私のまちイベント  |    2026.10.25

山車同士のお囃子バトルが見どころ!とちぎ秋まつりの魅力を紹介

絢爛豪華な山車が大通りを練り歩き、あちらこちらでお囃子バトルが勃発!
そんな面白いお祭りが、2026年11月14日・15日(土・日)に、栃木県栃木市で開催されます。

祭りの主役は、各町会が引き出す江戸型人形山車。
多くが江戸・明治期から受け継がれているもので、その細工や装飾の見事さも祭りの見どころの一つです。

前回、主催者発表で20万人以上が来場した、商都・栃木の粋を体現したお祭り「とちぎ秋まつり」の魅力をご紹介します。

提供:栃木県

始まりは明治時代

栃木市の山車とお祭りの歴史は、明治7年(1874年)まで遡ります。

江戸末期~明治初期の栃木市は、材木に肥料、麻などの問屋が軒を連ねる商業の町であり、力のある商人がたくさんいました。
そんな商人たちを中心に、当時の町の一つ・倭(やまと)三丁目が江戸の祭りで流行っていた人形山車「静御前」を購入。同じころ、泉町も宇都宮から人形山車「諌鼓鶏(かんこどり)」を買い求めます。
両町が、明治7年に栃木県庁構内で行われた神武祭典にこれらの人形山車を参加させたところ、それを見た各町が「じゃあ、うちも!」とこぞって大工や人形師に山車を作らせるようになりました。

明治26年(1893)の商工会議所開設に伴う祝典には6台の山車が参加。明治39年(1906年)の神明宮・招魂社祭典には、更にもう一台参加して、現在の祭りの形ができあがったといいます。

昭和12年(1937年)の市制施行祭以降は、市の祭礼として各町の山車が引き出されるようになりました。

提供:(一社)栃木市観光協会

現在は、2年に1回、11月に「とちぎ秋まつり」として開催。
10町会に受け継がれる9台の江戸型人形山車と一対の獅子頭が華やかに街を練り歩く、栃木市を代表するお祭りになっています。

祭りの華!お囃子バトル「ぶっつけ」

「とちぎ秋まつり」の華は、何といってもお囃子バトルです。
各町会の山車が巡行する「蔵の街大通り」は、片側1車線で、歩道を含めても道幅はそこまで広くありません。
また、山車が行き来する区間は全長500~600mほど。これだけ狭い所に山車がひしめき合うので、当然頻繁に顔を合わせます。
山車と山車が向かい合うと、各山車を引く「頭(かしら)」の申し合わせによって「ぶっつけ」というお囃子バトルがスタート!
お互いにお囃子を奏で合い、先に相手の調子につられた方が負け。勝者に進路を譲るのがお約束です。
なお、この勝負の勝敗は、頭が「うちがズレた」と申告することで決まるそう。
審判が居ないあたりが、なんとも粋です。

提供:栃木県

各山車にはそれぞれお囃子隊が乗り込んでおり、独自のリズム・テンポのお囃子を奏でます。一方山車の周りでは、山車を引く町会のメンバーが扇子や提灯を振りかざし、掛け声を掛けながら自山車のお囃子を応援します。
なお最前線のお囃子部隊は、ぶっつけ中、ほとんど相手の音しか聞こえないそう。
そんな中、「いかに相手の調子につられず、自分のお囃子を正確に刻み続けられるかが、勝負の分かれ目」だといいます。

提供:栃木県

1回のぶっつけはだいたい5~10分ぐらいが多いですが、「山車会館前にて行われております、室町:桃太郎vs万町一丁目:劉備玄徳の戦いに泉町:諌鼓鶏が加わりました」という風に、時には三つ巴、四つ巴の戦いになって長引くこともあります。
なんにせよ、「最後までつられなかった山車の勝ちで、そこに進路を譲る」というルールに違いはありません。
いつ、どこで、どことどこのバトルが始まったかは、場内アナウンスで教えてくれます。

豪華絢爛な江戸型人形山車の造りにも注目

各町が引き出す江戸型人形山車のほとんどは、江戸・明治期に造られたもので、その装飾の見事さや多彩な顔触れも、とちぎ秋まつりの見どころのひとつです。

江戸型人形山車の特徴は、江戸城の城門をくぐれるように、背丈を下げられるからくり仕掛けが備わっていること。山車の真ん中は空洞で、上の人形を収納できるようになっており、前面にお囃子隊が乗る造りになっています。

人形を下げたところ  提供:(一社)栃木市観光協会

なお、山車は9台ですが、秋まつりに登場する人形は12体あります。これは、万町一・二・三丁目の3町が、それぞれ複数の人形を所有しているためです。

なぜそんなことになったかというと、もともと3町は明治26年(1893年)に三国志の桃園三兄弟「劉備玄徳」「関羽雲長」「張飛翼徳」の人形を作ったのですが、翌年日清戦争が勃発。
「敵国の英雄を山車に乗せるのはいかがなものか…」という配慮から、それぞれ「天照大神」「日本武尊」「太閤秀吉」の人形を新たに作ったという事情があります。

なお、「太閤秀吉」は珍しい騎乗姿だったところ、いざ山車に乗せてみると、他の人形に比べて小さく見えてしまったことから、その後さらに「素戔嗚尊」が造られたそう。

ただ、人形を乗せる山車は各町会1台のため、この3町は、桃園三兄弟と日本の神々・英雄の人形山車を日替わりで乗せ替えて巡行しています。

「太閤秀吉」の人形は現在秋まつりには登場しませんが、「とちぎ山車会館」でその雄姿を見ることができます。

夜の山車巡行  提供:栃木県

祭り期間以外に山車を見るなら「とちぎ山車会館」へ

「とちぎ秋まつり」は、隔年で11月の2日間、または3日間の開催です。
それ以外の時期、山車6台と獅子頭は「とちぎ山車会館」に格納されており、交替で3台ずつ展示されています。
とちぎ山車会館の建つ「蔵の街大通り」沿いとその周辺には、見ごたえのある明治・大正の建物や蔵などがたくさん残っているので、ぜひ周辺も散策してみてください。

<とちぎ山車会館>
所在地:栃木県栃木市万町3-23
TEL:0282-25-3100
FAX:0282-24-4918
営業時間:9:00 ~ 17:00(入館は16:30まで)
定休日:1・2・3・7・8・12月の月曜日(月曜日が祝日の場合翌日)
*年末年始、展示替えによる臨時休館有
最寄り駐車場:蔵の街第1駐車場
アクセス方法:JR・東武 栃木駅から徒歩約15分、駐車場から徒歩約2~3分

【栃木市へのアクセス】

「とちぎ秋まつり」会場(蔵の街大通り) JR栃木駅から徒歩約10分

<東京から電車でのアクセス>
[ 東京駅 ] → 東北新幹線 / 40分 → [ 小山駅 ] → 両毛線 / 10分 → [ 栃木駅 ]
[ 東京駅 ] → 上野東京ライン(宇都宮線直通) / 55分 → [ 栗橋駅 ] → 東武日光線 / 30分 → [ 栃木駅 ]
[ 浅草駅 ] → 東武スカイツリーライン・日光線特急 / 70分 →  [ 栃木駅 ]
[ 新宿駅 ] → JR・東武日光線 特急/ 75分  → [ 栃木駅 ]
[ 新宿駅 ] → JR湘南新宿ライン(宇都宮線直通) / 60分 → [ 栗橋駅 ] → 東武日光線 / 30分 → [ 栃木駅 ]

<車でのアクセス>
東北自動車道でのアクセス
[ 川口JCT ] → 東北自動車道 約50分  → [ 栃木IC ]

北関東自動車道でのアクセス
[ 高崎JCT ] → 北関東自動車道 約50分  → [ 栃木IC ]
[ 友部JCT ] → 北関東自動車道 約50分  → [ 栃木IC ]

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この記事を書いた人

立花 裕子

瀬戸内出身、栃木県栃木市在住のライター。 日本酒キッチンカー「たぬき堂」もやっています。 日本酒、お店、キッチンカー、イベント、スポット、それらを造る人の魅力を紹介していきます。

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