大和市の東急田園都市線つきみ野駅から徒歩1分の場所に「酒酒（しゅしゅ） つきみ野店」はある。ここは、つきみ野で地元のお酒好きたちから愛される居酒屋だ。
店主の“たくさん”は2022年1月から「酒酒 つきみ野店」を引き継ぎ、従業員数名と共にお店を切り盛りしている。前編では、店主のたくさんがお店を引き継ぐまでのストーリーやお店づくりのこだわりを伺った。後編である本記事では「酒酒 つきみ野店」に良いお客さんだけが集まるカラクリについて尋ねてみた。
「酒酒 つきみ野店」に良いお客さんだけが集まるカラクリ
筆者が「酒酒 つきみ野店」に通うこと約3年。それなりに「酒酒 つきみ野店」の客層を見てきたが、ここには本当に良いお客さんしか集まらないような気がする。「良いお客さん」というのも抽象的な気がするが、とにかく「良い」のだ。無理難題を注文したり、物を壊すほど大騒ぎしたりする客はいない。
——「酒酒 つきみ野店」には良いお客さんしかいないですよね？カラクリはあるのでしょうか？
「自分はお客さんに対して正直に接客していて、結果的に嫌われてもそれは仕方がないと思ってます。僕も人間だからあまり好きになれない人は好きになれないし、偉そうに無理な注文をしてきたり大声をあげたりする人は、他のお客さんにも迷惑がかかるからロボット対応にしてるんです」
たくさんは、お店に来る常連さんや従業員のことを大切に思っている。だからこそ、横柄な態度をしたり周りに迷惑をかけたりするお客さんには、最低限の接客だけをするロボット対応なのだそう。ロボット対応にするとマナーの悪いお客さんも次第にお店に顔を出さなくなる。そうして段々と「酒酒 つきみ野店」には良いお客さんが残っていくというカラクリだ。
念の為言っておくと、ロボット対応をする機会はほとんどない。なぜなら、そもそも「酒酒 つきみ野店」に来るお客さんは、良い人ばかりだからだ。
良いお客さんだけの空間だから、仲間や友人と行っても楽しいし、一人で飲みに行っても静かに飲める。話したい時は気軽にたくさんや従業員の方とも話せるため、どのような飲み方でもフィットする。いろいろな楽しみ方ができるのは「酒酒 つきみ野店」の特徴とも言えるだろう。
とはいうものの、最近は新規で若いお客さんも頻繁に来てくれるようになったとか。取材中も学生さんと思しき四人組が暖簾（のれん）をくぐってきたのを覚えている。
——たくさんが店主になってから、客層も若い方が多くなりましたよね？
「そうかもしれません。多分だけど、自分は下の年代が好きなのかもしれないです。もちろん上の年代の方もそうなのだけれど、若い子はマナーが良くて素直だから、こっちも自然と歓迎ムードになる節もあります」
現在の常連さんを大切にしつつ、積極的に若いお客さんを向かい入れていくたくさん。正直であることこそが「酒酒 つきみ野店」に良いお客さんしか集まらないカラクリなのだろう。そんな「酒酒 つきみ野店」では、今後もますますの賑わいが予想される。
つきみ野の地で居酒屋を営む理由は？
最後につきみ野という地で居酒屋を営む理由を聞いてみた。たくさんはなぜ「酒酒 つきみ野店」を引き継ぎ、大和市のつきみ野に腰を据えたのだろうか。
——たくさんが、つきみ野という地を選んだ理由ってあるのでしょうか？
「もともとつきみ野が実家で、この地域は良い人が多いと感じていたんです。だからこの町を選びました。それに、ここ（酒酒）があって良かったって地元の人に言ってもらえると、ものすごく嬉しいしモチベーションになります」
たくさんにとっても馴染みの深い地元であるつきみ野という地。良い人が多いから選んだと言うが、たくさんの人柄が良い人だけを集めているのかもしれない。筆者が「酒酒 つきみ野店」に通う理由も、たくさんに会いに行くためと、レバーを食べに行くためだ。
多くの人に愛されながらつきみ野に根付いて赤提灯をぶら下げる「酒酒 つきみ野店」は、これからも地元のお酒好きたちに暖かな居場所を提供し続けるだろう。
つきみ野周辺に住んでいて、まだ「酒酒 つきみ野店」へ訪れたことがない方は、ぜひこの機会に足を運んでほしい。ここのレバーは口に入れた瞬間に全細胞が一斉に「うまい！」と声を上げるほど絶品である。
【酒酒 つきみ野店】
- つきみ野駅から徒歩1分
- 20席（4名がけテーブル3、カウンター8席）
- 火曜日定休日
- 営業時間17時〜24時（日曜は23時で閉店）
- お通し代1人¥330
- 「酒酒 つきみ野店」〒242-0002 神奈川県大和市つきみ野4丁目5-1
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