岡山県赤磐市で10周年を迎えたイタリア料理店「E-Flat」。若きオーナーシェフである藤原祐哉(ふじわらゆうや)さんが腕をふるう革新的なイタリア料理は人々を魅了し、ランチは予約が取れないほど人気です。
おしゃれなお店と美味しい料理は、とてもおすすめです。
また、ランチもディナーもお客さんの9割が女性であることから、くつろいで歓談できる素敵なお店ということも分かりますね。
今回は、前編として、藤原さんの取り組みとE-Flatの料理の特徴について詳しく紹介します。
次回の後編は、この時期だけの大人気メニュー「清水白桃の冷製パスタ」の徹底紹介です。
岡山に来られる際は、ぜひ予約をして美味しいイタリアンをご賞味くださいね。
藤原さんが赤磐でE-Flatを開業した理由
藤原さんは赤磐市で生まれ、高校で調理の道へ進み、東京のレストランでイタリア料理の修行をされました。その時に、形が悪いだけで規格外となり廃棄されてしまう野菜が日本中で年間200万tにも及ぶことを知ったそうです。
藤原さんが「規格外の野菜を使う飲食店があれば、フードロスにつながる」と考えたとき、のどかな田園風景がある赤磐市が脳裏に浮かびました。
そこで、見た目が悪くても新鮮で美味しい地元の野菜を使ったイタリア料理を赤磐で提供することにしたのです。
お店の名前も、E(Exist :存在)にFlat(平等)、つまり「命ある存在に平等なレストラン」ということで、E-Flatとしました。「食材の形を選ばないこと」がコンセプトです。
そして、「耕作イタリアンE-Flat」が誕生しました!
ところで、近年、SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)が話題ですが、SDGsは2015年9月の国連サミットで策定された「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」のことです。
そのため、藤原さんが取り組みを始めた10年前には、日本ではほとんど浸透していない考え方でした。
それにもかかわらず、たゆまぬ挑戦と努力で苦難を乗り越えた藤原さんは本当にすごい人だと思います。まさに、時代の先駆者ですね。
E-Flatの『野菜が主役の独創的なイタリア料理』
藤原さんは、赤磐での地産地消とフードロスを目指して、規格外の野菜を「畑の都合」に合わせて農家さんから直接仕入れます。
野菜には旬があり、特に夏野菜のキュウリやトマトは短期間にたくさん収穫されることがあります。また、天候不順などが原因で、野菜が収穫できないこともあり、これが「畑の都合」です。
野菜をお店から「今日は10kg、明日は5kgでお願いします」と数量を限定して注文すると「畑の都合」にマッチせず、消費できなくて廃棄する野菜が生まれます。また、農家さんが育てていない野菜や果物を発注してしまうと、農家さんへ負担をかけてしまいます。
これでは、結局フードロスを生むことになるため、生鮮野菜については農家さんが育てている野菜の中で規格外になったものを全て仕入れて調理するのです。
「畑の都合」すなわち「生産者のオーダーにお店が応える」というスタイルを貫いているので、逆に欲しい野菜や果物があっても、農家さんに注文できないところが大変とのことでした。
さて、ここからが料理人の腕の見せ所です。1種類の野菜をサラダや煮込みにするだけでなく、創意工夫でソースやスープにも使います。また、ジャムや調味料として加工するのです。
大量の野菜を無駄にすることなく、全て使い切るという努力はすさまじいものがあります。
そして、他の野菜も添えることで野菜が主役のイタリア料理となりますが、これがE-Flatの独創的な「環境に優しい料理」なのです。
また、野菜をふんだんに使うことで、ビタミンやミネラルだけでなく食物繊維をたくさん摂れるため、腸活によく「身体に優しい料理」でもありますね。
こうした藤原さんの地産地消への追及は、さらなる革新的なイタリア料理を生むことになるのでした・・・。
藤原さんが挑戦するE-Flatの革新的なイタリア料理
地産地消を目指すことで、鮮度の高い食材を使った料理を提供でき、遠距離の運送も不要となるため環境を守ることにもつながります。
赤磐で入手できる食材は野菜が中心ですが、赤磐は米どころ、酒どころであり、豆腐店もあることが幸いでした。美味しいお米(玄米)や新鮮な酒粕、豆乳などが入手できるのです。
これらの食材に調理の工夫を凝らすことで、乳も乳製品も卵も使わない革新的なイタリア料理が生まれました。
例えば、ボロネーゼですが、ひき肉は大豆を使い、チーズは豆乳を加工することで代用し、見た目も味も普通のボロネーゼに引けを取らない美味しさを引き出したのです。
つまり、「卵」「乳製品」「肉」などの動物性の高カロリー食材を、「酒粕」「豆乳」「大豆」などの植物性の低カロリー食材で代用できたので「身体に優しい料理」になりました。
また、この取り組みによって、植物性の食物を多く摂ることができるため、食の多様性にも応えることが可能になったのです。
そして、極めつけは「身体への負担が少ない料理」です。
E-Flatが提供するイタリアンには、「卵」「乳」「乳製品」は使われていません。つまり、アレルギーのある人も安心して食べることができます。
なお、事前予約が必要ですが「小麦を使わないグルテンフリーの料理」や「動物性の食材を使わないヴィーガン料理」にも対応してくれる素晴らしいお店です。
例えば、玄米と米を使うリゾットは、基本的には卵も小麦も乳も使わないアレルギー対応の料理になります。
つまり、E-Flat では「食物アレルギーがある人」「グルテンフリーを求める人」「ヴィーガン」にかかわらず、一緒に食卓を囲んで食事を楽しむことができるのです(ただし、トラブルを無くすため、食物アレルギーがある人、グルテンフリー、ヴィーガンの人はあらかじめ予約が必要)。
色々な背景の人々が一緒に食事できるお店はなかなかないので、人気になるのはよく分かりますね。
後編では、夏の限られた時期だけに提供される期間限定の「清水白桃の冷製パスタ」を紹介します。
ぜひ読んでくださいね。
【耕作イタリアンE-Flatの情報】
住所:岡山県赤磐市河本427-1
電話:086-954-4058
公式ホームページ:http://e-flat-okayama.com
営業時間:ランチは11:30~15:00(L.O 14:00)
ディナーは金曜日と土曜日のみで18:00~21:00(L.O 20:00)
定休日:火曜日(営業カレンダーは公式ホームページに記載)
設備:全34席
駐車場28台分(店舗前に9台分、道路の向かいに第2駐車場あり)
個室あり(要予約)、子供用イス有り
バリアフリー完備(トイレも広くてきれい)
料理:「卵」「乳」「乳製品」は全ての料理で不使用
ヴィーガン対応(要予約)、アレルギー対応(要予約)
後編では、人気のランチメニューのうち、今だけの季節限定の「清水白桃の冷製パスタ」を徹底解説します。
赤磐で真の地産地消に挑戦する【E-Flat】|清水白桃のパスタなど『野菜が主役のイタリア料理』は超絶品(後編)をご覧ください。