もの・こと  |    2026.11.07

「きなぁた瑞浪」に響くふるさとの未来~瑞浪市高校生合同音楽祭を訪ねて~

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岐阜県瑞浪(みずなみ)市は、名古屋駅からJR中央線で約1時間。中山道の宿場町の面影と、緑豊かな山々が広がるまちです。

「きなぁた瑞浪」は、JR瑞浪駅からほど近い農産物等直売所。地元の人はもちろん、休日には県外からも多くの観光客が訪れます。瑞浪市を含む東濃地方の言葉で「よく来てくださいました」を意味する「きなぁた」。その名のとおり、瑞浪に来る人々を迎えるこの場所で、2026年10月4日に「瑞浪市高校生合同音楽祭」が開催されました。

音楽を愛する高校生たちが集い、それぞれの個性が光るステージを披露しました。学校の垣根を越え、地域と音楽でつながった秋の一日をお届けします。

緑豊かな清流のほとり、瑞浪ボーノポークで元気をチャージ

土岐川の流れの向こうに山並みが広がり、自然を間近に感じられる「きなぁた瑞浪」のバーベキュー広場。日帰りで気軽にバーベキューを楽しめるスポットです。

音楽祭の会場となったこの日は、保護者や地域の人たちも集まり、開演前から和やかな活気に包まれていました。

ステージが始まる前、高校生たちにふるまわれていたのは、手ぶらバーベキューでも人気の「きなぁた瑞浪」自慢のお肉です。一般的な豚肉と比べて霜降りが約2倍、肉の旨みと脂の甘味が強い特産豚肉「瑞浪ボーノポーク」がお目見えすると、あちこちから歓声が上がります。

バーベキューの具材画像

香ばしい匂いが広場全体に漂う中、みんなでおいしいお肉を囲み、本番に向けてパワーと笑顔をチャージ。気力も十分に、いよいよ音楽祭のスタートです。

バーベキューをする高校生

音楽でひとつになる!各校の個性が光るステージ

今回初めて開かれた合同音楽祭。瑞浪市内にある3つの高校から、音楽系の部活動に取り組む生徒たちが一堂に会し、曇り空を吹き飛ばすような爽やかな演奏を披露しました。

麗澤瑞浪高校の太鼓が力強く空に響く

トップバッターは、私立麗澤(れいたく)瑞浪高等学校の太鼓部です。

全国大会への出場経験を持ち、「瑞浪市二十歳の祝典」など地域のお祝いの場でも演奏してきた実力派。勇壮なリズムと息の合ったパフォーマンスで、会場の空気を温めます。

太鼓部のパフォーマンスの様子

瑞浪市の花「キキョウ」と土岐川の清流をモチーフにしたオリジナル衣装も、演奏の躍動感を引き立てていました。

衣装画像

演奏を終えた生徒は、今回のイベントについて「自分の学校にはない音楽系の部活に触れられるので楽しみにしていた」と振り返ります。

県外から入学し、寮生活を送る生徒も多い麗澤瑞浪高校。自身も親元を離れて暮らすその生徒は、以前家族が瑞浪市を訪れた際に、同じバーベキュー広場で地元の美味しいものを囲んだエピソードも教えてくれました。

「瑞浪は『第二のふるさと』といっても過言ではありません」 
瑞々しい言葉に、仲間たちと過ごしたこの日の時間が新たな思い出として重なっていきます。

瑞浪高校の合唱と吹奏楽がつなぐハーモニー

次に登場したのは、岐阜県立瑞浪高等学校の音楽部と吹奏楽部です。

混声合唱披露の様子

混声合唱に取り組む音楽部は、12名の編成で澄んだ綺麗なハーモニーを聞かせてくれました。続く吹奏楽部も、安定感のある演奏で会場を心地よく包み込みます。

観客席の様子

普段はホールで演奏することが多いという高校生たち。見守る観客や家族との距離が近いバーベキュー広場でのステージは、いつもとはひと味違う演奏になったようです。

出番を終えた生徒は、少しはにかみながら「家に楽器を持って帰って練習していたんです」と、本番に向けた努力を教えてくれました。「部活は楽しいです」と微笑む横顔に、そばで見守る保護者もうれしそうでした。

中京高校が会場を甲子園に!圧巻の応援パフォーマンス

高校生ステージのトリを務めた私立中京高等学校吹奏楽部は、会場のボルテージを引き上げるエネルギッシュな演奏を披露しました。

全国的な野球の名門校として知られ、2026年の夏にも甲子園で応援を響かせた同部。観客席を巻き込み、さながら本物の球場にいるかのような熱気を生み出します。

「中京高校は野球だけじゃない」
「地域に愛される全国区を目指す」――指揮をする顧問の先生方の思いも乗ったサウンドに、気づけば会場全体が応援のリズムに合わせて体を揺らし、一体となって盛り上がっていました。

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生徒からも、「お客さんが楽しんでくれている表情が近くで見えて嬉しかった」と笑みがこぼれます。

普段は学業や部活動に励むメンバーにとって、他校の仲間や地域の人たちと音楽で交流できる、貴重な機会となったといいます。

学校ごとに異なる音楽の魅力を楽しめるのも、合同音楽祭ならでは。会場には生徒たちへの惜しみない拍手が響いていました。

笑顔と涙のフィナーレ!世代を超えて歌う「ふるさと」の大合唱

音楽祭のラストを飾ったのは、瑞浪市民交響楽団&コールフラワー日吉です。

高校生たちにとっての“母なるふるさと”を象徴する存在として、ステージの熱気を引き継ぎます。普段から市民が音楽に親しむきっかけづくりを続ける皆さんによる、オーケストラと合唱の贅沢な演奏です。

市民交響楽団&コールフラワー日吉の演奏

あたりが少しずつ薄暗くなり、広場にはファイヤートーチの火が灯ります。

演目のひとつ「瑞浪市民の歌」は、瑞浪の火や土岐川の水、屏風の山や化石山といった景色が歌詞に織り込まれ、今日の日を心に留める歌声でした。

トーチファイヤーの火

そして迎えたフィナーレでは、高校生と観客とも一緒になって童謡「ふるさと」を合唱。高校生と一緒に歌えた喜びから、うれし涙を流すメンバーの姿も。

ふるさと合唱の様子

瑞浪の自然の中で、世代を超えて歌声が重なり合う、温かな光景に思わず胸が熱くなりました。

未来へつなぐ地方創生の一歩。リニアで変わるまち瑞浪

同じ市内の高校とはいえ、普段はあまり接点のない生徒たちが、地域の観光施設に集まったのはなぜでしょうか。今回の企画について、「きなぁた瑞浪」の小柴孝之さんに話を聞きました。

当日は司会も務めた小柴さん(左)。会場準備を担当したバーベキュー広場の従業員への感謝の場面。

高校を卒業すると、地元を出る子どもが少なくないという瑞浪市。同じ東濃地域の中津川市には、将来リニア中央新幹線の駅が設置される予定です。

東京都出身で、公民連携の仕事を通じて瑞浪市と関わるようになった小柴さん。現在は東京から通う生活を送り、「リニアが開通すれば東京との距離も縮まり、瑞浪の環境は大きく変わる」と話します。

音楽祭の最後に小柴さんは、たとえ離れて暮らしても瑞浪は「いつでも帰れる場所」だと高校生たちに伝えていました。「多感な高校時代を過ごしたこのまちの記憶を大切にしてほしいし、瑞浪は待っているから」と。

「地元に戻ってきてくれたら一番だけど、離れた場所から瑞浪を思って、応援してくれるだけでもうれしい」。そのまなざしには、地域とのつながりを一歩ずつ育もうとする思いが込められています。

土岐川の写真

内閣府の地方創生交付金を活用し、市民実行委員会、学校、自治体が連携して実現した今回の音楽祭。リニアが走る未来には、地元に残りながら新しい挑戦をしたり、外で得た経験をまた地域に持ち帰ったりと、若者たちの選択肢も広がっていくかもしれません。

「いつかこの日を思い出す」瑞浪がくれた温かな光景

帰り際、小柴さんは「瑞浪はいい街なんです」と教えてくれました。その言葉の奥には、瑞浪の人たちへの親しみと愛が感じられます。

普段はまちへの愛着を意識していなくても、おいしいお肉を食べて「ふるさと」を口ずさんだ時間が、いつかまた瑞浪を想うきっかけになるかもしれません。

名古屋から電車や車で行けて、リニア開通後には東京からもぐっと近くなる瑞浪市。「きなぁた瑞浪」には朝採れ野菜や精肉、地元の特産品が並び、瑞浪ボーノポークのハム工房やふらっと立ち寄れるカフェなど地元グルメも揃います。

自然の中で、気軽にリフレッシュできる場所として週末のドライブや、おいしいものを目当てに足を延ばしてみるのも楽しそうです。

施設情報

名称:きなぁた瑞浪(瑞浪市農産物等直売所)
住所:岐阜県瑞浪市土岐町6059 電話番号:0572-26-8617
FAX:0572-26-8672
定休日:毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
営業時間:9:00~18:00
駐車場:有
運営:みずなみアグリ株式会社
公式サイト
https://kinahta.jp

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この記事を書いた人

やまぐちゆかり

生粋の名古屋人ライター。地域の日常に息づくストーリーを、暮らしの視点から記事にします。趣味はまちあるきと甘いもの。一児の母。

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