってきます。なので、お片付けの日の夜ご飯は買うかあらかじめ用意しておくなど、とことん楽をしてください!と伝えています」
ーー夜ご飯を簡単にする、そう言ってもらえると依頼者の心も軽くなる気がします。
片付けの先にある“暮らしの変化”

ーーお片付けをして物を見直す過程では、40Lのゴミ袋が20袋近く出ることもあると伺いました。
「こんなに物を持っていたのか!と驚かれる方が多いです。自分がどれほどの量の物を溜めているのか、気づいていない方は少なくありません。”いつか使う”と思っていても使わない物を見直すだけでスッキリします」
ーー部屋の景色も大きく変化するでしょうね。汚部屋が片付いた後、依頼した方がどんな反応をなさるのか気になります。
「片付いた後のお部屋でご依頼者さまの表情が明るくなり、お部屋の空気まで変わっていきますね。私も本当に嬉しくなります。印象的だったのは『片付けたらご依頼者さまのご主人が喜んでいた』というお声が想像以上に多かったこと。ご依頼は女性が多いものの、家族全体が過ごしやすくなることで笑顔が増えるのが、片付けの魅力だと思っています」
ーー「次はみったんいつ来るの?」と次回のお片付けを楽しみに待つご家族も多いのだとか。それくらい見た目も気持ちもスッキリするのが魅力のひとつなのでしょう。
「汚部屋」に住む人が過ごしやすくなるお手伝いがしたい

ーー汚部屋というと「恥ずかしい」「人に見せられない」と感じてしまう方も多いのが実情。そんな汚部屋さんに伝えたいことはありますか?
「プライベートな部分をオープンにするのは、勇気がいると思います。”引かれたらどうしよう…”とおっしゃっる方もいらっしゃいますが、私はまったく引きません。むしろワクワクします!勇気を出して見せてくれたその気持ちがうれしいです」
ーー部屋が片付かないことはどうしても後ろめたいと思ってしまいがちです。現代は、”実は汚部屋”の方が少なくないのだとか。
「汚部屋に悩んでいる人って、実はすごく多いんです。でも、なかなか声を上げられない。私は、そんな方々が生きやすくなるお手伝いがしたいです。どうにかしたいけれど自分では手に負えない。そんな方はぜひお声掛けください!」
ーーご縁に恵まれたおかげでたくさんの方に助けてもらったからこそ、今度は自分が誰かを支えたい!と教えてくれたみったん。その気持ちが、今日もどこかの“汚部屋”を明るく照らしているでしょう。貴重なお話をありがとうございました。