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もの・こと  |    2026.05.22

マニア魂から生まれた「30年前ってこんなんやっ展」に見るあの頃の千里ニュータウン|大阪府吹田市【前編】

吹田市立千里ニュータウン情報館で開催中の「30年前ってこんなんやっ展(てん)」。1990年代の新聞折り込みチラシや電車の時刻表などの展示を通して、当時の千里ニュータウンの“ちょっと懐かしい姿に迫るというユニークな企画を取材しました。

企画者の方にお聞きした展示の見どころや、千里ニュータウンの団地の魅力を前後編にわたってお届けします。

“団地マニア”の発案からスタート

本展示を企画されたのは「千里団好部(せんりだんすぶ)」48号棟さん。SNSを中心に7年ほど前から団地の魅力を発信する活動をされています。

千里ニュータウン情報館では過去に何度かイベントを企画されていますが、展示は今回が初めて。2023年に同情報館で開催した“団地ファンミーティング”で「行きたかったけど仕事で行けない」という方がいて、展示ならいつでも楽しんでもらえるのでは、という思いから今回の展示を企画したそう。

千里ニュータウン情報館の曽谷さんとともに、鉄道マニアの方などにも声をかけ、みんなで形づくりながら今回の展示が実現しました。

展示の中心は折り込みチラシ?!

今回の展示資料の中で最も多いのが折り込みチラシ。といっても、ただのチラシではありません。全て1994年~1995年頃に千里ニュータウン地区に配布された、今となっては入手困難なものばかり。

今はなき店舗のチラシがたくさん

チラシは48号棟さんが知人の家の片付けを手伝った際に偶然出てきたもので、「ええもん見つけた!」ともらってきたそうです。興味のない人ならつい捨ててしまいそうなものですが、マニア魂があればこそ、このチラシが今回の展示につながったのですね。

平成感あふれるチラシとともに筆者が心をつかまれたのが展示解説のキャプション。48号棟さんの鋭いツッコミやマニアックな感想が随所に貼られていて、まるでお話を聞きながら一緒に展示を見ているような感覚に。

筆者イチオシ「北町市場」のチラシ。今はない専門店の宣伝が手書きで書かれていて味わい深い。
北町市場で開催されていた健康器具販売のチラシ

ツッコミどころ満載!?の丹波の別荘のチラシは、ぜひ現物を見ていただきたい一品。当時はまだ別荘の需要があったようで、バブルの名残を感じさせます。

笑いをこらえながら読むこと必至のチラシとキャプション

30年前を知る貴重なお宝がずらり

ガラスケースには、大阪府営住宅で実際に使われていたインターホンから、なつかしのゲーム機まで、当時の千里の暮らしを偲ばせるお宝が見られます。

奥に展示されているピンク色のケースには「9組」の文字が。当時の千里ニュータウン内の小学校で使われていたものと思われるケースからは、まだまだ活気にあふれていた千里ニュータウンの学校の規模感をうかがい知ることができます。

「千里タイムズ社創刊30周年壁掛け時計」には、千里ニュータウンの各住区の入居年が刻まれています。48号棟さんいわく「反時計回りに開発された千里ニュータウンと、時計回りに進む針の融合がたまらん!」そう。マニアの視点を通して見ると、単なる思い出の品にとどまらず、新たな発見があることに気付かされました。

鉄道マニアから見た「30年前の阪急千里線」

今回の展示には、鉄道マニアの方も協力者として参加されています。
こちらのガラスケースの展示を担当したのは、阪急電車をメインに鉄道好きとして活動されている妙見口ラインさんと林宏祐(はやしこうすけ)さん。

阪急電車のヘッドマークを模した鉄製のミニチュアグッズや記念切符、実際に車両で使われていた方向幕などマニア垂涎のアイテムが並びます。

妙見口ラインさんが子どもの頃に乗ったという阪急電車1010系車両引退イベントの記念切符を特別に見せていただきました。
「当時は価値が分からなかったので普通に使ってしまったんです」とのことですが、筆者からすると半券が今日まできれいな状態で残っていることがすごい……!ここでもマニア魂に触れることができました。

運が良ければ方向幕を手回しする実演が見られるかも?!

今は運行されていない「快速急行」や超レア?な「救援」の表示なども見られます

阪急千里線の30年前と現在の時刻表を比べた展示も。

時刻表の解説をする林宏祐さん

林さんが小学生の頃、愛読していた時刻表の誤植を発見し発行元に伝えた際、丁寧な手書きの手紙が届いたそう。このことは印象に残る嬉しい出来事だったそうで、今回の展示でも紹介されています。
“推し”に応援の気持ちを受け取ってもらえた時の嬉しさが、マニア魂を持ち続けることにつながっているのかもしれないと感じました。

「30年前ってこんなんやっ展」では、それぞれの「好き」というマニア魂を通して、ディープな視点から当時のまちの雰囲気を感じることができました。

そして、企画・協力された皆さんが展示を囲んで和気あいあいと話し合っている様子から、この場所でまさに新たな「つながり」が生まれていることを実感しました。(実際、鉄道マニアのお二人は千里ニュータウン情報館を通して知り合い、意気投合したそうです。)

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情報だけじゃない?“つながり”が生まれる場所「千里ニュータウン情報館」|大阪府吹田市

【後編】では、48号棟さんにインタビューした本展示の見どころや、千里ニュータウンの団地の魅力についてご紹介します。

後編はこちら

団地マニアに聞く!千里ニュータウンの団地の魅力|大阪府吹田市【後編】

詳細情報

「千里団好部」48号棟さん Instagram

  • 会期:2026年4月7日(火)~5月29日(金)
  • 会場:吹田市立千里ニュータウン情報館
    公式ホームページ
  • アクセス:阪急南千里駅直結 千里ニュータウンプラザ2階
  • 開館時間:9:00~17:30
  • 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
  • 入館料:無料

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この記事を書いた人

yama yuki

大阪府北摂生まれ、北摂育ちの子育て中ライター。 北摂地域を中心に、時には足をのばして京阪神エリアまで、子連れおでかけスポット、おいしいもの、知る人ぞ知る穴場などをご紹介します。 学芸員資格を生かして美術館・博物館の魅力も発信中。PR依頼もお気軽にご相談ください。

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