フード  |    2026.10.26

フランス帰りの店主が焼く、フランス人もうなる!そば粉のガレット専門キッチンカーKANPARIS(カンパリ)

美術館や動物園を目指す人々、犬の散歩を楽しむ近所の人、そして海外や遠方からの旅行者。

さまざまな人が行き交う上野恩賜公園の一角に、パリのカフェを連想させるピスタチオグリーンのキッチンカーが停まっています。KANPARIS(カンパリ)は、そば粉の生地を使ったフランスの郷土料理「ガレット」の専門店。

今回は店主さんに、ガレットに込めた想いや、キッチンカーならではの出会いについて伺いました。

高校時代を過ごしたフランスが「アイデンティティのひとつ」に

店主さんは高校の3年間をフランスのトゥールで過ごした帰国子女。「その時の経験が私のアイデンティティのひとつ」と語り、「いつかフランスに関わる仕事がしたい」と漠然と思いながら、20年以上会社員として働いてきました。

当時の勤務先で副業が解禁されたことをきっかけに、「じゃあフランスに関するものをやってみよう」と考えたことが転機となりました。ホームステイ先の家庭で作ってもらったり、現地でたくさん食べたりした経験が原点となり、ガレットに挑戦することに。

実は、フランスで一番心に残っていたのはクレープの方だったとか。それでもガレットを選んだのは「年齢を重ねる中で健康面を意識するようになり、砂糖や小麦粉よりも体に良いものを」という想いもあったから。

生地はそば粉・塩・水だけ。埼玉のそば農家との縁

ガレットの主役である生地の材料は、そば粉と塩と水のみ。シンプルだからこそ、そば粉そのものの味が決め手になります。

店主さんのこだわりのそば粉との出会いは、なんと直談判から。

好きだったガレット店に「ここのガレットがすごく好きで、キッチンカーでガレット屋をやろうと思っているんです。よければ仕入先を教えてもらえませんか」と相談したところ、埼玉県のそば農家を紹介してもらえたのだそう。以来、ずっとその農家からそば粉を仕入れており、こだわりのそば粉から作ったガレットをお客様にお届けしています。

また、そばは日本人にとってなじみ深い食材。「そばは日本でも普通に食べるので、親和性が高いかなと思って」との想いもあったとのこと。店主さんは、そば粉をフランスの伝統と日本の食文化をつなぐ素材として、魅力と美味しさをガレットを通じて伝えています。

1万枚以上焼いてたどり着いた、フランス人も認める味

店主さんはフランスで修行していたわけではなく、レシピは独学。フランスに住んでいた経験から、試行錯誤を繰り返し1万枚以上焼き続け、今では自信を持って提供できるクオリティに到達したとのこと。

先日は、「フランスのどこで修行したの?すごく美味しい!」とフランスからの旅行者から質問が。フランス人も思わず、美味しいと感激してしまう味。ピスタチオグリーンのキッチンカーを見かけたら、ぜひとも味わってほしいガレットです。

デザートのガレットもそば粉で美味しくヘルシーに

メニューは食事系の塩気のあるガレットがメイン。本格的なガレット店ではデザートに小麦粉のクレープを使うことが多い中、あえて甘いメニューにもそば粉の生地を使用しているとのこと。店主さんの「塩気と甘いのが合わさると最高じゃないですか」という想いから、甘いガレットも味わえます。

美味しいメニューがある中で、店主さんの一番の推しデザートは「シュガーバター」とのこと。バターで生地がパリパリ、サクサクと焼き上がり、そこに砂糖が重なって、生地の香ばしさと食感を存分に楽しめる一品。

私も実際に食べたのですが、甘しょっぱい味わいに、じゅわ~っと口の中に広がるバターに、生地の食感がたまりません。他の味も美味しいのですが、シュガーバターはぜひとも一度は食べてほしい味です。

また、子どもに人気なのは「チョコバナナ」。生クリームはトッピングで追加する形なので、クリームが苦手な人にも食べやすいのがうれしいところ。

明太チーズなど食事系も充実しています。

そして、季節限定メニューも見逃せません。冬の限定メニューだった「リンゴのキャラメリゼ」は当日中に売り切れるほどの人気。

他にも、桜の季節には、抹茶ラテにピンクのクリームと桜の花をあしらったドリンクも登場しました。ドリンクは当初なかったものの、お客様からの要望を受けて、ガレットと共に美味しいドリンクの提供も始めたそうです。

日本人だけでなく外国人客も多いため、メニュー表には番号とイラストを添え、番号で注文できるよう工夫。スタッフが英語で対応しながら、試行錯誤を重ねて今の形にたどり着いたとのこと。店主さんの思いやりの気持ちがメニュー表にも表れています。

天国の愛犬たちが開く、小さなパーティー

キッチンカーの反対側には、かわいらしい犬たちのイラストが描かれています。これは店主さんがかつて飼っていた愛犬たち。1匹を除き、みんなもう天国へ旅立ちましたが、「悲しい感じではなく、みんなで楽しくパーティーをして食事をしている」というイメージ。

そのイラストがきっかけで、犬連れのお客様が訪れることも多いのだとか。材料があるときは、ワンちゃん用にクリームをプレゼントすることも。犬友達がまた別の友達を連れてきてくれるなど、「場所ごとにコミュニティができあがっていくのが面白い。それが醍醐味ですね」と店主さんの想いを教えていただきました。

色が呼び込んだ、新しい出店の縁

こだわりのピスタチオグリーンの車体は、店主さん自らが「フランスのカフェっぽい色」をイメージして指定したもの。

おしゃれなピスタチオグリーンのキッチンカーやこだわりのメニューがインスタグラムで目に留まり、イベントの主催者様からお声がけいただくことも。

ガレットを美味しく食べながら、おしゃれなキッチンカーを見ることも楽しめます。

『旅行の一番の思い出』と言ってもらえるように

最後に、これからの目標を伺いました。

「上野公園に行ってあんな美味しいものが食べられた、旅行の一番の思い出だわ、と言ってもらえたら最高ですよね」

いつか誰かが「子どもの頃の思い出の食べ物は?」と聞かれて、「動物園の帰りに食べた、クレープみたいでちょっと違うあのガレット」と答えてくれるような存在に。もっと美味しく、もっとヘルシーに満足できるメニューを目指して、店主さんは今日もガレットを焼き続けています。

東京・埼玉・千葉で営業できる体制を整えつつ、現在は都内での出店が中心で、上野公園のほか、代々木公園や赤坂インターシティなどにも出店。

ピスタチオグリーンのキッチンカーを見かけたら、美味しいガレットをぜひとも味わってみてください。

【基本情報】

KANPARIS 〜関西生まれのパリジェンヌ〜
出店エリア:東京都、埼玉県、千葉県
支払い方法:現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済可
営業日 及び 営業時間:インスタグラムの投稿にてご確認ください。
*雨天中止の際は、インスタグラムのストーリーにて確認できます。
Instagram:ガレット専門キッチンカー_カンパリ
HP:https://voilakanparis.wixsite.com/galette-kanparis

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この記事を書いた人

しいか

下町をこよなく愛するライターです。東京の下町生まれの下町育ちなので、下町と共に生きてきました。下町の和気あいあいとした雰囲気が好きです。Mediall(メディアール)では、地元の人しか知らない喫茶店や雑貨などのお店の紹介もできればと考えています。他にも、美術館の雰囲気が好きです。私自身がアート関係の記事を書くことで、素敵な作品や展示が少しでも多くの人に知られるきっかけになればと思っています。実際に下町を探索している私だからこそ、伝えられることを伝えていきます。美術館や展示の帰りに、ひと休みホッとできるお店にも寄っていただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

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