前編では店主の中山さんがコワーキングス喫茶「cosoadot」を開いたきっかけを取り上げました。後編ではそこから広がった取り組みについて紹介します。
コロナでイベントが開けない!手作り品の委託販売へ
「お店を始めた当時は2019年、コロナが流行る前です。
当時はお店の認知のためにも手作りグッズなどを販売する小さなマルシェを開いたりしていました。
それがコロナになり、イベントが開けなくなったときに、手作りマスクを置いてくれないかという話があったのです。そこから話が広がって、手作り品の委託販売コーナーができあがりました」
今では「新しい商品がないかしら」と、近所の人が楽しみにのぞきに来るそうです。
こちらではポシェットやお財布などの革製品も売ってます。
パンの一時販売からおやつの販売店舗「Yotte」がオープン
店内にはレンタルキッチンがあります。
ある日、パン職人の方にキッチンをお貸しして焼いていただいたパンをお店で販売したところ、すぐ完売になり、大好評だったそう。
このことがきっかけになり、cosoadotの横にパンやお菓子のシェア店舗「日がわりおやつ Yotte(ヨッテ)」をオープンすることになりました。人づてやイベント、SNSなどからつながった方たちが日替わりで色々なおやつを作っています。
今回はマフィンが販売されていました。
プレーンやアールグレイ、チョコチップなどのマフィン。どれも美味しそうで迷ってしまいます。
こちらで販売しているものは「cosoadot」で持ち込んで食べることもできます。周辺に手作りのお菓子を販売しているスイーツショップが少ないこともあり「今日はどんなお菓子を売っているの」と、近所の方が楽しみにしているそうです。
レンタルキッチンを借りる方は、Yotteで販売する方もいれば、キッチンカーや通信販売で売るなど、さまざまな形態の販売に利用しているとか。
お菓子を製造・販売するには、「菓子製造業許可」を取る必要があるそうです。シンクが2槽、区切られた空間など、自宅で取得するには条件が難しいため、製造許可のあるレンタルキッチンを借りて製造・販売する必要があります。
お店でお菓子を販売したい、という夢のお手伝いもされているんですね。
Yotteのおやつは日替わりです。いつどんなおやつが販売されるかはカレンダーに記載されています。今日は何のおやつが販売されるか、チェックするのも楽しみです。
フードロス解消にもなる安心・安全なペットのおやつ「Picnic」
さらに、地域でのつながりから生まれた商品があります。
それは「Picnic」というペットのおやつです。
この商品は
・取れ過ぎや育ちすぎの規格外野菜をどうにかしたい農家さん
・産業廃棄せざるを得ないおからをどうにかしたいお豆腐屋さん
とのつながりから生まれた商品。
基本の原材料はおから・米粉・米麹甘酒・米ぬか・米油などのオーガニックなもの。形状や大きさ・固さなども獣医さんが監修しているので安心してペットに食べさせられます。人が食べても大丈夫なおやつだそう。
南町田ではペットを飼っている人が多いので「ペットにはオーガニックなものを食べさせたい」という飼い主さんに好評です。
フードロスの解決策とペットの多い街の需要もマッチさせたペットのおやつ「Picnic」。
中山さんの夢は、この商品を町田の名産品に登録させ、ゆくゆくは障がいのある方が製造に関わるような商品に発展させることだそうです。
地域の問い合わせでお店の取り組みが広がる
委託販売も、Yotteのお店も、地域の方の「こんなことできますか」という問い合わせに答えていったらどんどん展開していった話だそうです。
「決まりごとがなかったので、試行錯誤しながらやりたいことのお手伝いをしてきました。価格設定も、その都度利用者さんと相談しながら決めています」
今では、南町田グランベリーパーク直結のの鶴間公園で「BEER&CAFEつるま食堂」というカフェダイニングをオープンし、公園を訪れる方々の憩いの場所になっているほか、毎年何回か鶴間公園で開催される大型イベントや、夏休みの体験講座などの企画もしているそう。中山さんを中心に、面白いことがどんどんつながっているようです。まさしく街のコーディネーターですね。
人と人とのつながりを大切にしている中山さんが作ったコワーキング喫茶「cosoadot」。
南町田にお越しの際はぜひYotteでおやつを買って、cosoadotでまったりした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
お店の情報
町田市南町田1-4-9
駐車場あり
営業時間:平日9:00~18:00
※上記以外は貸し切りイベントスペースとして営業