愛媛県伊予市に、焼きたてのワッフルを楽しめる「ワッフルのサウル」が誕生しました。
2026年7月25日にオープンした同店を営むのは、大阪府東大阪市出身の山田祐大さん(以下、山田さん)です。
山田さんは、2023年度から3年間、伊予市の地域おこし協力隊として活動。任期を終えた後、「自分の好きな場所で、好きなことをして生きていきたい」という思いから、自身が大好きだったワッフルを提供する店を始めました。
今回はオープン後の「ワッフルのサウル」を訪れ、山田さんに現在の様子やワッフルへのこだわり、これから目指すお店の姿について伺いました。
「自分の好きなもので生きていきたい」ワッフル店を始めた理由

山田さんが「ワッフルのサウル」を始めたきっかけは、とてもシンプルでした。
「自分がワッフル好きだったというのが大きな理由です」
大阪で暮らしていた頃、身近にあったのがワッフルでした。一方、四国では持ち帰りできるワッフル専門店が少ないと感じていたそうです。
「ないなら、自分で作ってみようかなと思いました」

もともと料理が好きだった山田さんですが、飲食店での経験もあります。高校時代から大学卒業まで、大手チェーン店で働いていました。
「店内のオペレーションや接客など、今も活きていると思います」
飲食店で培った経験に加え、伊予市での地域おこし協力隊としての3年間も、現在の店づくりにつながっています。

地域おこし協力隊としてさまざまな人と出会い、刺激を受けた山田さん。
「伊予市という町で、自分で生きていきたいと思ったんです」
そんな思いが、好きだったワッフルと結びつき、「ワッフルのサウル」が生まれました。
オープンして間もないのに、すでに常連客も

取材時点ではオープンからまだ間もない時期でしたが、山田さんはすでに地域の人とのつながりを感じていると話します。
「本当にあっという間でした。地域の方が何回もリピートしてくださって、もう常連さんがついてくださっているのがすごく嬉しいです」
印象的だったのが、ある常連客とのエピソードです。

ある日、常連のお客様がパイナップルを持ってきてくれたそう。山田さんはそれを別のお客様にも分け、受け取った人も喜んでくれました。
「地域の方に支えられているなと感じます」
地域おこし協力隊時代につながった人たちとの縁も、現在のお店に続いています。

一緒に地域活動をしていた愛媛大学と松山大学の学生が、現在はスタッフとして働いているそうです。
お店を始めたことで新たなつながりが生まれているだけでなく、これまで築いてきた人との縁が、少しずつ「ワッフルのサウル」という場所に集まり始めています。
人気は「クラシック」と「チョコチップ」

「ワッフルのサウル」で人気なのは、シンプルな「クラシック(プレーン)」と「チョコチップ」。
女性からは「アップルパイ」も人気だそうです。
同店で使用しているのは、ベルギー発祥のリエージュワッフル。
生地づくりで特にこだわっているのが、低温発酵です。
「8時間から12時間ぐらい、低温でじっくり寝かせて発酵させています」

時間をかけて発酵させることで、しっとり、もっちりとした食感と、豊かな香りを引き出しています。
オープン前の取材では「まだ納得のいく生地ができていない」と話していた山田さん。しかし、現在もその姿勢は変わっていません。

「日々、まだまだブラッシュアップし続けています」
自分自身が「おいしい」と思える味を追求しながら、より良いワッフルを目指して試行錯誤を続けています。
「伊予市らしいワッフル」も構想中

山田さんが現在考えているのは、単においしいワッフルを作ることだけではありません。
これからは、伊予市ならではのワッフルにも挑戦したいと考えています。
そのひとつが「出汁」を使ったワッフル。
伊予市には、ヤマキやマルトモといった大手のかつお節・だし関連企業があります。
「伊予市は出汁文化があるので、ワッフルを通して伊予市の食文化も広げていけたら面白いんじゃないかなと思っています」

例えば出汁を使った生地にエビを合わせ、ベーコンワッフルのような塩気のあるワッフルにする構想もあるそう。
まだアイデアの段階ではありますが、「ワッフル」という洋菓子に伊予市らしさを掛け合わせることで、ここでしか味わえない一品が生まれるかもしれません。

さらに2026年秋には、伊予市中山町の特産品「中山栗」を使ったメニューも検討しています。
「できる限り伊予市のものを使っていきたい」
その言葉からは、地域おこし協力隊として伊予市と関わってきた山田さんならではの視点が感じられます。
「寄り道も遠回りも味になる」

「ワッフルのサウル」には、山田さんが掲げるキャッチコピーがあります。
「寄り道も、遠回りも、味になる。」
この言葉には、ワッフルを食べに来ることだけを目的にしなくてもいい、という思いが込められています。

「寄り道がてらに来てもらえたら嬉しいです」
例えば、伊予市を訪れた際に立ち寄る。
友人と話をしに来る。
子どもと一緒におやつを食べる。
ワッフルを買って誰かの家へ遊びに行く。

そんな何気ない時間の一つひとつが、その人にとっての「味」になっていくのかもしれません。
山田さんは、店内で食べるだけでなく、持ち帰ったワッフルを自宅で温め直して食べることもおすすめしています。
プレーンやチョコチップなどは、トースターで1分から1分半ほど温め直すことで、香りがより引き立つそうです。
「ここに来た」という思い出も、一つの味になる

最後に、これから「ワッフルのサウル」を訪れようとしている人へ、山田さんからメッセージをいただきました。
「気軽に来ていただければ嬉しいです。『ここにおったよね』という思い出も、一つの味になるんじゃないかなと思っています」
伊予市を訪れたとき、目的地へ急いで向かうのではなく、少しだけ寄り道してみる。
焼きたてのワッフルを片手に、地域の景色を眺める。

誰かと会話を楽しみ、また次の場所へ向かう。
そんな何気ない「寄り道」が、旅や日常を少し豊かにしてくれるかもしれません。
伊予市を楽しむ新しい場所として、そして地域の人がふらっと集まれる場所として。
「ワッフルのサウル」は、これからも変化を続けながら、伊予市に新しい“味”を届けていきます。
ワッフルのサウル
住所: 愛媛県伊予市下三谷2926-1
営業時間:
(月・木)9:00~18:00
(金・土・日)9:00~16:00
※売り切れ次第終了
定休日: 火・水曜日
駐車場: あり
SNS:Instagram




