サザエさん、カツオくん、ワカメちゃんの銅像。

3人のシルエットをイメージしたベンチ。

「サザエさん商店街通り」では、地域の消費喚起や商店街の活性化を目的に、デジタル商品券「サザエさん商店街通りペイ」も発行されています。

ここは福岡市早良区の西新~百道地区。昔ながらの商店街、大学、住宅街、文教施設、観光スポットが共存する、活気と個性のあふれるエリアです。
1.まちを歩けばサザエさんに当たる!?あちこちに潜むサザエさん一家
エリアには、サザエさんにちなんだ2本の通りがあります。脇山口交差点~よかトピア通り~シーサイドももち海浜公園入口へと通じる「サザエさん通り」と、西新駅~藤崎駅をつなぐ商店街の総称としてつけられた「サザエさん商店街通り」です。
まちの雰囲気を見てみましょう。サザエさん通り沿いには大学、高校、住宅地、博物館、図書館があります。ところどころに昔ながらのサザエさんの顔もみられます。



サザエさん商店街通りにはリヤカーも登場。

ホークスのマスコットの間で「買い物をする」サザエさん一家。

一家で「西新町横丁」を守っています。「西新町横丁」の入口には、サザエさん一家のシルエットとともに、商店街や地域の情報を発信するデジタルサイネージも設置されています。

ここまで取り上げたものだけでなく、エリアには様々なサザエさん関連のモニュメントや看板があります。脇山口交差点の「サザエさん通り」の看板、西南学院大キャンパスそばの銅像「町子先生とサザエさん」がその例です。「磯野広場」と呼ばれる西新通り交差点のポケットパークには、「サザエさん発案の地」の看板があります。

2.名作の原点は百道の海?長谷川町子先生が西新で過ごした日々
そもそも、この地とサザエさんの関係は何でしょうか?実は、この西新エリアは原作者の長谷川町子さんが疎開のために太平洋戦争前後に暮らした地で、彼女の原体験がサザエさんの制作に直結しています。彼女は、1946年に夕刊フクニチで「サザエさん」の連載を始めました。タイトルをはじめ海の生き物を模したキャラクターの命名には、彼女が当時の海岸線(前記磯野広場付近)で散歩した原体験が反映されています。
東京で仕事をする必要性を感じた長谷川さんは、同年の暮れに一家そろって上京しました。この後の創作活動が現在の国民的名作に成長したのです。
なお、百道地区の埋め立てや開発が進んだ今、当時の海岸線は見る影もありません。地区は、サザエさんの進化に合わせ、当時の原体験から進化・変化し、新しいまちに姿を変えています。
3.「まち全体がサザエさん一家」地域・学校・行政が結びついたまちづくりの歩み
地元では、どのように「サザエさんのまちづくり」の動きが始まり、進化したのでしょうか。
市民の側から起こった「サザエさん」ふるさとづくりの運動をきっかけに、2007年に「サザエさん発案の地記念碑」が完成したことが、「サザエさんのまち」の始まりでした。
その後、長谷川町子美術館や既に同名の通りがあった東京都桜新町商店街振興組合の承諾を経て、2012年5月に「サザエさん通り」の命名が行われました。この際、夕刊フクニチに連載時のサザエさんの顔が、発案の地にふさわしいキャラクターとして提供されました。これこそが、まさにまちなかでよく見かけるサザエさんの表情です。
以降の取り組みは、地域、商店街、企業・団体、学校、行政が関わりながら進められました。2013年には長谷川町子美術館も参画のうえ「サザエさん通り」構想検討会が設置されました。若者向けや一般向けワークショップ開催を経て、翌年には「『サザエさん通り』を生かしたまちづくり推進協議会」が設立されました。ここで、「サザエさん」のイメージする「明るい」「元気」「人情味が厚い」といった要素を踏まえ、「まち全体がサザエさん一家」という目標像が掲げられます。
2017年には「町子先生とサザエさん」像が西南学院から福岡市に寄贈されました。「サザエさん商店街通り」の命名も同じ年に行われています。2021年には、個人、企業、団体からの寄付により、磯野広場にサザエさん、カツオくん、ワカメちゃんの銅像が設置されました。ここでさまざまな人たちによる取り組みが広がったのです。
2023年以降、5~6月には、まち歩きなどのイベント「サザエさん通りウィーク」が開催されるようになりました。ここでは、クイズラリー、スタンプラリーや商店街のグルメを楽しむ企画などが実施されます。
このように、商店街や学校・事業者などと連携した取り組みが現在も続き、広がっています。
4.あなたもサザエさんファミリー!西新・百道地区へ出かけよう
サザエさんは、西新~百道地区の顔として定着しています。この力となったのが地元の方々です。この意味で、サザエさん一家はエリアの家族の一員であり、地元住民がサザエさんの家族なのです。そして、個性ある多様な世代が同居するサザエさん一家は、商店街、大学、住宅地、観光地など様々な個性が共存する西新・百道地区の特性を表しているのかもしれません。
背景にある原作者の長谷川町子さんのストーリーは、タモリさん、武田鉄矢さん、その他数々のアーティストや芸能人が通ってきた、福岡の原体験を機に東京で飛躍する成功のモデルの先駆けともいえます。
こうした観点のもと、サザエさん一家のモニュメントを楽しみながら西新~百道地区を歩き回ると、新たな楽しみや気づきが得られるかもしれません。
さあ、ここで書ききれなかったたくさんのサザエさんに、あなたも会いに来ませんか?付近のみずほPayPayドーム・博物館・図書館・海浜公園、また豊かな自然にあふれた早良区南部とあわせていくのもおすすめです。
ちなみに、博物館前交差点の案内サインは、実は福岡タワーを背景とした隠れた撮影スポットです。また、「サザエさん発案の地」の看板そばのどこかに「タマちゃん」も隠れています。探してみてください。…もしかしたら、この記事の初めの方で「かくれんぼ」をしているかもしれませんが。
サザエさん通り
磯野広場
〒814-0002 福岡県福岡市早良区西新6丁目10-58



