バックストーリー  |    2026.10.16

沖縄発「廃材×アート×テクノロジー」で価値ある作品に(株)WALLTECH

沖縄を拠点に活動する株式会社WALLTECH(ウォールテック)は、捨てられるはずだったものに、アートとテクノロジーの力で新しい価値を加えた作品を展開しています。

代表取締役を務める長谷場咲可さんは、廃棄資源に光をあて、オリジナリティあふれる作品を生み出してきました。ものづくりの背景にある長谷場さんのこれまでのキャリアや、アーティスト・地域の人々とのつながりをご紹介します。

捨てられるはずだったものが、華やかな作品に

「Collage」の名刺入れ。生地本来の色柄をそのまま活かしたオリジナリティのある作品。

色とりどりの柄が目を引く名刺入れ。実はこの商品、着なくなった衣類や製造時のハギレ、農業用ビニールハウスの廃材から作られています。捨てられるはずだったものが、こんなに華やかな作品に生まれ変わることに驚く人も多いのではないでしょうか。

この名刺入れを手がけているのが、株式会社WALLTECHです。2023年11月に創業したWALLTECHは、廃棄衣類にアートの価値を加えて新しい商品や空間に変える事業を展開しています。

事業の1つである「Collage(コラージュ)」は、廃棄衣類や農業フィルムを独自技術で繊維パネルに加工し、名刺入れやキーホルダー、コインケースなど、さまざまなアイテムに商品化しています。生地本来の色柄をそのまま活かしているため、ひとつとして同じものがないオリジナリティが魅力です。

「作品はB型就労支援利用者の方々と協力して作っています。色の組み合わせや配置で個性が出るので、作品があがってくるのが毎回楽しみです」

そう笑顔で話す長谷場さん。WALLTECHは複数の事業を展開していますが、そのアイディアはこれまでの経験とつながっていました。

パタンナーの経験が事業アイディアに

「KISEKIオーダーメイドかりゆし」で仕立てたかりゆしウェアを着る長谷場さん

兵庫県出身の長谷場さんは、ファッションの専門学校を卒業後、アパレル業界でパタンナーとして働いていました。

「結婚・出産がきっかけで沖縄に移住しましたが、パタンナーとして働ける場所が探せなかったんです」

思うような職場に出会えなかった長谷場さんは、ハンドメイドで作品を作ったり、かりゆしウェアの制作を個人で受注したりと、できる範囲で活動を続けていたそうです。

「その頃、お客さんから『かりゆしウェアが他の人とかぶるのが嫌』という声を聞いていたんです」

そういったニーズに応えるため、注文を受けるたびに一点もののかりゆしウェアを仕立てていた長谷場さん。この経験が、のちにWALLTECHの事業のひとつ「CO-NE」へとつながっていきます。

アーティストとクリエイターをつなぐ「CO-NE」事業では、2026年4月に株式会社フードリボンと協業して「KISEKIオーダーメイドかりゆし」を展開しました。システムを使って色や柄を選び、自分好みのかりゆしウェアを仕立てられます。フードリボンは長谷場さんの前職でもあり、現在も相談し合う仲だと話します。

「生地に直接プリントできる機械がフードリボンに導入されたので、そのプリンターを使ったらオリジナリティのあるかりゆしウェアができると思ったんです。システムに関しては、選べる項目がもっと多かったんですけど、一般の方でも楽しく選べるように数を絞りました」

WALLTECHはアーティストとクリエイターをつないだシステム運用を担い、フードリボンはかりゆしウェアの制作を担う形で協業。個人でこだわってきたものづくりが、事業として形を変え、より多くの人に届くようになりました。

「あなたの事業なら協力する」アーティストとの信頼関係

アーティストとの印象に残るエピソードを振り返る長谷場さん  

WALLTECHの作品は、アーティストやクリエイターとの協働によって広がっています。そうした関係のなかで、長谷場さんの心に強く残っているエピソードを語ってくれました。

「あるアーティストから『あなたの事業なら協力するから、何でも言ってね。長谷場さんは作品を大事にしてくれるから、信用している』という言葉をもらったときは、うれしかったですね」

目先の利益よりも、作り手の想いを尊重する。そんな長谷場さんの姿勢が、アーティストたちとの信頼を積み重ねていきました。ひとつの縁が、次のものづくりへとつながっていく。 WALLTECHの歩みは、沖縄から全国、そして世界へと続いていきます。

会社情報

会社名:株式会社WALLTECH
所在地:沖縄県沖縄市比屋根7丁目1709番地
公式HP:https://walltech.jp
KISEKIオーダーメイドかりゆし:https://kiseki-kariyushi.jp

記事をシェアする

この記事を書いた人

久場 春菜

沖縄県うるま市出身、国頭村在住。沖縄らしい自然や伝統、温かいうちなーんちゅ(沖縄の人)を私なりの視点からお届けします!インタビュー記事作成、SNS投稿作成を中心に、フリーランスとして活動しています。

関連記事