「住まいの本質は、住まい手が生涯幸せでいられること」
栃木県宇都宮市の株式会社COMODO建築工房は、その考えのもと、美しさと性能が調和し、自然豊かな栃木の風土になじむ住まいを手がけてきました。
代表の飯田亮さんが追い求めるのは、拠り所として安らげる居心地のよさ。家族とともに歳月を重ね、味わいを増し、世代を超えて住み継がれる家です。
オフィスにお邪魔して、居心地のよさの作り方から顧客との向き合い方、窓材にエクセルシャノンの樹脂サッシを選んだ理由まで、飯田さんにお話を伺いました。

一緒に現場を作ってきた職人たちに背中を押され、27歳で独立
飯田さんは、山形生まれの栃木育ち。
専門学校卒業後、大手鉄骨ハウスメーカーの協力会社で店舗鉄骨のCADオペレーターをしていましたが、「木が好きであって鉄は好きじゃない、そして人に関わる仕事がしたい」と転職。宇都宮市北部で材木会社が営むリフォーム会社に入社し、約5年間修行の日々を過ごしました。
もともと「30歳までに独立する」と決めて、設計や経営を学んでいたものの、旗揚げの決め手になったのは「自分が生み出すデザインを自分のものとして世に出したい」との思いだったといいます。
「その頃にはもう、自分が目指すものは決まっていました。もしこれがダメなら、自分はもう建築の仕事はやりたくない。そんな背水の陣の覚悟でした」

当時、飯田さんは勤務先で一緒に現場を作ってきた職人全員に独立の考えを伝え、一人でも反対があれば考え直すつもりでした。しかし、全員から「やるなら今」と背中を押されて決断。2007年、27歳で、宇都宮にCOMODO建築工房の前身にあたる住空間設計LIVESを設立しました。
創業から約20年が経ち、既に引退された職人さんもいるものの、約半数は今も現役。信頼で結ばれた職人さんとの密な連携が、COMODO建築工房の家造りを支えています。
人が落ち着く居場所を作る、「居心地のよさ」を形にする家造り
建築士として飯田さんが目指すのは、創業時から変わらず「居心地のよさの追求」です。
その出発点は約20年前。箱型住宅が流行する中、「恰好ばかりで人の居場所があるように思えない」と感じた違和感だといいます。さらに、この道を決定づけたのは、建築家・吉村順三氏の流れをくむ住宅建築のリフォームに携わり、その住まいに触れた時の衝撃でした。
「その家は天井が低いのに、とにかく居心地がよかったのです。開口の絞り方に素材の使い方、築20年の年月を経ても古臭くなく、むしろ味わいが増している所。すごい、僕もこれを表現したい!と思い、その流派を学び始めました」
居心地のよさは何から生まれるのか。
飯田さんは「僕も分からない」と笑いつつ、一つには全体のバランスだといいます。
「例えば、天井が無駄に高くて横幅が狭ければ圧迫感がありますし、その逆もまた然り。開口と壁の比率、色遣い、アーチ状の天井の深さ、光の中心などを、どう取り入れていくかなのかなと思います」

さらに、人が過ごす空間は家の内側だけに留まりません。
窓越しに見える庭の緑、人を迎える植栽やアプロ―チ、夜になると外に漏れだす明かりなど。家に帰ってきた時に感じる安心感や外から眺めた時の佇まい、周辺環境との向き合い方も、居心地のよい家造りに欠くことのできないものとして大切にしています。

対話を重ね、住まい手を知ることから家のイメージが生まれる
万人に通じる居心地のよさは確かに存在する一方、人には「広い空間が好き」「狭い所が落ち着く」といった好みもあります。だからこそ、COMODO建築工房の居心地のよさを形にする家造りは、施主という「人」を知ることから始まります。

「家を建てる行為は一生のお付き合いになるわけで、ある意味親戚関係以上の近さかもしれません。住まい手さんのことを理解しないと、設計のイメージが湧かないんです」と飯田さん。まずは見学会に来てもらい、『宿題』を10枚ほど書いてもらい、回答をベースに対話を進めていきます。
とはいえ、リビングは何畳ほしいか、窓の大きさはどれぐらいを希望するといった野暮なことは一切聞きません。聞くのは、生まれ育った家や心地いいと感じる場所、絶対に譲れないもの、どのように暮らしたいか、将来の展望など。何が好き、何が嫌いといった何気ない会話が、人となりをつかむヒントになります。
「対話を重ねていくと、奥さんはキッチンに立った時どう視線を送るのか、その時子どもは何をしているのか、旦那さんは休日・平日はそれぞれどう過ごすのか…など、少しずつ想像できてくるのです。こういう暮らし方をしてくれるだろうから、こんな空間構成がいいかなと想像しながら、設計を織り込んでいきます」
対話と設計にかける期間は約3カ月。設計ができたら家の模型を作り、施主に向けてプレゼンテーションを行います。「これなら絶対に喜んでもらえる、もうこれ以外イメージが湧かない」というところまで落とし込むため、プレゼンはほとんど一発で決まるそうです。

世代を超えて選ばれる、魅力のある家を目指して
家族の姿は年月とともに変化するもの。だからこそ、家族が年齢を重ねた後も似合う家かどうかも、飯田さんが設計にあたり必ず考えるところだといいます。それは単に、後で柱を抜いてリフォームができるとか、梁が架け替えられるといった話ではありません。
「そもそも受け継ぎたいと思ってもらえる魅力ある家かどうかが、すごく大事だと思います。“おじいちゃん、おばあちゃんの家が大好きだから、この家を継ぎたいんだよね”と孫に言ってもらえるような家ならば、ずっと残っていくでしょう。まずはそこ。その上で、治しやすい家か、更新できる家かという部分はすごく意識しています」

手掛けた一棟ごとに名前をつけているのも、長く愛されてほしいという思いから。名前がつくことで施主の愛着が深まるだけでなく、これから建てたい人が「あのタイトルの窓の感じが好き」と語りやすくもなっています。
なお、COMODO建築工房への問い合わせの多くは、「〇〇の家が気に入った」ではなく、作品全体の雰囲気に惹かれるのだそう。中には「通っていた高校の目の前に建っていたCOMODOの家を見て、将来建てるならこういう家がいいと思っていた」「素敵だなと思った家が全部COMODOの家だった」という人もいるというから驚きです。昔から決めていましたという人も多く、年間施工数5〜6棟のところ、現状、2年近くまで予約でいっぱいです。
性能と信頼で選んだエクセルシャノンの樹脂サッシ
長く住み継がれる家造りには、素材選びも重要になります。その点、飯田さんの素材選びのルールは明快で、偽物を使わないこと。木目調のような「〜風」の仕上げや貼り物は選びません。
窓についての考えもシンプルで、窓は何かを表現したり、主張したりするものではなく、外の景色を享受し、風を通し、暮らしの快適さを支える存在との位置づけです。この、「余計なことはせず、仕事は確実にこなしてくれる」信頼できる素材として、窓材には、北海道生まれのタフで高性能なエクセルシャノンの樹脂サッシが使われています。

以前はアルミ複合サッシを採用していたものの、性能への要求に応えるため樹脂サッシへの切り替えを決定。他社製品とも迷ったそうですが、「性能はもちろん、断面を見たときの安心感があったこと、少し工夫すればきれいに納まると思ったことがエクセルシャノンさんの樹脂サッシ採用の決め手となりました」と飯田さん。まだ勤め人だった約25年前から同社のサッシに触れており、馴染みがあったことも後押しになりました。
2025年には、エクセルシャノンが新たに開発したスリムな樹脂サッシ「シャノンウィンドNS50」を採用。昔の無骨なイメージから樹脂サッシを避けていた同業者に、だいぶスリムになったことを伝えると、興味を持つ人もいるそうです。
造り手として、家守として。COMODO建築工房の次の20年
家は長年に渡って住み続けるものなので、いつかは必ず経年による不具合や故障が生じます。そんな時、まず頼ってもらえる存在であることは、家を造る以上、当然果たすべき「家守」の責任だと飯田さんはいいます。
「家は造れば終わりじゃない、一生のお付き合いになるという事はそういうことです。不具合の修繕やメンテナンスはもちろんですが、守備範囲外のものは然るべき所につなぐので、エアコンが壊れたでも、テレビの映りが悪いでも。とにかく家について何かあった時、“とりあえず飯田君に連絡しよう”とまず思ってもらえることを目指しています」

住まい手に寄り添う家造り・家守りを続けてきたCOMODO建築工房は、2027年で、設立から20年を迎えます。今後考えているのは、第一に家守の責任を果たすために事業を続けていくこと。加えて、県外・できれば海外へと活動地域を広げていきたい気持ちもあるといいます。
「世界を見ると、日本の家の軒の出し方やプロポーションの美しさ、空間の設え方などは独特です。それは日本文化として誇らしいものだと思いますし、日本のアニメや芸術のように評価されていいと思います。そんなデザインを活かした住まいを、海外の方に造る機会はまだありませんが、チャンスがあればぜひ挑戦してみたいです」
海外につながる具体的な動きはまだないものの、栃木県外でも活躍の場は広がっているとのこと。次の20年で、COMODO建築工房のファンはますます増えていきそうです。
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株式会社COMODO建築工房
栃木県宇都宮市上桑島町1465-41
TEL:028-689-9560
MAIL:info@comodo-arc.jp
WEB:https://www.comodo-arc.jp/
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