
2025年11月、横浜の相鉄線の沿線「天王町駅」から「星川駅」にかけて、4人の次世代のアーティストによるパブリックアート展「保土ケ谷高架下ART LINE 2025」が開催されました。
高架下を中心に期間限定でアートが楽しめるだけでなく、さまざまなイベントも連動して開催されています。
なかでも作品を制作したアーティストさんの解説が聞ける「アーティストガイドウォーク」は、人気のイベント。
今回は、「保土ケ谷高架下ART LINE 2025」の人気イベント「アーティストガイドウォーク」の模様を2回にわたり紹介します!
「保土ケ谷高架下ART LINE 2025」とは

「保土ケ谷高架下ART LINE 2025」は、2025年10月31日から11月30日まで開催されたパブリックアート展です。
横浜・天王町にあるクリエイター向けコワーキングスペース「PILE – A collaborative studio -」(以下、PILE)が主催している次世代アーティスト支援プログラム「PUSH FOR CREATION(P4C)」で選出されたアーティストが、天王町駅から星川駅までの高架下にアート作品を展示します。

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今年は下記の4名の方が選出。
- 遠峯未来
- 犬山さき
- SAKANAGI
- 八花千ゐ代
約1ヶ月にわたり、4名の作品が楽しめるだけでなく、開催期間中はアーティストさんと対話もできるプログラムもあります。そのプログラムのひとつ、「アーティストガイドウォーク」に参加しました。
「アーティストガイドウォーク」スタート!

2025年11月15日土曜日、13時にスタート。この日はお天気にも恵まれ、絶好のウォーキング日和。
また、周辺では別のイベントも開催されており、天王町駅周辺から高架下施設「星天qlay」にかけて、にぎやかな雰囲気です。

コワーキングスペース「PILE」には、イベントに参加される方約15名が集まっています。小学生から大人まで、幅広い世代の方が集合。

「PILE」の代表•津田賀央(よしお)さん(以下、津田さん)の挨拶とアーティストさんの紹介、諸注意の説明後、「PILE」を出ると早速ひとつめのアートが出現します。
高架下に広がる帷子川の世界

「PILE」のすぐそばの柱に描かれているのは遠峯未来さんの作品。
今回の展示では横浜市内を流れる帷子川(かたびらがわ)をテーマに川に暮らす生き物たちを調査し、見つかった場所の地図の上に生物を描く作品を展示。
約30メートルの柱のひとつひとつに魚やサワガニ、鳥などの絵がかわいく描かれています。

この日、遠峯さんは体調が悪く欠席されたので、代わりに「PILE」代表の津田さんが、作品や遠峯さんのプロフィールなどを紹介。
無機質なグレイの柱に色鮮やかな川のブルーと生き物たちが乗っかることで、周辺がパッと明るい印象に変わります。

私のイメージですが、帷子川は都会を流れている川であることもあって、生き物が住んでいるのが想像できなかったのですが、実は豊かな川であることがわかりました。
川に住んでいる生き物たちがかわいく、イキイキと描かれた作品から遠峯未来さんのやさしさやこのエリアへの深い愛情が感じられます。
天王町と「東海道五十三次」の今が融合

続いては、SAKANAGIさんの作品。遠峯未来さんの作品が並ぶエリアから、少し歩いた交差点付近の大きな柱の表と裏、側面に描かれています。
SAKANAGIさんは、相鉄線の車両を龍に見立て、天王町駅周辺や浮世絵の「東海道五十三次」の保土ケ谷宿をモチーフに過去と現在が融合した作品を展示。

制作秘話として、天王町周辺に残る民話などを作品に織り交ぜたことや制作中に苦労したことなどを語っていました。

SAKANAGIさんは、千葉県出身ですが保土ケ谷近辺の民話や絵画などにも詳しく、古典作品とかわいらしい現代アートを融合させています。

大きな壁に描かれた個性的でかわいいアートから、遠峯未来さんの作品同様にこの街に対する愛を感じます。
青ペンで描く、心模様

「星川駅」方向に向かって歩き、交差点を越えたところ、芝生広場に展示されているのは、青の線が印象的な犬山さきさんの作品。
犬山さんは会社員生活を経て、2023年から本格的にアーティスト活動を開始。

遠峯未来さん、SAKANAGIさんの作品とはまた違って、犬山さんの内面を描いた日記が中心です。
会社員時代に通勤電車のなかで、日々感じたことを絵で表現したことが、作品づくりのきっかけになっているそうです。

犬山さん自身が通勤電車のなかで見た世界や感じたこと。友達の話を聞いて思ったこと。雨のなか、歩いて三浦まで旅にでた日のことなどを表現。

この日は別のイベント「星天qlay フェス」も重なり、すべての作品を間近で鑑賞することはできませんでしたが、青ペンのみで描かれる線画タッチの作品が印象的で、犬山さんの心の豊かさを垣間見ているような感覚になりました。
まとめ

2025年11月15日に横浜•天王町駅周辺で開催された「保土ケ谷高架下ART LINE 2025 アーティストガイドウォーク」。
2時間にわたり、天王町駅、星川駅周辺の高架下に展示されたパブリックアートを作者とまわる旅は後編に続きます。
取材場所:PILE – A collaborative studio –
相鉄線天王町駅・星川駅高架下
住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区神戸町134-9 星天qlayD-2
アクセス:相鉄線「天王町駅」から徒歩で約1分
営業時間: 24時間
スタッフ常駐時間 月-金 10時 ~18時
土日 10時 ~17時
定休日:祝日
ホームページ:https://pile.yokohama/
Instagram アカウント:@pile_yokohama
※休館日やイベントは変更となる場合がありますので、最新の情報は公式ホームページ、SNS等をご確認ください。
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