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フード  |    2026.09.25

全国区になっても、変わらず「地元のお店」であり続けたい|沖縄丸鶏製造所ブエノチキン

沖縄県浦添市にある「沖縄丸鶏製造所ブエノチキン」(以下:ブエノチキン)は、にんにくがたっぷり詰まったチキンの丸焼きが大人気。家族がおみやげで買ってくると、その香ばしい匂いから「ブエノチキンだ!」と喜ぶ人も多いのではないだろうか?

地元沖縄ではソウルフードとして知られるなか、2018年には沖縄ファミリーマートとのコラボ商品を展開、県外にもその名を知る人が増えてきた。さらに最近は、JTA(日本トランスオーシャン航空)の台北線機内食でも提供されている。「あのブエノチキンが海を越えてファンを増やしている」と驚いた地元の人も少なくないだろう。

沖縄県民にとって馴染みのあるブエノチキンは、家族の食卓のほか、お祝いの席に持ち寄ることも多い。そんな地元で愛されるお店の2代目である、浅野ブエコ朝子さんにお話を伺った。ブエノチキンが全国的な注目を浴びる今も、変わらず大切にし続けている「地元のお店らしさ」に焦点をあてて紹介したい。

家族経営のお店が、スタッフ30人の会社に成長

ブエノチキンは、1982年に浅野さんの両親が前オーナーから引き継いだところから始まった。夫婦2人で30年近くお店を切り盛りし、地域の人たちに支えられながら少しずつお店を育ててきた。

しかし、父の孝英さんが体調をくずしたことをきっかけに、浅野さんが30歳のときに家業を継承。当時は、1日に売れるチキンが20羽ほどで、暇をもて余す日も多かったという。

「お店を継ぐと決めても、両親が2人でまわしていたから私の仕事がなかったんです。とにかく、自分にできることから手をつけていきました」

そこから浅野さんは、自分の仕事を作るべく、テイクアウトメインだったブエノチキンで、次々と施策を打っていく。通販事業、イートインの開設、自動販売機の設置、そして駐車場を備えた新店舗への移転と、事業を少しずつ拡大。今では1日300〜350羽のチキンを売るほどの規模となり、パートスタッフを含めて約30人が働く会社へと成長している。

チキンの仕込み作業の様子
ブエノチキンの新店舗

「通販は、月1,000円ほどのネットショップを利用して始めました。イートインもDIYでスペースを作ったんです。まずは小さく試すことが、うちにはよかったのかも」

急成長したように見えるものの、イートイン事業では5年間の赤字が続いた時期もあったという。順風満帆だったわけではないが、お客さんのニーズに合わせながら一歩ずつお店を育ててきたことが伝わってくる。 

採用にもつながっているSNS発信 

浅野さんがお店を継いでから今まで、コツコツ続けているのがSNS発信だ。誰かに教わったわけでもないが、自分の言葉で投稿を続けて、XやInstagramはフォロワーが1万人を超えている。スタッフに投稿を任せるようになってからも、ルールを決めて、ブエノチキンらしい親しみのある発信を意識しているという。

「SNS運用はマーケティング会社などに依頼せず、自分たちで投稿しています。スタッフががんばっている姿がにじみ出ているのがいいのかも」

そうやって、SNS発信はパートさんが製造の合間に投稿しているという。スタッフやお店の雰囲気が伝わってくるSNS発信は、採用にもつながっている。

「求人サイトで募集を出していないのに、SNSを見て『好きなお店で働きたい、募集していますか?』と問い合わせがきたこともありました」

企業の公式アカウントというより「知っている誰かがつぶやいている」ような距離の近さが採用につながっているのかもしれない。

定休日の鶏皮ひとつに込めた、おもてなしの心 

SNSやテレビを見て店舗を訪れる観光客も多いが、浅野さんは一人ひとりのお客さんに誠実な対応を心がけている。定休日に訪れたお客さんとのエピソードは今でも忘れないという。

「沖縄旅行でわざわざ来てくれたのに、そのまま帰すのは悪いなと思って、その場にあった試作品の鶏皮を渡しました。後日、そのお客さんが予定を変えてお店に来てくれたときはうれしかったですね」

店舗に訪れたお客さんがメッセージを寄せる「ブエノート」

そんな、一人ひとりのお客さんを大事にする姿勢がよく表れているのが、店頭に置かれた「ブエノート」だ。ノートには、来店したお客さんが自由に感想やメッセージを書き込める。全国的に知名度が上がり、初めてお店を知る人が増えていくなかでも、こうして一人ひとりの声に直接触れられる場を大切にしている。 

新しい挑戦の先にも、変わらない地元への想い

沖縄から全国へとブエノチキンの名前が知られるようになった現在も、浅野さんの挑戦は続いている。

「最近は商品を開発できるスタッフが加わり、新しくソースを作りました。商品ができたのはいいけど、実は営業が苦手なんです。どんなふうに売っていくかが、今後の課題です」

開発した「B1 SAUCE」は、ブエノチキン秘伝のタレを使ったソースだ。チキンの味付け後に大量廃棄していたタレを煮詰めて作ったという。ブエノチキンのInstagramでは、ソースを使ったアレンジレシピも紹介されている。

これまでのブエノチキンは、口コミやSNS、テレビなどのメディア出演といった広がりが中心で、自ら売り込みに行く営業活動には力を入れてこなかった。もったいないの心から生まれた商品を、これからどう届けていくか。浅野さんにとって、新しい挑戦が始まっている。新たな取り組みに力を注ぐ一方で、浅野さんの根底に変わらずあるのは、地元への想いだ。

「私がお店に立っていると、『20年前に通っていたんだよ。お父さん、お母さんは元気ね~?』などと思い出話を聞かせてくれるお客さんが多いんです。地元の方に来ていただけることが、何よりうれしいですね」

浦添の土地で、40年以上も地元の人たちに育てられてきたブエノチキン。うちなーんちゅ(沖縄の人)だけでなく、県外の人にも愛されるお店になっていく道のりを応援したい。

店舗情報

店舗名:沖縄丸鶏製造所 ブエノチキン
電話:098-876-0452 

所在地:〒901-2121 沖縄県浦添市内間2-11-15
駐車場:約12台

営業時間:テイクアウト:AM10:30〜PM5:30(売り切れ次第終了) 
※イートインのラストオーダーはSNSなどでご確認ください

定休日:日・月曜、正月(元旦から1、2週間ほど)
※ご来店の際はSNSで最新情報をご確認ください

HP:https://www.buenourasoe.com/
X:https://x.com/buenochicken
Instagram
:https://www.instagram.com/bueno_urasoe/
Facebook:https://www.facebook.com/buenourasoe

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この記事を書いた人

久場 春菜

沖縄県うるま市出身、国頭村在住。沖縄らしい自然や伝統、温かいうちなーんちゅ(沖縄の人)を私なりの視点からお届けします!インタビュー記事作成、SNS投稿作成を中心に、フリーランスとして活動しています。

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