加工の現場で「手が痛い」「人手が足りない」と頭を抱えていませんか?重労働で熟練の技が求められる課題を、愛媛県新居浜市の株式会社ホクトが独自の技術で解決しています。
看板製品「うろこ取り名人」は、2026年5月時点で累計8万台を突破し、国内シェア日本一を獲得。初心者でもプロの仕上がりを実現できる防水モーター技術は、現場の救世主といえます。
今回お話を聞いたのは、現場の全体統括を担い、経営陣と社員の架け橋となっている塩崎さん。魚加工の常識を変えた製品の特徴や、裏側にある「ホクトの心」に迫ります。
魚加工現場の切実な悩みに寄り添う

株式会社ホクトは独自のモーター技術を武器に、誰でも「プロの技」を再現できる「名人シリーズ」を展開し、業界に革命を起こしてきました。代名詞とも言えるのが「うろこ取り名人」です。
累計8万台以上の販売実績を誇り、国内シェアは日本一を獲得しています。「うろこ取り名人」誕生の裏には、1980年代の大手メーカー海外移転に伴う受注激減と、2003年の倒産危機という物語があります。

この窮地を救ったのが、創業者が水面下で開発していた「水回りで使える独自モーター」でした。民事再生を機に「下請けではなく自社技術で勝負する」と決意し、現社長への代替わりとともに本格的な販売が始まりました。
累計8万台突破「うろこ取り名人」が選ばれる理由

ホクトのうろこ取り名人は、なぜ売れるのか。それは、「作業効率」と「安全性」の悩みを、独自の技術で解決しているからです。
- 防水ブラシレスモーターの採用
- シンプルな操作性
- 安全性の高さ
他社、特に海外製との違いは「魚を傷つけない作り」にあります。海外製は身を削ってしまうことも多いですが、ホクトは独自の刃の形状により、身を傷めず、人が触れても怪我をしにくい安全設計を追求しています。
また、完全防水モーターにより水を流しながらの使用が可能で、従来の1/10以下の力で作業できるのも特徴。アルバイト初日の新人さんでも、プロの技を再現できる操作性の高さも、国内シェア日本一を誇る理由です。
「あと数分を短縮したい」に応えるラインアップ

ホクトでは、現場の「痒い所に手が届く」製品群も揃えています。
- 骨抜き名人
- ふぐ皮すき名人
- かき殻そうじ名人
上記の製品も、現場の「困った」という声から生まれています。ホクトは単なる機械メーカーではなく、現場のコンサルタントとしての側面も持っていることが分かります。

現場と経営をつなぐ「架け橋」としての決意
塩崎さんがホクトに入社したのは約4年前のこと。当時、会社にはある「見えない壁」があったといいます。「社長である父は非常に優しいのですが、少し口下手で。経営陣がいる3階と、現場の2階でコミュニケーションが十分に取れていないと感じることがありました」
塩崎さんは自ら2階の現場に身を置き、社員と同じ目線で対話を重ねることで、その隔たりを解消していきました。
- 情報の透明性:現場の状況を社長へ正確に伝え、必要なリソースや改善案を即座に実行できる体制を整えたことで、製造工程における迷いやミスが減り、安定した品質供給を実現
- ビジョンの共有:「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を、単なるスローガンではなく、多様な働き方やフォロー体制(担当不在時のフォローなど)として具現化することで、持続可能な製造体制を構築
「私が間に入って、現場の声を社長に届け、即座に実行に移す。今ではチーム全体が一つにまとまっている実感があります」と塩崎さん。
人は財産

塩崎さんが最も大切にしているのは、「人は財産である」という信念です。以下で、塩崎さんが働くうえで大切にしている考え・実践していることを紹介します。
1.心理的安全性とモチベーションが「丁寧なものづくり」を支える
塩崎さんは、居心地の良さこそが作業効率や「会社に貢献したい」という意欲に直結すると考えています。
ホクトの製品(特に「うろこ取り名人」)は、魚の身を傷つけない「丁寧な作り」が海外製との差別化要因になっています。この繊細な品質を支えているのは、マニュアルだけではなく、現場社員一人ひとりの「真摯なものづくり」への姿勢です。
社員のやる気が上がることで生産性が向上し、結果として利益が生まれて会社が回るという好循環を生み出しています。
2.「即・行動」の信頼関係が現場の改善力を加速させる

「人は財産である」の考え方は、現場からのフィードバックを製品改善に活かすスピードにも現れています。
現場担当者が抱く「素朴な疑問」を改善の第一歩とする文化が根付いています。塩崎さんは現場に常駐し、社員の不満や提案を「後回しにせず、すぐに行動に移す」ことを徹底。
在庫管理のデジタル化や、作業場への有線放送(音楽)の導入など、社員の声を即座に反映することで、「自分の意見が会社を良くしている」という実感を社員に与え、製品精度を高める集中力へと繋がっています。
「意見を聞くだけで動かないリーダーにはなりたくない」塩崎さんの徹底した現場至上主義が、ホクトの新しい文化を形作っています。
行動が招いたチャンス

ホクトのSDGsへの取り組みは、「海外展開」という実利的な目的から始まりました。オーストラリアなど海外への輸出を検討した際、現地ではプラスチック規制が厳しく、従来の梱包が使えないという壁にぶつかりました。
「プラスチックがダメなら、紙に変えよう」この決断が、結果として「プラスチック不使用包装」というSDGsの取り組みに繋がりました。
「背伸びをしてSDGsを謳うのではなく、ビジネスの必要性に真摯に応えた結果が今の形です。将来的には国内向けも含め、すべて紙包装に統一していきたい」と塩崎さん。自然体で持続可能な経営を見据えています。
世界ナンバーワンを目標に

愛媛県新居浜市で生まれ育った塩崎さんにとって、この街は「縁の下の力持ち」が集まる誇り高い場所です。「新居浜市の会社は、華やかさはなくても、大きな機械の重要な部分を担っているスゴい会社ばかり。展示会では、あえて愛媛の方言を隠さず、地元をバンバン推しています」と笑います。
そんな彼女が描く未来のビジョンは明快です。「ニッチな分野だけど、世界のシェア率ナンバーワンを目指したい」海外製の機械は作りが雑で、魚の身を傷つけてしまうことも少なくありません。
一方、ホクトの製品は「日本の丁寧なものづくり」が凝縮されており、魚を美しく仕上げることができます。「『ウロコ取りといえばHOKUTOだよね』と世界中で言われるようにしたい。この目標は、今のチームなら必ず達成できると信じています」
食の未来を照らす

ホクトの製品は効率化ツールではなく、「現場の相棒」です。8万台という実績の裏には、水回りで使える防水性や、身を傷つけない丁寧な作りへのこだわりが凝縮されています。
一方で、単に便利な機械を売る会社ではありません。そこには創業者が守り抜いた独自技術を、次世代が「人の力」で育み、世界へ広げようとする強い意志が詰まっています。
日本が誇る丁寧なものづくりを武器に、目指すは世界のシェア率ナンバーワン。海外でも「うろこ取りといえばHOKUTO」と言われる未来は、すぐそこまで来ています。加工現場の課題に寄り添い、食の未来を照らすホクトの挑戦。
現場の負担軽減や効率化に悩むなら、新居浜市から世界へ羽ばたく「名人の技」をぜひ一度体感してください。
株式会社ホクト 会社概要
| 項目 | 内容 |
| 会社名 | 株式会社ホクト |
| 代表者 | 代表取締役 髙橋 義樹 |
| 所在地 | 〒792-0892 愛媛県新居浜市黒島一丁目5番24号 |
| 電話番号 | 0897-45-3568 |
| 設立 | 平成17年(2005年)11月 |
| 資本金 | 300万円 |
| 事業内容 | ・魚加工機械および器具の開発、製造、販売 ・直流ブラシレスモーター関連製品の開発、製造、販売 ・風力発電機ユニットの開発、製造、販売など |
| Webページ | https://hokuto792.com/ |
※本記事は2026年5月執筆時の内容です。最新情報は公式Webページ等でご確認ください。



