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フード  |    2023.06.08

八王子郊外で憩いのひとときを。茶室を利用した小さな四畳半カフェ「月待チ珈琲店」

東京・多摩地域最大の都市である八王子市。
東京ドーム約4,000個分もの広さを誇るまちであるため、地元民しか知らないような隠れた名所が数多く存在しています。
市内の主要ターミナル・八王子駅のひとつ隣、JR横浜線片倉駅から歩くこと5分。
緑あふれる広大な片倉城跡公園のそばにひっそりと佇んでいるのが、喫茶店「月待チ珈琲店」です。

目の前には国道が走っていますが、敷地内へ一歩足を踏み入れた瞬間、まちの喧騒がすっと遠のいていきます。
そんな、日常から静かに切り離された隠れ家のような月待チ珈琲店の魅力を、今回はたっぷりお届けします。

茶室ならではの趣を感じて

月待チ珈琲店は、元々茶室だった場所を再利用する形で作られたお店です。
四畳半と小さな店内ではありますが、和の趣が色濃く漂っています。

空間をやわらかく照らす間接照明の光がまた心地良いです。

今回訪れた際は床にカーペットが敷かれていましたが、これから夏にかけてはカーペットが外されるそうで、畳ならではの感触や風情をより楽しめることでしょう。

躙口にじりぐちと呼ばれる、茶室特有の来客用出入り口も当時のまま店内に残っています。(※躙口は現在は使われておらず、店の出入り口はまた別の場所に設けられています。)
この躙口は高さが非常に低く、腰を深く屈めなければ出入りができません。
誰であっても頭を低く下げる必要があるため、茶室の中では身分関係なく等しく対峙することを意図して作られたようです。

テーブルは、2名席が2つと1名席が1つ。多人数での入店はできないものの、その分ひとりでも入りやすいお店です。

お客さんがいないひっそりとした時間帯もある一方で、すぐに席が埋まってしまうことも少なくないのだとか。(※混雑時は1時間30分程の利用制限があります。)
予約は受け付けていないため、訪れた際に店内に入ることができたらちょっぴりラッキーかもしれません。

仕事帰りにほっと一息つけるような場所を

店の出入り口付近には本棚があり、数多くの書籍が並んでいました。

店名にちなんでいるのか、“月”に関するものがたくさん。こちらの本は店内で自由に読めるそうです。

喫茶店にしては珍しく、月待チ珈琲店は夜の10時まで営業しています。店主さんに伺ったところ、開店当初は日付が変わる12時までお店を開いていたそうです。
夜遅くまで営業している理由については、「仕事帰りにちょっと立ち寄って、書き物をしたり本を読んだりできるような休息の場所があったらいいな」という店主さんご自身の想いがあったようです。

家とも職場とも違う、自分だけのサードプレイスのような癒し空間。
時間がゆっくり流れていくような感覚に、身も心も休まることでしょう。

心静かに過ごす、くつろぎの珈琲時間

月待チ珈琲店で提供しているのは、ドリンクとこだわりのお手製スイーツ。
ワンドリンクオーダー制で、2杯目以降の飲み物は300円引きになります。

<本日のお菓子>はその日によってメニューが異なるようで、内容は店主さんの気分次第。
どんなスイーツがあるのかは、訪れてからのお楽しみです。

今回は、ツキマチコーヒーとスフレチーズケーキをいただきました。

ツキマチコーヒー(850円)
スフレチーズケーキ(550円)

チーズケーキは甘さが控えめで、こっくりと苦いコーヒーとの相性が抜群でした。
口いっぱいに広がる大人の味わいが、憩いのひとときをより一層楽しませてくれます。

小さな店内であるため、大きな声での会話は禁止されています。
その分、自分だけの時間を心静かに堪能することができるでしょう。

さいごに

店主さん曰く、“空間と時間をたのしむこと”を提供するのが月待チ珈琲店のコンセプト。
日々の忙しなさから束の間離れられるようなその場所は、まさに日常の中の休息地ともいえるでしょう。
居心地抜群な月待チ珈琲店の空気感を、ぜひ肌で感じてみてはいかがでしょうか。

お店の情報

住所:東京都八王子市片倉町2405-1
アクセス:JR横浜線 片倉駅から徒歩5分/京王高尾線 京王片倉駅から徒歩10分
(駐車場はないので近隣の有料パーキングをご利用ください。)
営業時間:14:00〜22:00(L.O 21:30)
定休日:月・火
公式Instagramはこちらから

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この記事を書いた人

こじまり

埼玉出身、東京在住のフリーランスライター。エッセイ・小説などの文筆活動も行っています。 故郷は山に囲まれた小さな小さな田舎町。幼少期は大都会に憧れを抱いていたものの、大人になった今は自然豊かな故郷をいとおしく思っています。地域特有の魅力を伝えるべく、ここでしか読めない記事を発信していきます!

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