コロナ禍が少しずつ明け始めている今、各地でお祭りなどのイベントが通常通り行われるようになってきました。
埼玉県寄居町の恒例行事「寄居北條まつり」も、2020〜2021年は中止、2022年は規模を縮小しての開催でしたが、今年は4年ぶりの通常開催となりました。
そこで今回は、2023年の寄居北條まつりの様子をたっぷりお届けします。
寄居町について
寄居町は、埼玉県の北部に位置する人口約32,000人の町です。
小さな町ではありますが、秩父山地由来の荒川の清流が流れる自然豊かな扇状地です。
主要駅である寄居駅は、東武東上線・JR八高線・秩父鉄道の3車線が乗り入れています。近隣には関越自動車道の花園ICもあるため、電車でも車でも比較的訪れやすい場所です。
寄居北條まつりとは
時をさかのぼること戦国時代。
小田原城城主・北條氏康の子である北條氏邦は、寄居町にある鉢形城の城主を務めていました。この鉢形城は今も城跡が残っており、国の指定文化財として保護されています。
1590(天正18)年、豊臣秀吉は小田原攻めの一環として、鉢形城への侵攻を開始しました。北條氏一族を突き崩すうえで、鉢形城の攻略が鍵になると秀吉は睨んでいたようです。
しかし氏邦は、約50,000の豊臣連合軍を相手に、わずか3,500の兵力で対抗。苦しい戦いを強いられましたが、その攻防戦はおよそ1ヶ月もの長丁場に渡りました。独特な地の利を活かして造られた鉢形城に、強大な兵力を持ちながらも豊臣軍は非常に手こずったようです。
このときの合戦の様子を再現したのが、「寄居北條まつり」です。
毎年5月頃に開催される寄居町きっての一大行事であり、甲冑姿の武者に扮した人々が街中を練り歩き、河原で一戦交える様子は非常に迫力があります。
第62回寄居北條まつり|現地レポート
2023年5月21日(日)、第62回寄居北條まつりが開催されました。
祭りの時間が刻一刻と近づくにつれて、徐々に空から消えていく雲。
初夏の気配を滲ませた太陽の光が燦々と降り注ぐ、絶好のお祭り日和となりました。
甲冑姿の大行列!武者隊パレード
寄居駅南口付近を出発し、合戦の舞台となる荒川の玉淀河原を目指して甲冑姿の武者が行列をなす「武者隊パレード」。
北條軍・豊臣連合軍の両軍が隊列を成して街中を闊歩する姿を一目見るために、沿道には多くの観衆が集まっていました。
私自身も、武者が本物の馬に乗って目の前に現れたときはとても興奮してしまいました…!
いざ出陣!河原で睨み合う北條軍 vs 豊臣連合軍
およそ500人もの武者たちが、パレードを経て玉淀河原に集結。
その後行われるのが、広大な荒川を背にした攻防戦です。
まさに戦国絵巻を再現したかのような光景を目当てに集まった観客で、河原は大賑わいでした。
豊臣軍の襲来が告げられる「伝令」、戦の必勝を祈願する「三献の儀」などを経て、いざ合戦がスタート!
大砲の音が響き渡る中行われる、北條軍 vs 豊臣連合軍の大戦。武器を手にして敵方へと向かっていく武者たちの姿はとても勇ましく、迫力も満点でした。
バラエティ豊かな北條氏ゆかりのグルメも
北條氏ゆかりの地のグルメが堪能できる「北條食の陣」もイベントの目玉のひとつ。
地元寄居町のほか、近隣の秩父市、東松山市、さらには静岡県沼津市、神奈川県相模原市など、各地からこだわりのご当地グルメが多数出店されました。
その土地ならではの食を求めて、こちらも多くの来場者で賑わいを見せていました。
ちなみに私は、近隣・坂戸市のしゃもめしやベーグルをいただきました!
他にも、関連地域による観光物産展や、手裏剣投げや弓矢射ちなどで遊べるキッズイベントなど、大人から子どもまで楽しめるブースが大変充実していました。
さいごに
令和の今、戦国の風をリアルに感じることのできる「寄居北條まつり」。
脈々と受け継がれてきた由緒あるこの行事は、きっとこの先も長く続いていくことでしょう。
寄居北條まつりは年1回の開催ですが、町内には北條氏の歴史をより深く学ぶことのできる「鉢形城歴史館」もあります。
ぜひ、古き良き情緒漂う寄居町に足を運んでみてはいかがでしょうか。
イベント等の情報
寄居北條まつり
場所:寄居駅南口拠点・玉淀河原・太子様駐車場・賑わい創出交流広場YORIBA
詳しくはこちら
鉢形城歴史館
場所:埼玉県大里郡寄居町大字鉢形2496-2
TEL:048-586-0315
開館時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)、祝日の翌日、年末・年始
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